私の名前は華琉(はる)
春に産まれたからそう名付けられた。
母も私も、春が好きだ……
だけど、1つ嫌な桜もある。
その桜の名は
怨念桜
怨念桜─────…
その桜は普通の桜の木とは違い
その名の通り、人間に怨念を持った桜の木のことで、
誰が見ても普通の桜の木じゃないことは一目瞭然だ。
なぜなら異臭がするのだからね。
だから怨念桜を見てもいけないし
触れても、怨念桜の異臭を嗅いでもいけない。
勿論、木を切ろうとしたり
木に登ろうとすれば
怨念桜の災い。祟りが起きると言われている……。
私は1週間前に弟を亡くした。
あの「怨念桜の木」 と
自分の無念さによって──…
華琉
弟の名前は晴人(はると)
晴人
晴人
華琉
華琉
晴人
華琉
華琉
華琉
華琉
晴人
晴人
晴人
華琉
華琉
華琉
晴人
華琉
華琉
晴人
そう言いながら晴人が怨念桜に登り始めたのだ…。
華琉
華琉
華琉
晴人
華琉
華琉は自分でもビックリするぐらい大きな声で叫んだ。
晴人
華琉
ドサッ
華琉
華琉
華琉はその恐ろしい光景を華琉は信じることが出来なかった。
怨念桜の木から、根っこのような手のような物が生え、晴人を
木の中に入れ込んだのだ……っ
怨念桜の木の周りには
血溜まりが出来ていた。
華琉
晴人の、血……?
どんどん溢れ出る血に恐怖を憶え
次は自分の番なんじゃないか…っと
恐れ置いた華琉は
無我夢中で怨念桜のある公園から走り去った…。
弟を守れなかった。
恐怖。ただそれだけの感情で大切な弟を殺され、亡くしてしまった…。
私が、晴人を殺した……
華琉
私は最低な姉だ。
華琉
分かってるよ…
なんど叫んだって
何度、晴人の名前を呼んだって
願ったって、祈ったって…
晴人が戻って来ないことなんて……。
分かってる…充分過ぎるほどに分かってるよ…っ
でも……
それでも私は晴人を呼び続けたい…っ
帰ってきて欲しい……
だって、私には晴人しか居ないんだよ……っ?
母も父も怨念桜に殺された。
私だけを残してどうしろって言うのよ……っ?
唯一の希望で、大切な晴人まで怨念桜に奪われた…。
もう、嫌……っ
桜なんか見たくもない…
桜なんて大嫌い…
コメント
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こ、怖い…!!! 色んな怖い話がありますが、やっぱり桜とか日本の物がテーマの怖い話が一番怖いですね…