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浩太(弟)

(はあー、やっぱ眠いな…)

浩太(弟)

浩太(弟)

に、兄ちゃん!!

浩太(弟)

こ、これ、、

浩太(弟)

直人(兄)

ん、どうした?

浩太(弟)

これ、なに?

直人(兄)

新聞でしょ、何に驚いて…

直人(兄)

えっ、

直人(兄)

これ、おれと浩太のこと?

直人(兄)

えっ、その日はたしかに出かけたけど…、

直人(兄)

(おれらの年齢もぜんぶ一緒だけど…、)

直人(兄)

(父さんと母さんの年齢も同じだし、もういないことまで…)

浩太(弟)

ねえ、どうなってるの?

浩太(弟)

これ、ぼくらのことなの?

直人(兄)

はは、ははは、、

浩太(弟)

にい、ちゃん?

直人(兄)

はは、違う人のことだよ

直人(兄)

おれらじゃねえ

直人(兄)

おれら、じゃねえよな?

直人(兄)

うっ、

直人(兄)

思い出した、、

直人(兄)

あの日おれらが車に乗ってたら

直人(兄)

前から猛スピードで、高速でもないのに時速120kmくらいで走ってくる車がいたんだ

直人(兄)

絶対におかしいってなったんだけど、

直人(兄)

その車が速すぎて、避ける暇なんかいっさいなかったんだよな

直人(兄)

そのままたぶん衝突して、気づいたらここにいた

直人(兄)

ショックでぜんぶ忘れて記憶が飛んでたんだな

直人(兄)

はは、おれら意識不明の重体だってよ

浩太(弟)

いやだ、いやだよ死にたくないよ!

浩太(弟)

兄ちゃん、、

直人(兄)

ははは、笑うことしかできねえ

浩太(弟)

まだ、間に合うかな

浩太(弟)

からだ、に戻れるかな

直人(兄)

知らねえよ

直人(兄)

ゆずねえなら知ってるかもよ

浩太(弟)

ガチャッ

柚子(姉)

ただいま( ´ ▽ ` )ノ

柚子(姉)

今日のお昼は、親子丼だよー!

柚子(姉)

柚子(姉)

どうしたの?

柚子(姉)

空気が暗い、よ?

直人(兄)

なあ、ゆずねえ、

直人(兄)

おれら、死んだのか?

柚子(姉)

えっ?どうしたの急に、、

浩太(弟)

これ、見てよっ

柚子(姉)

柚子(姉)

あ…

柚子(姉)

柚子(姉)

気付いちゃったか

柚子(姉)

柚子(姉)

そうね、それは正しい

柚子(姉)

事故の連絡がきた日、母と父の遺体の確認をしたあと、病院にも行ったわ

柚子(姉)

もちろんあなたたちに会うために

柚子(姉)

二人とも大量の管につながれていたわ

柚子(姉)

そのあとここにきたの

柚子(姉)

そしたらあなたたちがいた

柚子(姉)

最初は不審者かと思ったけど、まったくいっしょなんだもの

柚子(姉)

話してみると、事故のときの記憶がすっぽり抜けている

柚子(姉)

でも、前と変わらず暮らしていけるって思ったの

柚子(姉)

お母さんもお父さんもいなくなっちゃったけど、なんとかなるかもって

柚子(姉)

それで、1ヶ月くらい、今日まで過ごしてきた

柚子(姉)

一人じゃないのが本当に嬉しかった

柚子(姉)

でも、限界が近づいているのね

柚子(姉)

柚子(姉)

ごめんね

柚子(姉)

ごめんね

浩太(弟)

ねえちゃんは悪くないよっ

柚子(姉)

いいえ、わたしも悪いの

柚子(姉)

柚子(姉)

直人と浩ちゃんの本体は、おとといこの世から去りました

浩太(弟)

直人(兄)

浩太(弟)

柚子(姉)

ごめんね

柚子(姉)

わたしが現実逃避してたの

浩太(弟)

もう、戻れないの?

柚子(姉)

もしかしたら、戻れるかもしれないけど、難しいんじゃないかな

浩太(弟)

柚子(姉)

早く言ってあげたらよかったのかな

柚子(姉)

“あなたたち意識不明の重体だよ”

柚子(姉)

って

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