主。
主。
主。
主。
主。
Q.「愛してる。」というのはあなたにとってどんな言葉ですか?
A.それは、オレにとって歯止めが効かなくなってしまう魔法の言葉です。
問われた質問に己の瞳を少し黒く染めてそう答えたオレは、考えにふける
もしもオレが「愛してる。」を口にしたらどうなるだろう
いつも優しくてかっこいい彼は、オレの言葉を聞いたら 一瞬目を丸くした後にこりと笑ってオレの気持ちを受け入れてくれるだろう
でも、もしそうなったらオレはあいつを満足するまで縛り付けて、 自分以外の誰かに奪われないようにいつまでも束縛してしまいそうだ
かすかに残った理性がそんなことをしたら彼が可哀想だと叫ぶから、 オレは自分を抑えられるように今日もこの狂愛を口にしないのだ
だから、“愛してる。”とは言えない。
Mz
Mz
Ktyが配信を休んでから1週間、約束通りAtと 新しいカフェに行く約束をしたオレは待ち合わせ場所で彼の訪れを待っていた
Mz
Mz
オレはがスマホの内カメで 何度目かわからない身だしなみチェックをしていると、 駅の改札からすっかり見慣れた美青年が出てきた
At
Mz
At
ニコニコと大人びた笑顔を浮かべながら声をかけてくる 大好きな彼にドキドキと胸を高鳴らせながら、 オレはスマホを閉じてポケットにしまう
少しだけ駆け足で彼の元に向かってその隣に並び、 彼と一緒にカフェに向かって歩き出す
Atの手がオレの手に触れかけてそっと離れたのを見逃さなかったオレは、 やっぱり、と一人で脳内で納得した
Mz
オレとAtはそれなりに長い時間を共に過ごしてきたので、 彼のことはある程度理解しているつもりだ
おそらく彼はオレのことが好きで、オレもこいつのことが好きなのだ
Atは多分オレたちが両思いであることに気がついていなくて、 オレは気がついているけどこの気持ちを彼に伝えようとは思っていない
なぜなら、もし想いを伝えて成就して付き合うことになったら、 オレは彼を自分の元に置いておきたくて束縛してしまいそうだし、 それは彼にとって幸せなことではないからだ
だから、オレは叶うはずの恋を叶えない
誰よりも大好きで大切なこいつには、 この世界で一番幸せになって欲しいからだ
Mz
それなら彼に告白はして付き合った上で束縛を我慢すればいいと 言われるかもしれないが、オレはきっと我慢できない
好きな人は自分で独り占めしたいしできる限り束縛したいし、 そうしないとオレの心は不安のせいで満たされないのだ
Mz
過去の苦い記憶を思い起こしてちょっと苦しくなっていると、 Atがオレの顔を覗き込んで心配そうに尋ねてきた
At
At
Mz
Mz
At
そうつぶやいてオレの瞳をじーっと見つめてくる 彼の色違いの双眸から逃げるようにオレは彼から視線を逸らし、 カフェのある方向に目線を向けた
Mz
Mz
At
At
Mz
まだ訝しげにこちらを見ている彼の腕を強引に引いて、 オレは都合の悪い話題を別の話題にすり替えながら カフェに向かって歩き出した
At
Mz
At
Mz
At
At
Mz
彼の言葉に笑いながらそう返したオレは、 オレを口説こうとしてくるかのような言葉に赤くなった頬を誤魔化しながら 店員さんに案内された席についてメニューを眺める
Mz
Mz
Mz
彼の言葉が響いていないように見せかけたオレにまんまと騙されてるのか、 Atはちょっとだけ不満そうにしていた
Mz
そのままメニューに視線を落としたAtの瞳が少しの真っ黒な心の底と 何かに安堵したかのような落ち着いた輝きがあったことには、 オレは気がつくことができなかった
At
Mz
Mz
At
Mz
At
Mz
かっこいいくせにたまに可愛くてオレの目を釘付けにしてくるこいつの心を オレだけのものにしてやれたらいいのにと考える黒い自分が顔を出すが、 今Atと話しているだけでも幸せだと自分に言い聞かせて飲み込んだ
Mz
Mz
Mz
