麻美
麻衣ちゃーん!
麻衣
なにー?
麻美
陽斗先生が用あるから、昼休み空き教室に来いって。
麻衣
分かった!
麻衣
(先生から呼び出し…なんの用事だろう?)
昼休み
薄暗い空き教室に来た。
麻衣
先生ー?
麻衣
どこですかー?
ガチャッ
麻衣
え?
鍵を閉められる音がした。
麻衣
え、ちょっ…
開けようとしても、ドアは開かない。
麻衣
なんで…開けて!誰か!
麻美
うるさい!
麻美
あんたが悪いのよ…。
麻衣
麻美(あさみ)!?
麻衣
なんでこんなことするの!?
麻美
先生に近づかないで。
麻衣
なんで、麻美にそんなこと言われなきゃ…
麻美
先生が言ってたよ?
麻衣
__え?
麻美
正直麻衣のことウザイって。
麻美
ベタベタしてくるからって
麻衣
え…
麻衣
先生が…?
麻美
離れてあげなよ。
麻美
先生が可哀想だよ?
麻衣
っ…
麻美
これから、先生に近づかないって誓えるなら出してあげるよ?
麻衣
でも、今日クラス委員の仕事が…
麻美
麻美が変わりにしてあげる!
麻美
だからぁ、麻衣ちゃんは帰ってね?
麻衣
…わかった。
麻美
なに?誓えるの?近づかないって。
麻衣
…うん、分かった…
麻美
いい子だねぇ、じゃあ出してあげる笑
ガチャッ
放課後
麻衣
はぁ…
クラス委員の仕事すっぽかしちゃった…
麻衣
なんで、…こんなことになっちゃったのかな…
目から涙が溢れてきた。
それから、ずっと私は
先生と喋らなくなった。
あまり、関わらないようにして
家庭教師の時も、出来るだけ喋らないようにした。
麻美
せんせーい!
中島陽斗
ん?
麻美
ここ分かりません。教えてください!
麻衣
…
麻美
フッ
中島陽斗
…。
家庭教師の日
中島陽斗
おい。
麻衣
……なんですか。
中島陽斗
お前、俺の事避けてるだろ。
麻衣
そんなこと…ないです。
中島陽斗
じゃあ、俺の事、もう
中島陽斗
好きじゃなくなった?
中島陽斗
嫌いになった?
麻衣
そんなわけないです!
麻衣
嫌いになるわけない…!
嫌いになんかなるわけない。
その言葉だけは迷いなく言えた。
中島陽斗
じゃあ、なんだよ…
麻衣
…先生は、私の事ウザイんでしょ?
中島陽斗
は?
今まで押さえてきた気持ちが
あふれだした。
もう、止まらない。
麻衣
ベタベタしてくるからウザイんでしょ?
麻衣
陽斗先生は…私の事、嫌いなんでしょっ…?
麻衣
だから、私は…先生から離れた…
麻衣
陽斗先生が嫌な思いするなら…私が…辛い思いしようって。
中島陽斗
…俺は、そんなこと思ってない。
麻衣
でも、…!
中島陽斗
俺は…
中島陽斗
綾瀬のこと嫌いじゃない。
麻衣
え?
中島陽斗
だから、泣くな。笑え
麻衣
…
その言葉にほっとしたのか、
涙が止まらなかった。
中島陽斗
明日は修学旅行の班決めがあるから。
中島陽斗
クラス委員長、しっかり頼むぞ。
ぐしゃぐしゃ
麻衣
もー!髪の毛きたなくなるのでやめてください!
麻衣
(やっぱり諦められるわけない。)
麻衣
(麻美にはちゃんと言おう。)