sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
アテンションっ ٩( ᐛ )( ᐖ )۶
水紫
ご本人様との関係は一切ありません 2次元作です
苦手な人は回れ右☆
水
紫
他のメンバーも出てきます
「ふってはふっては」
ジリリリリッッッ
目覚まし時計が鳴り響く。
冬の寒さのせいでダルい体を無理やり起こす。
水
いつもなら二度寝してるところだが、なぜか今日の朝は違和感があった。
水
水
いつもなら真っ暗なのに、窓の向こうがなぜか明るい。
カーテン越しでもわかる。
水
シャアッッ
ベッドから1番近いカーテンを開けてみる。
さらに明るい光...いや、色が目に飛び込んできた。
水
ここら辺では滅多に積もらない雪が積もっていた。
いつも降っても積もらないが、今日は1面銀世界。どこもかしこも真っ白だ。
水
確か、ニュースでそんなこと言ってた気がする。
「ゆーきーやこんこ」
「あーられーやこんこ」
ニュース見ないとな、と思っていると、よく聞きなれたメロディーが聞こえてきた。
「ふってーはふってーはずーんずーんつーもるっ♪」
ちょっと幼めの、でも、背伸びしてるような声で。
「やーまーものっはらーもわーたぼうしかーぶり」
水
つい、つられて歌ってしまう。
水
幼めの声だったし、多分近所の子供だろう。
明るいと言っても流石に6時だ。
親御さん止めないの...!?
水
心配なので、服を着替えて見に行くことにした。
ガチャッ
水
そこら辺に積もっている雪を踏みしめる。
新雪だからか、結構ふわふわしてる。
キュッ キュッ
踏む度に固まる音がする。
水
水
本来の目的を忘れかけてたところ、現実に戻る。
会社だってあるんだ。早く様子を見に行って自分の支度をしよう。
水
寝室から聞こえたんだし、家の向こう側かな。丁度公園だし。
そう思い、僕は近所の公園へ向かうことにした。
水
一面真っ白。
人っ子一人居ない静かさだ。
水
少し中に入って探そうと思い、公園に足を踏み入れようとする。
「ゆーきーやこんこ♪」
水
「あーられーやこんこ♪」
まるで「気づいてるからな」と言わんばかりに、入った瞬間に歌が聞こえた。
さっきの声と同じ、背伸びしたような声。
まるで、一緒に歌えと誘っている感じ。
「ふってーもふってーも」
水
続きを歌ってみる。
多分、届いたのだろう。
歌声が一瞬、ほんの一瞬だけ止まった。
「いーぬーはよろこび」
水
「ねーこはこったつで」
水
シーン
歌が終わると、その気配も消えてしまう。
だけど、さっきの声で位置は大体わかった。
キュッ キュッ
まだ誰も踏んでいない雪を踏みしめていく。
歌ってる子が通った足跡がひとつも無いのが、、不思議だった。
水
水
僕は苗木に向かって話しかける。
正しくは、その苗木の向こうの子供に。
水
水
シーン
何も返ってこない。
水
ガサッ
紫
水
苗木の枝をかき分けると、小学5年生くらいの男の子が居た。
雪に溶け込むようにして。
紫
真っ白な髪の下で、まるで怪物を見るかのような目でこちらを見る。
真っ白な髪の子なんてここら辺には居ない。
しかも白いTシャツ1枚に黒色の半ズボンを履いているだけ。
水
紫
パシッ
伸ばした手を遮られる。
苗木の影にうずくまって、天敵に狙われているウサギみたいになっている。
白い息を噛み殺すように睨んできた。
水
水
紫
見知らぬ人に「大丈夫」って言われて素直に着いて行くほど、子供は単純じゃない。
そんなのだったら誘拐事件が毎日起こってるだろうし。
水
水
紫
水
紫
一緒に遊ぶのが1番効果があるんだよなぁ、多分。
水
初めて見た子を前に、僕は好奇心で溢れていた。
水
紫
水
雪の遊びと言うと完全に雪合戦だと思ってた僕。
絶賛5体目の雪だるま制作中。
水
水
紫
目線をひとつも動かさずに子供げの無い事を言う。
水
紫
なぜ同じ時間で僕の3倍の量を作れるのだろうか。
水
水
ドシャッ
水
紫
2人で同時に声を上げる。
