莉子
…私ね鳳来の元姫だったの
翔
鳳来ってあの?
ひより
そう。この学校を支配してるあの鳳来
莉子
でもね辞めさせられちゃったの
翔
はぁ?どういうことだ?
莉子
今の姫は知ってる?
莉子
私のがその子に酷いことをしたって
莉子
…何もしてないのに
莉子
それは全部あの子の自作自演なのに
翔
そんなことって…
ひより
正直こんなことはこの世界だと珍しくはないの
莉子
そう。
翔
もしかして昨日空き教室に居たのも
莉子
教室であいつらと揉めて逃げてきたの
ひより
違うでしょ?!
莉子は逃げてない!
莉子は逃げてない!
莉子
うん。ひよりちゃんがそう言ってくれて心が落ち着く
翔
じゃああの言葉って?
莉子
あぁ…
莉子
もう1つ私には秘密があるの
莉子
この秘密はひよりちゃんと鳳来の幹部しか知らないの
ひより
あいつらにも言っちゃったのが悔しいとこね…
莉子
まぁまぁ
翔
で?それって
莉子
うーんこれって言うより見せた方がいいのかな
ひより
あぁーでもそれって大丈夫なの?
莉子
うーん。大丈夫だと思うこの会話聞いてるはずだから
翔
……きいてる?
莉子
ごめんごめん。ちょっと待ってて
莉子
スゥ…スゥ…
翔
ね、ねた!?
ひより
反応かわいいーねー
ひより
ふふっ…
ちょっと待ってなって
ちょっと待ってなって
莉乃
莉乃
ふぁーあ
莉乃
ねむ…
ひより
うん。おはよ。
莉乃
あ、ひよりじゃん久しぶりだね
ひより
たしかにあんた最近ずっと寝てたじゃん
莉乃
だってしょうがないでしょ?
莉乃
最近莉子のやつが頑張ってるからさ
ひより
まぁね…て
ひより
本郷くん?大丈夫?
翔
え、えーっと
翔
誰?
莉乃
あぁー!あんたが噂の翔くんじゃーん
莉乃
どーも莉子がお世話になってますー
翔
え?え?
ひより
混乱してるねー
莉乃
私は莉乃
莉乃
ひよりあの子なんも説明してなかったの?
ひより
だってそれは莉乃も聞いてたでしょ?
莉乃
まぁね
莉乃
私…私と莉子は2人でひとつなの
翔
2人でひとつ?
莉乃
そう
莉乃
まぁわかりやすく言うと二重人格ってやつね
翔
二重人格…
莉乃
そう。だから今の私はあなたの知ってる莉子とか違う人格ってこと
莉乃
だからはじめましてってこと
翔
なるほど
莉乃
でもここ最近の出来事はちゃんと私も見てたからなんとなくは知ってる
莉乃
莉子と仲良くしてくれてありがとね
翔
い、いえ…
莉乃
さ、てと
莉乃
これ私が呼ばれたってことはあの野郎どもをボッコボコにしてもいいってことだよね?
ひより
ちょっとまった
ひより
それはだめよ
莉乃
はぁ?
ひより
莉子はそれをあんたにお願いなんてしてないでしょ
莉乃
でも私は莉子みたいに優しくないからやられっぱなしなんてごめんだよ
ひより
まぁそれは私もだけどね
莉乃
健さんたちと一緒に潰そうかな
ひより
だーかーらー
ひより
まだだめよ!
それに健さんはちゃんと今のことわかってるから
それに健さんはちゃんと今のことわかってるから
翔
健さんって?
莉乃
あぁーひよりの彼氏
ひより
ちょっ!
莉乃
なんで?隠す必要なくない?
翔
まって、その健さんて潰すってことは
莉乃
そ。どこかは言わないけど頭だよ
ひより
はぁ…
ひより
あとでこれ怒られんだろうな…
翔
てことは佐伯先生は
莉乃
そ。健さんたちの大事な大事なお姫様ってこと
ひより
莉乃…
ひより
あんたばかにしてない!?
莉乃
べっつにー?
ひより
まぁとりあえず莉子と交代したら?
莉乃
そーねこれ以上起きてると今すぐにでも雅人か透流か直樹を1発やりそうだし
莉乃
寝るわ
莉乃
じゃーね。
ひより
うん。またね
莉乃
…2人ともあの子をよろしくね
莉乃
スゥ…スゥ…スゥ…
莉子
莉子
ふぁーあ
翔
莉子…なのか?
莉子
うん。おはよ
ひより
莉乃は?
