TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

主。

みなさんこんにちはっ!!

主。

連続投稿六日目、今回は『愛してる。』とは言えない
Atくんのお話になりますっ!!

主。

注意事項等は一話目参照

主。

それでは、いってらっしゃいませ!!

Q.「愛してる。」というのはあなたにとってどんな言葉ですか?

A.それは、俺にとって大好きな彼を壊してしまう言葉です。

問われた質問に目を伏せて 内なる激情を抑えながらそう答えた俺は、考えにふける

もしも俺が「愛してる。」を口にしたらどうなるだろう

いつも屈託なく笑う可愛らしい彼は、 俺の言葉を拒絶するか受け入れるかすると思うけど

彼が俺を受け入れようが受け入れまいが、 俺の重すぎる愛はいずれ彼を壊して押し潰してしまうに違いない

そのたった一言で誰よりも大切な彼を 俺の底なし沼のような狂愛に引き摺り込まないように、 俺はこの気持ちを言葉にしないのだ

だから、“愛してる。”とは言えない。

Mz

はー、あのカフェのコーヒーうまかったなー

At

ちょっとMz、今お前コーヒー飲めない俺のことバカにしてるでしょ

Mz

……いや別に?

At

絶対嘘

Mz

www

二人で楽しいおしゃべりを満喫したカフェから家路を辿っている俺は、 帰るためには電車に乗る必要がある俺を 見送ってくれるらしいMzと一緒に駅に向かって歩いていた

いつも通りニコニコと微笑みながらMzと会話をしている俺であるが、 その脳内は現在たった一つの事柄で埋め尽くされている

At

(さっきのMzの言葉、、、聞き間違いだったかな)

カフェで俺がミルクとシロップを取るために席を外した時、 Mzが俺の背中に吐き捨てた言葉がいつまでも頭の中でリフレインして、 その声は俺の思考回路を惑わせる

At

(『オレじゃない奴を、見ないでよ。』って聞こえたけど)

At

(Mzがそんなことをいうところとかちょっと想像しにくいし、
十中八九俺の聞き間違えだよな、、、)

At

(てゆーかこの気持ち自体
俺が勝手にこいつを好きになって空回っているだけだし)

At

(やっぱり俺の都合のいい幻聴っていう線が有力だな)

そんなことを一人で考えながらMzの隣を歩いていると、 彼が不意に足を止め、俺もそれに合わせて立ち止まる

何やら大きな葛藤を抱えているような顔で 彼が一つ大きなため息をついたので、俺はMzの体調が心配になった

At

Mz?体調悪い?

Mz

いや、、、別にそういうわけじゃないけど

At

でも、なんかいつもと違くない?

At

何か気になることでもあった?

Mz

んー、まああるっちゃあるのかも

At

そうなの?

At

俺でよければ話聞くけど

Mz

うーん、そういう感じのことではないんだよな、、、

At

じゃあどういうこと?

俺の素朴な疑問に彼は「うっ」と言葉を詰まらせると、 少しうつむき加減で俺の質問に答えを返してきた

Mz

……気のせいだったら、ごめんなんだけどさ

At

うん?

Mz

お前、、、オレのこと見過ぎじゃね?

At

へ、?

予想外の方向からの攻撃に 俺は思わず自分には似合わない間抜けな声をあげてしまう

確かに俺はMzのことがそういう意味でも好きであるし、 彼をぼーっと見つめることなど日常茶飯事に他ならないので、 今この瞬間俺が彼を見つめていたんだとしても何ら不思議はない

いつも通り「何言ってんのさ、気のせいだよw」と 誤魔化して仕舞えばよかったものを、まだ思考が追いついていなかった俺は 馬鹿正直に彼の言葉にわかりやすく反応してしまった

At

……ごめん、そんなに見てた、?

ちょっとだけ頬がじわりと赤く染まった俺の顔を 彼に見られるのが恥ずかしくて手で口元を抑えながらそっぽを向くと、 Mzは目を点にして俺のことを凝視しながら固まる

見たことのないMzの反応に俺は焦り、 ものすごい勢いで明後日の方向に向けて自身の視線を投げた

At

(やばいやばいやばい、絶対バレた!!)

