琉誓
久々の遊園地だ♪
紅紫
…………
琉誓
じゃあ、中へ入ろう
にこ
紅紫
紅紫
(……なんで、こんなことになったんだ?)
一見すればただのカップルにしか見えないが……
紅紫
(ボク一応、生物学的には男だけど…………)
琉誓
そんなに見つめられると、テレちゃうな
琉誓
琉誓
似合うでしょ?
フリルトップスとロングスカートをうまく、着こなしている
男だとは思えないぐらい、ナチュラルメイクは完璧だった
紅紫
(……ぜんぜん、違和感がない)
琉誓
楽しもうね♪
紅紫
(………知り合いには、見られたくないな)
?
?
あれ?
?
(あそこにいるのって……)
紅紫と琉誓が再会したのは、1週間前のこと────
雑談を交わしてたと思うが、いったいどういう成り行きで、約束したのか覚えてない(そのとき初めて琉誓の名前を知った)
待ち合わせ時間と場所を決めて、ふたりは別れた
紅紫
(──あのとき、なんで約束したんだっけ?)
琉誓
どれか乗りたいのある?
紅紫
紅紫
──えーと
琉誓
ふふ、ゆっくりでいいよ
にこにこ
詩保(しーちゃん)
……うーん
詩保(しーちゃん)
やっぱり、あの場所にいたのって……
逝
逝
どうした? 考えごとか?
詩保(しーちゃん)
……! セイさん!
詩保(しーちゃん)
あ、ちょうどよかったです
詩保(しーちゃん)
セイさんに伺いたいことが──
逝
なんだ?
首をかしげる
詩保(しーちゃん)
紅紫さんって、彼女さんいるのですか?
逝
へ? 彼女?
詩保(しーちゃん)
実は○×あたりの遊園地で見かけまして
事情を伝える──
逝
なるほどな
逝
(あいつに彼女っていたっけ?)
そのとき、背後から不穏な空気が漂ってきた
……詳しく、聞かせてもらおうか
詩保(しーちゃん)
詩保(しーちゃん)
あ、あなたは──
額に青筋を張り、阿左美慎哉が仁王立ちしていた
詩保(しーちゃん)
(あぁ……、どうしよう……)
詩保(しーちゃん)
(あまりの迫力さに、つい話しちゃったけど……)
話を聞いた慎哉は不機嫌のまま、うつし世へと向かってしまった
逝
『おもしろそうだから、オレも行ってくる』
逝もあとを追った
詩保(しーちゃん)
とんでもないことを仕出かしたような気がする……
一方、その頃──
琉誓
今度はあれに乗ろうか♪
空中ブランコを指さす
紅紫
いいよ
嵐が近づいていることを知るよしもなかった…………