小山 弥生
体が宙に浮き、重力で下に落ち、 ドン!という音と共に跳ね落ちた。
お父さん
小山 弥生
掠れた声で、抗議する。
お母さん
お母さん
頭を掻きむしり、わぁわぁと叫ぶお母さん。
私を蹴飛ばして『教育』する、お父さん。
この家庭は、1本ネジが足りない。
小山 弥生
悲痛な叫びを漏らす。
お父さん
ドン!!バシッ!!バキッ!
小山 弥生
もう叫びを漏らす元気も無い。
お母さん
お父さん
お母さん
お母さん
お父さん
お母さん
ドンドンと大きな音を立てて、階段を上るお父さんと、よろよろと弱々しく歩くお母さん。
そして、独り取り残された。
小山 弥生
血がドバドバ出ている。痣は何個有るだろうか。分からないくらいだ。
血にそっと触れ、舐めた。血を。
小山 弥生
そう声を出し、フラフラと自分の部屋へ行く。
小山 弥生
部屋に帰るや否や、痛みを感じる。
小山 弥生
つい僕と口から出てしまう。
私という一人称にしなさいと言われているのに…躾、られてるのに…な。
小山 弥生
机の上に置かれていた、僕のカッター。
わからないけど、それを見ると落ち着く。
お母さん
キーンとする、叫び声が下から聞こえた。
小山 弥生
ザクッ
ザクッ
お父さん
お母さん
ドロドロに出たお母さんの血。
小山 弥生
見るとお父さんは、僕のカッターを握っていた。
小山 弥生
お父さん
お父さん
殺し終わったのか、クルリとこっちを向くお父さん。
小山 弥生
バッと、お父さんが僕に掴みかかる。
お父さん
カッターを振り上げた。
小山 弥生
僕は、カッターを奪った。
お父さん
ザクッ
お父さん
口から出た血が、僕にかかる。
お父さん
何度も振り上げて下ろすうち、何も喋らなくなったお父さん。
小山 弥生
狂ったように喚いだ。喚かずにはいられなかった。
小山 弥生
アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