俺はあんな幻聴をしてしまうくらいMzのことが好きであるが、 Mzがそうではないことなどとっくのとうにわかりきっている

そもそも男が男に恋をする時点で珍しいことであるし、 俺がどんなに彼を口説いても彼はてんで無反応であることだって 今までの会話を思い返せば火を見るよりも明らかだ

これ以上気持ちがバレたら恋愛対象としてはおろか 彼にとっての仲のいい相方ですらいられなくなってしまう

そんな以前からたまに俺の脳裏をよぎっていた悪夢が 現実になりかけてしまっている今、俺にできることといえば さらにボロを出す前にさっさと彼の前から撤退することぐらいだ

At

あ、そろそろ駅着くね

At

俺は電車に乗らなきゃいけないからこの辺で、、、

At

Mzの家はここから近いから徒歩で帰るんだっけ?

At

気をつけてね、それじゃあまた次の撮影で!!

Mzが俺の失言に何かコメントをする前に この場から離れようとした俺が早足で歩き出すと、 俺の右腕が何かに掴まれてぐいっと強い力で後ろに引かれる

At

わ、!?

俺が驚いて反射的に自分の右腕に目をやると、 それは地面に目線を落としているMzに がっちりとホールドされていて動けなくなってしまった

At

ま、Mz?俺帰らないと、、、

Mz

……その表情は、お前が悪い

At

は、?

Mzのよくわからない言動に、 今度は俺が目を点にして彼のことを凝視しながら固まる番だ

脳みその処理が追いついていない俺が呆然している間に、 うつむいていた彼は顔を上げて俺の瞳を射抜く

その美しい蜂蜜色の瞳には見たことのないくらい真っ黒な執着が揺れていて、 俺は本能的に何かを感じて思わずひゅっと喉を鳴らす

彼の瞳に映り込んでいる激情は、俺の瞳が彼を見ている時に 無意識に揺らしてしまう狂愛を鏡写しにしていると説明されたら 納得してしまいそうなほどに重くて濃くてドロドロだった

自分がかなり重い自覚がある俺ですらそう思うくらい、 彼に埋め込まれた琥珀を染め上げるナニカは異常なまでに狂っていた

At

Mz、?

Mz

元々我慢なんてしなくて良かったな、
最初っからこうしておけばよかった

彼は俺の腕を捕らえている手に力を込め、 依存性のある愛という名の薬物を俺の体に注ぎ込むように握りしめる

合わせた目線から注がれる愛が、彼の手から伝わってくるその体温が、 こいつの危険性を今更俺に教えてきた

だけどもう既に彼に溺れてしまった俺は手遅れで、 注ぎ込まれた愛と熱は俺をさらなる狂愛へと飲み込んでいく

Mz

……お前、もう逃げられないよ?

蜂蜜色の瞳をドロドロに溶かしている彼はそう言うが、 その瞳にはかすかな罪悪感が滲んでいた

そんな彼を見て笑った俺は、Mzにとある提案をする

At

あのさ、Mz

Mz

……何?

At

今から公園行こうよ

Mz

は?公園?

At

うん、公園

Mz

別に良いけど、、、なんで急に

At

いーからいーから、早く行こ

Mz

お、おう

さっきまでの真っ黒な本能を少しだけ抑えた彼は、 きっと俺の目論見に全くもって気がついていない

その瞳に揺れる激情を目にしてそれに感化されてさらに彼に堕とされた俺が、 彼に残るかすかな理性をぶち壊そうとしていることなど、 彼は微塵も予想していないのであろう

At

(Mzは多分自分だけが重いって思ってるんだろうけど)

At

(その狂愛を目にしても拒絶しない俺のことは、
疑問に思わないんだな)

駅前広場から歩き出して数分後、Mzを連れて公園にやってきた俺は まずは彼を近くのベンチに座らせて自分もその隣に腰掛ける

At

うーん、どれから話せば良いかなあ

Mz

……At、お前意外と普通なんだな

At

ん?何が?

Mz

だって、普通はあれだけの執着見せられたら
ドン引きするし少しも動揺しないなんてありえないだろ

At

まあ確かに普通はそうだよね

Mz

だろ?

Mz

なのにお前はいつも通りだからさ

Mz

……それとも、気ぃ使ってんの?

At

まさか、超自然体で接してるよ

Mz

じゃあなんで、、、

全然動揺しないんだよ、と続けた彼に俺は笑いかけ、 その綺麗な顔面を覗き込みながら問いに問いを返す

At

何でだと思う?

Mz

……動揺するまででもないとか、?

At

そんなわけないじゃん

At

俺がお前のことどう見てるのか、Mzも知ってるでしょ?

At

じゃないとMzの性格上あんな大胆なことできないもんね?

Mz

それは、、、そうだけど

Mz

だとしたら余計意味わかんねーよ

At

そうなの?

