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現実に殺される前に

17 - 現実に殺される前に 第4章 水鏡 雫④

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2019年08月29日

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“神さま”と一緒に屋上へ行くと周囲を見回している少女がいた。

水鏡

あの子?

神さま

そうだよ。

神さま

それじゃあ、僕は暫く隠れてるから。

水鏡

えっ?一緒に来てくれないの?

神さま

だって僕が助けたら君の成長にならないじゃないか。

水鏡

あー、はいはい。分かった分かった。

私は“神さま”に別れを告げ、その少女の元へ向かった。

水鏡

こんにちは。

???

ひっ⁉︎ど、どちら様ですか⁉︎

水鏡

私は...今噂になってる人だよ?

???

も、もしかして...『透明人間』の方ですか...?

水鏡

(なんか改めて『透明人間』って言われると変な気持ちになるなぁ...)

水鏡

うん、そうだよ。

???

あ、あの...その、私を助けて下さいっ‼︎

水鏡

おう、任せろ‼︎

水鏡

じゃあとりあえず名前を聞いてもいい?

???

あ、私の名前は小桜 桃華(こざくら ももか)って言います...

水鏡

私は水鏡 雫、よろしくね‼︎

その後悩みを聞いたところ、どうやら彼女はいじめに遭っているそうだ。

原因は声がアニメ声だということらしい。何ともくだらない理由だ。

水鏡

でも、それって別にいいことじゃないの?

小桜

いいこと...?

水鏡

だってアニメ声ってことは声真似とか得意じゃないの?

小桜

まあ、少しくらいなら...

水鏡

だったらそのいじめっ子の好きなアニメの声を真似したらどう?

小桜

で、でも...もし下手だったらまたいじめられちゃうし...

水鏡

大丈夫だって‼︎その時はまた別の解決策を考えるからさ笑

小桜

....

小桜

あの...実はこのいじめから考えてることがあって...

水鏡

考えてること?

小桜

小桜

別の学校に行こうかなぁって思ってるんです...

水鏡

別の学校?

小桜

はい...私自身もういじめに耐えることが出来なくて...

水鏡

なるほどねぇ...

水鏡

でも、それってさ...

水鏡

水鏡

簡単に言えば逃げてるのと一緒じゃないの?

小桜

えっ...

水鏡

だって、反撃もせずに自分の言いたい事だけ言ってんじゃん。

水鏡

せっかく私が解決策を言ってあげたのに。

水鏡

私、言ったよね?ダメだったら別の方法を考えるって。

水鏡

それなのにそれを聞き流して自分の言いたい事だけ言ってて...

水鏡

水鏡

私、そういうの嫌いなんだよね。

小桜

...っ。

小桜

わ、分かりました...やっぱり考え直してみます...

そう言い残して彼女は教室に戻って行った。

神さま

あーあ、君も対応が酷いね。

水鏡

だって、ずっとウジウジしてて段々ムカついてくるんだもん。

水鏡

こういう時は変に甘やかさないで、突き放す戦法の方が良いんだよ。

水鏡

そうすれば、味方がいないなら自分が何とかするしかないって気持ちが芽生えるからさ。

神さま

...まあ、いいんじゃない?

水鏡

何?その間は。

神さま

いいや...ただ、明日が楽しみなだけだよ。

水鏡

明日...?

次の日

ガラガラ

神さま

おはよう、いつまで寝てるの?

水鏡

ん...あと2時間...

私は保健室のベッドに寝転がりながら答えた。

神さま

じゃあ、君が目を覚ましたくなるようなニュースがあるよ。

神さま

神さま

小桜 桃華が自殺した。

水鏡

水鏡

へっ...?

私は思わずマヌケな声を出してしまった。

神さま

今日は休校になったみたいだから、教師以外は誰もいないよ。

水鏡

な、何で...自殺なんか...

神さま

それは君が一番分かってるんじゃないかな?

水鏡

...違う。

神さま

あんなに助けを求めていたのに...

神さま

まるで“悪魔”だよ、君は。

水鏡

違う...違う...違う...

水鏡

違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う...

水鏡

違うよッ‼︎

神さま

ん?何が?

神さま

私が殺したんじゃないってこと?

水鏡

だって私はアドバイスをしただけだし...死んだのは彼女の勝手じゃん‼︎

神さま

...本当にそう思ってるの?

神さま

もしそうだとしたら、君は正真正銘の“クズ”だよ。

水鏡

...っ‼︎

神さま

いい加減認めなよ。

神さま

神さま

自分が彼女を“殺した”んだってことをさ...

私は思わず“神さま”に掴みかかった。

しかし彼はヒラリと避け、私の頭を掴み持ち上げた。

神さま

ふーん、都合が悪くなったら暴力に走ると...

神さま

ははっ、君はやっぱり勝手だね。

水鏡

ああ...っ‼︎い、痛い痛いッ‼︎

神さま

君のことはその気になれば簡単に殺せるけど、僕は逆に君に興味が湧いたよ。

すると彼は乱暴に私を床に落とした。

水鏡

痛...ッ‼︎

神さま

じゃあこれはお試しとして、今後の君の成長に期待するよ。

すると“神さま”は、私の顔の前に手をかざした。

水鏡

な...何を...

バタンッ

神さま

...本当にバカだね、君は。

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