拝啓、竜殺しの英雄様──この婚約、破棄してください。
若くして竜を討ち、英雄と称えられた伯爵令息カルヴィン・ヘザー。
彼の婚約者であるオーガスタ・オールダムは、社交界で“お飾りの婚約者”と囁かれていた。
婚約者であるにもかかわらず、彼と話すことも、隣に立つことも出来ない日々。
王女や聖女を巡る噂が飛び交う中、
「どうして彼の婚約者が、あなたなの?」
そんな視線と悪意に、オーガスタの心はすり減っていく。
そして彼女は、ある決断を下した。
――お飾りの婚約者は、もう終わりにしよう。
婚約破棄の手続きを申し出て、修道院へと向かうオーガスタ。
その道中で起きた出来事が、すれ違っていた運命を大きく動かし始める──。
※本作は小説家になろうとベリーズカフェでも公開しています。