Mz

うん

Mz

だって、、、オレのこと好きだったらさ、
さっきのオレの狂いきった愛を見たら
なんか思ってたのと違うってドン引きするだろ

At

……そうかな?

Mz

自分とオレの温度差が大きすぎて『ちょっと無理かも』とか、
『怖い』とか思うんだろうなってオレでもわかるし

At

まあそういう人もいるだろうね

At

でも俺はそうじゃないよ?

Mz

……どうして?

At

当ててみて

俺の言葉を聞いたMzはしばらく考える素振りを見せるが、 結局思いつかなかったのかふるふると首を横に振る

At

ギブアップ?

Mz

ギブアップ、答え教えて

At

りょーかい、惜しかったね

Mz

え、?

At

Mzが言ってたことの中に、答えに近いものあったよ

Mz

どれ?

答えが気になるのだろう、 ちょっとそわそわしている彼を可愛いだなんて思いながら俺は笑う

At

Mzが俺にドン引かれると思った理由、何だったっけ?

Mz

『ちょっと無理』とか『怖い』って思われそうだから

At

そう思われそうだってMzが思うのは何で?

Mz

オレの恋心と、お前の恋心の温度差が大きすぎるから

At

それだよ

Mz

へ?

未だ不思議そうにしているMzの表情に 彼に対する愛おしさが込み上げてきて、 俺は自分の瞳をどろりと甘く熱く重く溶かしながら正解発表をする

At

俺のこの気持ちは、Mzの恋心と温度差がないんだ

目を見開いた彼の顔に手を滑らせて、俺は目を細めながら 火傷をしそうなほどまでに熱い溶けきったチョコレートを流し込むように 大好きなこいつの美しい二つの琥珀に俺の愛を流し込む

その耳元に唇を寄せて、俺は普段よりもいくらか低い声で囁いた

俺の言葉の意味、わかった?

Mz

嘘っ、

At

嘘じゃないよ

At

俺は本気でお前に溺れてる

At

身も心も、全部全部

俺が彼の頬に添えていた手を すっと動かしてその首筋をゆっくり撫ぜると、 彼はちょっとだけ体を跳ねさせてピクリと反応した

At

可愛いね、Mz

Mz

うぇっ、///

彼はその愛を他人に注いで拒絶されて閉じ込めるばかりで、 その身に自分のそれと同等の熱量の狂愛を注がれた経験がないのだろうか、 真っ赤になって瞳を潤ませながらこちらを見ている

そんな彼に対して浮かんだ言葉を、 俺は彼の耳元で声に温度計が壊れてしまいそうなほどまでに熱い 狂いきった恋心をのせて甘く色っぽく俺なりの最上級の愛の言葉を告げた

At

俺、お前のこと、、、

言葉の続きを聞いたMzの瞳が計り知れない真っ黒な狂愛と 隠しきれない歓喜の色で染まったのを見て、 俺の心は完全に掌握されて彼の元まで堕ちていく

俺の瞳に揺れる熱すぎる二色の炎を目にしてしまった彼の心も、 俺の思惑通りに俺の元まで堕ちてくる

第三者から見れば明らかに異常な執愛であるのに、 今この瞬間がどうしようもなく幸せで、 俺は愛おしくてやまない彼に甘く妖しく笑いかけた

「愛してる。」とは言えない俺は、

“狂おしいほど、欲しいかも。”って言うんです。

ーAtの場合ー

『愛してる。』とは言えないから、

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,116

コメント

15

ユーザー

全話通知来なくて、やっと今見た! テラーさん…私のこと 嫌いなんですか…?w 各ペア全然違う感じで!!! やばすぎるっ!? ほんとに虹椿ちゃんのかく 作品大好き…♡ 個人的にはあきぷりが良かった✨️ あとまぜのも好きだけど、、、 あのなにっ!?ムズムズする感じっ!? 尊いって…✨️ まじで毎回神作品をありがとう✨️

ユーザー

うおおおおおおきたぁぁぁぁ!この6人の中で一番攻めたんじゃない!?自分は重いからって線引きしちゃうからすれ違いが起きるんだよなぁぁぁ!でももうこれはね!告白ですよ告白!まぜ太くんの執着をみて少し照れてるの可愛いし、あっとくんに可愛いって言われてさっきまで余裕そうだったのが崩れていくまぜ太くんも可愛すぎる🤤

ユーザー

あっとくんのキタァ!! 独占力強め…うわぁぁぁ!凄い!!(語彙力消えました) 最後に、「お前のこと狂わしいほど欲しいかも」って言うのが またかっこいい… 全メンバー、それぞれの思いなどが想像出来て凄いです!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