莉子
寝てるのかな…多分
ひより
そう
莉子
莉乃はどこまで話した?
ひより
うーん自分の存在のことについて?
莉子
え!それだけ!?
ひより
うん
莉子
はぁぁぁぁ
莉子
……あのばか
翔
とりあえず莉乃さんのことはわかった
莉子
莉乃にさんづけって…
ひより
まぁ普通に莉子のことを知ってる人からすると莉乃はその数倍怖いもんね
莉子
まぁ…たしかに
莉子
じゃああの言葉のこと…私の過去についてね
莉子
私が二重人格なのは生まれつきなの
莉子
でお母さんとお父さんは私が生まれた何年か後に事故にあったの
翔
え…
ひより
そう。あれは莉子が丁度二重人格てわかった時ね
莉子
そう。その事で色々調べているときに…
翔
それで莉子はどうしたんだよ
ひより
莉子は親戚の家に預かられたの
莉子
…でも
ひより
そこでねひどい扱いを受けてたの
莉子
そう。私が1人なら
莉子
あんたが二重人格なんてそんな気持ち悪い子じゃなかったらって
翔
でもそれってお前の両親の本心か?
莉子
…わからないけど、私が覚えてる限りでは莉乃のことも私のことも大切にしてくれてたと思う
ひより
だから言ってるでしょ?
あの二人はあんた達のことすっごいうれしそうに私に話してくれてたんだよ
あの二人はあんた達のことすっごいうれしそうに私に話してくれてたんだよ
ひより
可愛い娘が2人もいるの!って
翔
ちゃんと愛されてたじゃん
莉子
でも
ひより
それは親戚の家では違ったの
莉子
うん。
ひより
あそこの扱いは本当に酷くて私がお父さんとお母さんに莉子を引き取って貰えるように頼んだの。
翔
なるほど
ひより
”要らない”
莉子
ビクッ
ひより
この言葉はよくその親戚に言われ続けてたの
莉子
そう
ひより
だからその言葉を言われるとあの親戚たちを思い出すの。
ひより
いわゆるこの子の弱点ってやつ
ひより
で、その言葉を言われると過呼吸をおこすのよ
翔
…もしかしてさっき過呼吸だったのって
莉子
翔
鳳来の奴らに言われたのか
莉子
うん
翔
あのやろう…
莉子
翔?
翔
あ、ごめんごめん
莉子
でももう大丈夫
莉子
それに今日は色々あって疲れちゃった
莉子
ベット借りるね
ひより
どーぞー
莉子
おやすみ
スゥ…スゥ…スゥ…
翔
ねぇ先生
ひより
なに?
翔
聞きたいことが幾つかあるんだけど
ひより
答えられるなら答えるよ
ひより
それに私も聞きたいことあるし
翔
聞きたいこと?
俺に?
俺に?
ひより
えぇ
ひより
あなた一体どこの族に入ってるの?
翔
は!?
ひより
何驚いてんの?
ひより
私が気づかないとでも思った?
翔
一体いつ?
ひより
あのやろうって言ったでしょ
ひより
その時一瞬でも殺気が漏れてたよ
翔
うそ…
ひより
舐めんじゃないよ?
一応姫だけど喧嘩はまぁまぁ強い方だよ?
一応姫だけど喧嘩はまぁまぁ強い方だよ?
翔
えぇ…
ひより
あははっ
ひより
びっくりした?
翔
いや、えっとその…ねぇ?
ひより
まぁまぁ私のことはどうでもいいの
ひより
で、どこに入ってんの?
鳳来ではなさそうね
鳳来ではなさそうね
翔
当たり前
翔
翔
…月夜に
ひより
月夜って隣町の方のじゃないの
ひより
なんでここにいるの?
翔
総長は俺の兄なんです
ひより
あれま、なるほどね
翔
先生、莉子の事なんですけど
ひより
言っとくけどあなた達になんて任せないよ
翔
え?
ひより
ばかね、莉子があんなことされておいて私が黙ってるとでも思った?
ひより
健さんにもこのことは話してるしみんないつでも潰せるのよ
ひより
あんな雑魚
翔
…ざ、ざこって
ひより
それに一時期莉乃が主体で動いてる時よくうちの下っ端のみんなと戦ってたからあの子も1つの族なんて1人で潰せるわよ
翔
まじかよ…
ひより
ね?だから大丈夫
ひより
それに変に月夜を巻き込んで借りもつくりたくないしね
翔
わかりました。でも俺一人だけでも手伝わしてください
ひより
わかってるわよ
ひより
よろしくね?翔くん?