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しっかりした文章で読み応えあり
不倫行為も毒、殺人も自殺も毒、そしてこの悲劇が世間から好奇の目で噂されて皮肉にもきっと遺作はセンセーショナルを巻き起こす事は容易に想像できそうな世間の風潮も正に毒…
『poison』
『毒』
『世の中では常識として通っているこの言葉の訳。』
『今でこそすんなり受け入れることができるが、私が初めてこの英語を知った時はそうはいかなかった。』
『なんだか、可愛らしい響き。』
『無知なあの頃の私は、そう感じた。』
『名前とは、ただの飾りでしかないのだ。』
『本書を読んでいる貴方の名前を私が知ったとしても、貴方がどういった人物なのか、私は知ることが出来ない。』
『無論、それは貴方が私に対して、でも同じことが言える。』
『Loneliness』
『Murder』
『Creepy』
『ロンリネス』
『マーダー』
『クリーピー』
『この3つの言葉を小さな子供に教え、感想を聞いたとしても、響きからしてポジティブな言葉が聞けるだろう。』
『孤独』
『人殺し』
『不気味』
『しかし、この言葉の意味を聞いたら、どう思うだろうか。』
『まぁ、こんな言葉を子供に教えるべきではないのだろうが。』
『つまり、名前(=外面)を知っただけでは、本質(=内面)を知ることが出来ない。 知った気になってはいけない。』
『おっと、本書は"毒"について語るものなのに、話が逸れてしまっていた。 話を戻そう。』
『__すべての物質は毒であり、毒でない物はない。 容量が毒か否かを区別する。 』
『十六世紀の医師の言葉だ。』
『例えば、アルコール中毒は、アルコールによって引き起こされる。 しかしアルコールは容量を守れば死に直行する毒にはならない。』
『まとめると、何事も容量によって毒となる、ということだ。』
『そこで私はこう考えた。』
『容量で毒となるのは"物質"だけではない。 "感情"も相当する。』
『"毒親"は身勝手な期待や身勝手な恨みが毒。』
『"毒舌"は他人を陥れたい、自分が優越感に浸りたいという気持ちが毒。』
『また、行き過ぎた愛は』
コンコンコン…
花
風見
家政婦の花が紅茶を持ってやってきた。
花
花がそっと私の肩を抱く。
花は
私の愛人でもある。
風見
花
風見
花
『行き過ぎた愛は』
『毒となる。』
花
『毒には、人を殺す力がある。』
『たとえそれがヒ素やテトロドトキシンのような毒そのものでなくとも。』
『感情という毒は』
花
人 を
殺 せ る
花
花
風見
風見
風見
風見
風見
風見
この愛は
毒だ。
花
風見
風見
風見
花
『殺人は、感情の限界突破によって起きる。』
『負の感情、すなわち毒。』
『全ての殺人が感情という毒によって起きるのならば』
『絞殺も刺殺も射殺も』
『全て』
『毒殺と言えるだろう。』
『これで、毒に魅せられた作家の最後の執筆を終わりとする。』