僕の出来たばかりの雪だるまと、その隣に並んでいた数体がぐしゃっと潰れていた。
紫
水
顔を上げてみると、近所の悪名高き悪ガキ達だった。
多分小学校の班の集合時間なのだろう。
数名が雪合戦をしていた。
紫
雪だるまを崩されたことに悲しんでいるのか、他の子供が怖いのか、
小さな影が僕の後ろに移動していた。
水
水
この悪名高き悪ガキ達、結構やばい。
顔見知りというか、面白いカモというか、
様子を楽しむ子供とそれに心底困っている兄ちゃんみたいな関係になりつつある奴らだ。
紫
1人が僕の後ろを指さして言う。
同時にあの子の肩が跳ねたのが分かった。
水
てめぇ、どこの組だ?と言わんばかりの眼差しが僕の後ろにそそがれる。
水
水
流石に数人からヤクザのような目を向けられるのはいたたまれないので、追い払おうとする。
すぐさま講義の声が飛んできた。
水
いっその事こちらが移動しようかと考え始めた時、後ろから服を強く握られた。
紫
水
グシャッ
水
顔面に雪。絶対あいつらだ。
ほら。
水
いっその事とっ捕まえて(自主規制)して(自主規制)して(自主規制)してやろうか。
紫
紫
僕の頭の中を覗いたのか、腕を掴んで僕を引っ張る。
水
水
しゃがんでいた腰を上げ、入口の方へと歩く。
水
子供にムキになって言った。
我ながら自分もなかなか子供だと思う。
水
キュッ
無意識に手を繋いで歩く。
すると、後から風が吹いてくるのがわかった。
水
パシッ
水
僕は投げてきた方へ思いっきり投げた。
ビュオンッッ
様々なブーイングがとんでくるが、気にしない。
水
紫
紫
水
君からのブーイングは結構胸に刺さったけど
紫
水
公園の中は地面が全て雪だったからきっとそんなに痛くなかったんだろうけど
道路は車が通った後だからコンクリートが結構出てる。
水
水
紫
水
こういう子供に「帰る場所がある」前提で話を進めちゃだめだと思ったから、そこから聞いてみる。
紫
水
紫
僕の視界の後ろで、君が上を向いたのがわかった。
水
水
最初からそうするつもりだったし、戸惑いはなかった。
こんなに弱そうな子供を置いていけはしない。
紫
水
紫
水
紫
水
紫
紫
水
水
水
紫
水
水
僕の1ページに、大切な物が入った気がした。
水
水
紫
僕の服に着替えた初兎ちゃんが言う。
半分呆れてるような顔だ。
水
ワンチャン休めるかもしれない。
ブーッブーッブーッ
紫
水
スマホの画面を覗き込むと、そこには上司の名前。
水
紫
水
僕はスマホを手に取って電話に出る。
水
なに勝手に休んどんじゃワレェ!!!
明らかにコワモテの人の声がスマホの向こうから大音量で部屋に響く。
水
ってのは冗談で...
いつもの声量に落ち着いた相手が話を切り出す。
そっち雪大丈夫なの?
ないちゃんの声だ。
水
....それガチでやったの?
水
俺は会社来れたけど、そっち電車止まってるんでしょ?
「そうなの?」と聞き返したいところだが、これを言うと僕が理由なしに来ていないと思われるので辞めておく。
水
そっかぁ...まあ雪は仕方ないね
転倒とか気をつけてよ
ほとけっちは絶対にやりかねないから
水
水
うん、また会社で
テロンッ
紫
水
僕は初兎ちゃんに笑ってみせる。
我ながら良い上司を持ったと思う。
水
休みとなるととにかく暇なのでリモコンを手に取る。
ポチ
『えー、今日は大寒波の影響で__』
真っ白な映像が映りだす。
雪でカメラがほとんど見えてないような状態だ。
紫
その映像に初兎ちゃんが目を輝かせて見入る。
そんなに雪が好きなのだろうか、僕には「寒そう」という考えしか浮かばない。
水
まじまじと見ているチャンネルを変える気はしないので、何かを用意することにした。
温かいココアとか、マジで飲みたい。
紫
水
初兎ちゃんの質問を受けてから、僕は台所へ向かった。
水
紫
さっきと同じような画面がまだテレビに映っていた。
水
紫
...どうやら大人と子供ではだいぶ感覚が違うらしい。
コト...
