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──数週間前、雲一つないよく晴れた平日の午後。
俺は近所にある小さな公園で、日課のクロッキーをしていた。 千歳さんからの返事が未だない事への不安を振り払おうと散歩に出たついでだった。
小日向 瑞樹
やっぱ平日だから人少ねぇなー…まあ、今日は背景の練習ってことにするか
ベンチに座り、取り出した分厚いクロッキー帳の新しいページを開き、今日の日付と場所を記入する。
絵を描きだす前に、いつどこで描いたものかを記録しておく流れは、今はもうルーティンとなりつつあった。
黙々と描いていると、ふと目の前に影が差す。 顔を上げると、全身真っ黒な男が、こちらを見下ろす形で立っていた。
小日向 瑞樹
うぉ…っ!
東雲 伊織
…こんにちは
小日向 瑞樹
こ…こんにちは
小日向 瑞樹
(び、びっくりした…いつの間にいたんだこの人…)
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