「記憶の伝承者」のネタバレを含みます。
一人がドアを叩く。
トントントン
イヴィ
ディル
隙間から顔を覗かせたのは、ディルだ。
手には報告書を持っている。
ディル
ディル
目に飛び込んできたのは、山積みの書類達。
だが、そのようなものよりもインパクトがあったのが───
イヴィ
その散らばった書類達と仲良く床に落ちている、イヴィだった。
ディル
ディル
ディル
ディル
ディル
イヴィ
ディル
ディル
イヴィ
イヴィ
ディル
ディル
ディル
イヴィ
ディル
まるで独り言のように話しながら、椅子へ戻る。
そして、報告書を読み始めた。
ディル
ディル
ディル
ディル
ディル
ディル
ディルは冷ややかな目でイヴィを見下ろす。
……彼は魔術結社の人間だ。
普段は行動は勿論、思考まで偽らなくてはならない。
それほど、イヴィの洞察力は鋭いのだ。
ディル
ディル
ディル
背中で隠していたナイフを取る素振りを見せても、
此方を見向きもしない。
早めに、消してしまおうか。
きっと、簡単に殺せる。
ディル
イヴィ
ディル
イヴィ
ディル
イヴィ
イヴィ
ディル
イヴィ
イヴィ
イヴィ
イヴィ
イヴィ
イヴィ
ディル
ポツリ、ポツリと、知らない口調で、話を続ける。
ディルは、自分の「知らない」一面を聞かされていた。
周りに勘づかれないよう、「教えられたいつも」の行動をしてきた。
自分は、魔術結社の人間で。
与えられた任務を、遂行するだけだ。
なのに、
ドロシー
ディル
ドロシー
ディル
ディル
ドロシー
ドロシー
ディル
ドロシー
ドロシー
ディル
ヒーロー。
僕も、なれるかな。
皆から、頼られる存在に。
ディル
長いため息をつく。
イヴィ
ここで初めて、イヴィとディルの目が合った。
ディル
開いているのが不思議な目には、いつもの光がない。
ディル
トンッ
イヴィ
額に人差し指を当てると直ぐに、イヴィはその場に倒れた。
ディル
ディル
ディル
ディル
深いため息をついた割には、後悔はしていないように見える。
ディル
ディル
ディル
ディル
ディル
イヴィ
イヴィ
イヴィ
イヴィ
イヴィ
イヴィ
イヴィ
イヴィ
イヴィ
イヴィ
イヴィ
イヴィ
僕は、こんな奴らのことなんかどうでもいい。
最後の一言は、
きっと、無意識に出たのだ。
そう、思うことにしよう。
END
コメント
4件
もしかしてこれ、シリーズ作った方がいいのかしら…
箸休め的なものになってしまい申し訳ありません☔☔☔ よくよく考えたら、登場人物についてあまり深堀できていないと感じたのです…。 このようなシリーズを今後もちょくちょく投稿していきますね🍬🍭🌧