水
紫
紫
水
もしかしてアイスココアとか言わないよね...?
水
紫
水
紫
申し訳なさそうに手を合わせる初兎ちゃん。
兎って感じだけど、猫舌なんだな(?)
水
雪だるまを作ったあとのココアは美味しい。
常に温かい状態のココア持ち歩けないかな...。
紫
水
僕のコップの中はほとんど無くなってるのに、隣のコップはひとつも無くなっていない。
ずっと冷ましてるけどさすがに冷えっ冷えなんじゃ...。
水
僕は初兎ちゃんの握っているコップに手を伸ばしてみる。
水
水
むしろなんか冷たい気がする。
紫
初兎ちゃんが目をそらす。
もしかしてココア、嫌いだったのかな。
水
紫
意地っ張りなんだな...。
あ、でも嫌いなら自分から注文なんてしないか。
やっぱり猫舌なだけかもしれない。
水
とりあえず、様子を見ておこう。
紫
ココアを入れてから40分後くらいに初兎ちゃんが飲み終わる。
絶対冷めてたよねこれ。
水
紫
水
初兎ちゃんからマグカップを受け取って自分のと一緒に持っていこうとする。
すると、垂れ流していたテレビから、気になる話題が出てきた。
『続いて、雪の結晶について紹介します』
水
つい、台所へ行く足を止めて見てしまう。
テレビには、色んな形をした雪の結晶の写真がズラっっと並んでいた。
紫
初兎ちゃんが動きをピタリと止めて見入っている。
やっぱり雪、好きなのかな。
『最近の研究により、雪の結晶にはある秘密がある事が発覚したようです』
水
だんだん興味がでてきた僕は、一旦ソファに戻って雪の結晶について見てみることにした。
『雪の研究者、○○さんによると』
『結晶の中に、今まで発見されていなかった生命体が発見されたとのこと』
紫
もしかして、知らないのかな。
何歳かは聞いていないけど、もしかしたら義務教育を受けてないのかもしれない。
水
紫
普通にさえぎられた。
『その生命体は"謎の力"によって動き、今も詳しく研究中だそうです』
水
僕は初兎ちゃんの方を向いて言う。
「へんなのー」とか、「ようわからんなぁ」とか言うと思ったのに、深く考えている様子だった。
紫
水
『生命体と言うと未知なワクワク感がありますが、どう思います?』
『いやぁ、びっくりですね』
『雪の結晶って身近ですから__』
アナウンサーがゲストらしき人に話をふって、ゲストの人が髭を触りながら応える。
正直、おじさんの意見に興味は無い。ごめんねおじさん。
水
ちょっと笑いながら聞いてみる。
雪が好きそうな初兎ちゃんの意見の方が僕は聞きたいし。
紫
紫
つぶやきにも近い声が初兎ちゃんからもれる。
水
紫
研究されているのが可哀想と言うことだろうか。
近所の悪ガキと違って優しい子供も居るものだな、と何故か関心する。
水
面白半分で聞いたはずの質問に思わぬ応えが返ってきた僕は、ちょっと気まずくなってなってソファを立つ。
水
紫
初兎ちゃんがさっきの真剣な顔から一気に子供の顔へと変わった。
その笑顔の裏には何があるのか、僕はまだ知らない。
水
水
紫
水
僕は半泣きで初兎ちゃんにすがる。
自分より小さい子供に助けを求めるのは恥ずかしいが、いっその事誰でも頼りたい。
紫
水
僕は自分のスマホの画面を見せる。
そこには、さっきメールした上司との会話が並んでいた。
く ないちゃん 🔍 📞 三
桃
水
桃
水
桃
水
桃
水
桃
水
桃
水
水
桃
水
桃
桃
水
桃
紫
紫
水
水
紫
水
なんでこんなギリギリにラインしてきたのってくらい本当にもう少しで会議だ。
ないちゃんらしくない。
もしかしたら相手の会社がゴリ押ししたとか...。
いや、とりあえず準備しなければ。
紫
水
紫
水
紫
水
水
紫
水
紫
桃
水
偉
なんとか準備出来た....。
寝癖とか立ってないよね?
