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真っ暗な部屋が彼の居場所だった。
たまに部屋の外に出たりもするが、それは例外中の例外であり、基本的にトイレと風呂以外で部屋から出ることはない。
パソコンのディスプレイから漏れ出す光が、彼の顔を照らし出す。
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ふと、部屋の扉がノックされる。
相手は誰だか分かっている。
母親であろう。
母親
母親
あぁ、またいつもの猫撫で声だ。
いい歳をしながら、こちらの機嫌を伺うために、必要以上に明るく、優しく接しようとする。
それが水を含んだ真綿のごとく、自分の息子の首をじわじわと締めているなんて、考えもしないのだろう。
母親
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母親
母親
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扉越しの会話。
顔を合わせることもあるのだが、それは意識的に避けていた。
母親
母親
母親
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母親
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スリッパの音が遠ざかり、階段を降りていった。
彼はそれを確認すると、狂ったようにパソコンのキーボードを叩き始める。
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彼のパソコンのディスプレイには、ある文字列が羅列していたのであった。
第四革命ゲーム 全学年対抗非選択式ジャンケン――。
オオタ
イシカワ
イシカワ
イガラシは自然とミヤギのほうに視線をやる。
ミヤギ
イガラシ
イガラシ
ヤナギ
イガラシ
イガラシ
それを聞いたホソヤが、早速とばかりにスマホを操作する。
しかし首を傾げると、今度はデスクのパソコンを操作。
ホソヤ
ホソヤ
キョウトウ
キョウトウ
イガラシ
イガラシ
イガラシは脱ぎ捨ててある【革命軍】の衣装へと視線を移す。
ミヤギとホソヤが着ていたものだ。
ミヤギ
ミヤギがぽつりと漏らし、イガラシは苦笑いを浮かべる。
イガラシ
イガラシが言った時のことだった。
聞き慣れた木琴の音階をなぞるような音。
放送を意味するジングル。
革命軍
革命軍
イシカワ
ヒグラシ
ヒグラシ
ホソヤ
イガラシ
イガラシ
ヒグラシに巻き込まれた形のホソヤに注意を促すと、校内放送に意識を集中させる。
革命軍
教室棟とは読んで時のごとく、授業を行う教室が並ぶ。
1階は1年、2年は2階、3年は3階――と、学年が上がる度に階層も上がる。
イシカワ
イガラシ
革命軍
キョウトウ
革命軍
オオタ
革命軍
革命軍
ホソヤ
ホソヤ
ホソヤ
イガラシ
イガラシはそう言いつつ、自身のスマホをデスクの上に置く。
イガラシ
革命軍
革命軍
【革命軍】の放送に、イガラシはキョウトウとオオタの両名とアイコンタクトを交わすと、教員室の外に向かって歩き始めた。
ミヤギ
ヤナギ
ヤナギ
声援とも皮肉とも取れるヤナギの言葉に、イガラシは無言で小さく頷いたのであった。