そんなことを考えたところで自分の愛はとっくのとうに狂っていることには あえて気がつかないフリをして、オレは店員さんを呼んで Atが飲みたがっていたドリンクとオレが飲むコーヒーを注文した
At
Mz
At
Mz
その後も飲み物が来るまで楽しくAtと喋りながら 二人きりの時間を満喫していたが、 急にAtが言葉を止めてカフェの入口を見て目を輝かせた
At
Mz
オレがちょっとだけイラッとしながらカフェの入口を見ると、 そこには確かに『どこに座ろっかなあ』と言いながら 店内をキョロキョロと見回しているAkがいた
At
Ak
その太陽のような瞳にオレとAtを写した彼は 嬉しそうに笑いながらこちらにやってくる
Ak
At
Ak
At
Ak
At
Ak
AkをPrのことでからかっているAtはAkと異常に距離が近く、 わざわざ立ち上がって彼の肩に腕を回しながらニヤニヤと笑っている
オレにはそこまで近くで接してくれないくせにAkにはそうする彼に、 オレはイライラして彼を引っぺがしたくなるが、 付き合っているわけでもないのにそんなことをするわけにはいかない
Mz
Ak
At
Ak
At
Ak
何かを言おうとしたAkの頭をAtが思いっきり叩いた
Ak
Ak
At
Ak
さらにニヤニヤし始めたAkの頭をAtがもう一度強く叩いた
At
Ak
At
Ak
楽しそうに話しているAtとAkにオレのイライラが最高潮に達した頃、 Akがオレの方を見て明らかに表情を変えた
Ak
Mz
Ak
At
At
At
ちょっとだけ寂しそうにそう言うAtにオレはさらに腹が立つが、 Atはこういう時に限って何にも気が付いていないようだ
Ak
At
Mz
Mz
Mz
Mz
心の底から今まで貯めてきた嫉妬が溢れて暴れ出しそうになるが、 オレの理性がその真っ黒な激情をなんとか抑え込もうと必死で踏ん張る
目を見開いてAtとAkをじっと見つめているオレを見て、 Akは明らかに焦っていた
ごめんAk、お前は何も悪くないのに、と思う良心的な自分もいる中で、 Akのせいだ、せっかくAtと二人きりだったのに、と思う自分もいる
Mz
Mz
Mz
オレが心の中で嫉妬が大暴れしそうになる自分と格闘している間に、 AkはなんとかAtを説得したようだ
Ak
Ak
At
At
Ak
Atの気が変わる前にとさっさと遠くの席に行った彼の背中を オレがこっそり睨みつけていると、 店員さんがドリンクを持ってきてくれる
それを笑顔で受け取ったAtは、ミルクとシロップ取ってくるね、と言いながら 席を立ってオレに背を向け、カウンターへ歩き出した
そんなAtの背中をじーっと見つめながら、 オレは彼には届かないように この世界にこぼれ出してしまいそうな嫉妬の情をポロリと吐き捨てる
その言葉をこぼした後オレはさっと視線を机に落としたので、 Atがこちらを振り返って目を見開いていることには気が付かなかった
「愛してる。」とは言えないオレは、
“オレじゃない奴を、見ないでよ。”って言うんです。
ーMzの場合ー
コメント
8件
これで最終的に全カプくっついたらぶっ飛びますね、 最高です.ᐟ.ᐟ
絶対性格 ? 的にはatくんの方が大人なんだろうけど !! コーヒー飲めないの可愛すぎますってぇ !? nmmnだってわかってるんですけど !! なんか想像できちゃうんですよね !! 🤤🤤 atくんなら我慢してるだけでmzたんのことめっちゃ束縛してそうなのでお似合いですね ( だまれ ) ak下見 ? みたいなのしてるってことはあの後付き合ったのかな ...
あとまぜデートきたぁぁ!!あっとくんの方がリードするんだけど味覚的に大人なのはまぜ太くんなのがこれまたまぜ太くんが翻弄されすぎなくていいよね!!!!あっとくんが口説こうとしてくるの気づいてるけど知らないフリしてるのも辛くない!?🥹思いきって両思いに…!でも自分が重いってわかってるから踏み込めないんだよね…🥲でも最後嫉妬して呟いちゃうの可愛い😭もうそのセリフを言ってる顔が想像できちゃう!!