リモートとか普段やらないし緊張する...っ。
桃
偉
偉
あ、会議ゴリ押ししたの絶対この人だ。
桃
ないちゃん...上手く営業スマイル振りまいてるつもりだろうけど、顔に出てるよ。
「毎回会社に会いに行ってんのはこっちだろうがてめぇ」って、、、()
不穏な空気を感じ取った相手側の1人が話を切り出す。
まじないす。
水
相手の偉そうな人が1人と、部下とか秘書っぽい人達が2人。
こちらは上司のないちゃんと部下の僕だけだ。
ないちゃんはそんなに偉そうじゃない(といえば少し失礼だが)雰囲気なので、上下関係がありそうな僕らではないが、
向こうはどうやら結構差がありそう。
桃
偉
おっとぉ...これはないちゃんの堪忍袋の緒がやばいんじゃ...
桃
桃
少し肩をぷるぷるさせてたように見えたが、すぐにほほえむ。
営業スマイルは崩さないんだ、さすが上司。
桃
桃
手元の資料を整理しながらないちゃんが言う。
さすが!仕事が出来る男!!
偉
相手が唸る。
なにか、そうしたくない理由があるのか分からないが、酷く悩んでいるようだ。
どちらにとっても良いはずなのに。
桃
そんな相手の気持ちを見透かしたようにないちゃんが口を開く。
ねぇもうこれ僕要らないじゃん。
桃
水
水
水
柔らか〜い笑顔でないちゃんが言う。
勢いで「はい」と言ったが、頭の中の文章構成はまだ出来ていない。
水
僕は手元のファイルを必死に漁る。
メリットなんて話してたっけ、そんなことさえも覚えていない。
水
コンコンコンッ
僕の焦りを増やすように、ドアがなる。
水
大事な会議だから入らないでねって言ってたのに...!
資料を探すか初兎ちゃんに応えたらいいのか分からなくて更に焦る。
偉
桃
画面越しの視線が痛い。
突き刺されすぎて大量出血で死にそうだ。
ないちゃんが話を進めてくれれば解決なのだが、僕が「はい」と言ってしまった以上僕が言わないといけない。
ガチャッ
入ってきちゃったー!!!
ドアの方を横目で見ると、なんとか画面に移らなようにしゃがみながらこちらへ来る初兎ちゃんが居た。
紫
初兎が僕の膝の上にこっそりファイルを置く。
そのクリアファイルの中に見覚えがあった。
水
桃
水
初兎ちゃんがてぃナイス!と言いたいところだが、言ったら画面の向こう側から「こいつやばいオーラ」が飛んでくるので、
初兎ちゃんの方は見ずに頭をわしゃわしゃ撫でる。
紫
仕事せぇよと言いたげな雰囲気でも、心做しかこそばゆそう。
数秒撫でてた後、初兎ちゃんが僕の手を離して開きかけのドアから出ていった。
その頃には、メリットの説明も終わっている。
水
桃
ないちゃんが相手に被さるように言う。
顔が、完全に獲物を包囲したときのそれだ。
ないちゃんがメリットの話をしなかったのはきっと資料が無かったから...とかではなく
深堀し過ぎかもしれないが、
僕にも相手からの注目を浴びせたかったのだろう。
「自分の部下はできる奴」 「こっちは通させない」
そう言いたいんだと思う。
その裏に隠れている言の葉は、少し苦いものだ。
桃
「俺らは負けない。そっちが折れろ」
相手がメリットについてなにか言う前に、これを突きつける。
この質問には「Yes」か「Now」か
2択でしか答えられない、ないちゃんの策がある。
偉
相手の舌打ちが画面越しに聞こえる。
音にはなっていないが、口の動きで分かるものだ。
桃
桃
偉
桃
うわぁ...ほんと、笑顔が黒いよ。
桃
桃
水
偉
テロンッ
相手が退出する音が聞こえる。
思えば、相手側の2人全く喋ってなかったや。
水
僕はスマホを手に取った。
く ないちゃん 🔍 📞 三
水
桃
水
桃
水
水
水
桃
水
桃
水
桃
水
水
桃
水
水
水
あぁ、もういいや、考えないでおこう。
ガチャッ
水
紫
水
初兎ちゃんがドアから顔を出して言う。
まじでさっきは天使に見えた。
水
紫
椅子から降りて初兎ちゃんをぎゅーする。
はぁ...癒し。
紫
水
水
紫
グ〜ッ
初兎ちゃんが僕から離れた瞬間、おなかの音がなった。
紫
水
紫
全力で目逸らしして言う。
どうやらおなかの音を聞かれたのが嫌だったのだろう。
急に口を噤んで尖らせる。
水
水
紫
ほら、やっぱり可愛い。
紫
水
やっぱ冷凍食品は美味しい()
それにしても、朝よりは寒くなくなってきた。
水
紫
初兎ちゃんが寂しそうに下を向く。
もしかして、雪を気にしてるのかな。
水
紫
紫
水
「遊べたら」という言葉に少し引っかかったが、流すことにした。
だが、違和感がある言の葉には苦い苦い裏があることを僕は再度知ることになるのだ。
ジューッ
水
ジューーッ
水
ジュッッ ピピピピッッッ
水
料理って難しい。切実に。
ずーっとハンバーグを見てたはずなのに、いきなり音が鳴り響く。
ほっときすぎの合図だ。
水
水
「晩ご飯なにがいい?」と聞くと、「いむくんが好きな食べ物」と返ってきた。
好きな食べ物といえばハンバーグかな〜、と思ったので、ハンバーグ作り中だ。
水
だんだんやる気が湧いてきた僕は、気合いを入れ直して再度取り組み始めた。
水
僕は台所から顔を出して初兎ちゃんを呼ぶ。
その呼び掛けに、返事は返ってこなかった。
水
家に来てからずっとリビングに居たのに、その姿が無くなっていた。
トイレとか行ったのかな。
水
まぁ、待てばいいか。
水
水
水
水
遅すぎる。いくら何でも。
流石に家の中を探しに行こうと思い立ち上がった瞬間、
幼い、背伸びしたような、「今日喋り合った」声が聞こえた。
「ゆーきーやこんこん」
「あーられーやこんこん」
水
外から。公園のほうから。
水
ハッキリとは聞こえないが、かすかに聞こえる。
絶対に初兎ちゃんだ。
帰りを待ってちゃ居られない。
僕は急いで玄関の方へ駆けていった。
水
雪がもう溶けかけの夜道。
何度も滑りそうになるが、走る足は止められない。
「ふってーもふってーも」
「まーだふーりやーまぬ...」
僕の頭に初兎ちゃんの声が反響する。
近づいて行くに連れて、その音がどんどん鳴り止まなくなる。
「いーぬーはよーろこーび」
「にーわかーけまーわり」
朝とは違い、足跡まみれになった公園を駆ける。
紫
紫
やっと、やっと
見つけた。
水
紫
目を見張ってこちらをみる初兎ちゃん。
僕が来るとは思っていなかったのか、そのまま数秒固まる。
紫
半分睨んでて、半分泣きそうな顔で言う。
僕は初兎ちゃんと目線を合わせる。
水
2人の白い息が混ざる。
紫
初兎ちゃんが悔しそうに俯く。
今日、見たことある表情だった。
あの、リモート会議のときの相手の顔。
何か隠してる時の表情。
水
初兎ちゃんの目を真っ直ぐ見て言う。
「Yes」か「Now」か
返答を待つ時間が苦しい。
紫
紫
困ったように微笑んで言う。
その瞬間、僕の中の点に、もうひとつの点が繋がれた。
「遊べたら、遊ぼな」
その言葉の裏の苦味は、これだったのだ。
紫
紫
初兎ちゃんの下が光り始めた。
上に上に、その光が初兎ちゃんの体を消していく。
水
水
「溶けるから消える」
その物言いは、簡素で、きっと希望なんてなくて、
決められた未来だったんだろう。
あのときの「アンフェア」という言葉は、自分の運命のことを言ってたんだ。
紫
紫
紫
紫
水
桃
桃
桃
水
桃
水
自分の「大丈夫」という言葉が胸にサクッと刺さる。
全然大丈夫じゃないよ。初兎ちゃん。
水
水
水
水
分かんなくない。
分かるのに、分かりたくないよ。
"戻ってきてよ"
ジリリリリッッ
水
水
僕はカーテンに手を伸ばす。
昨年を、思い出しながら。
シャーーッ
水
また、あの歌声を思い出すだろう。
ほら、鮮明に。
「ゆーきーやこんこん」
「あーられーやこんこん」
水
あなたの耳にも、鮮明に。
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
sora
(っ'ヮ'c)<バァァァァァァイィィィィィィバァァァァァァイ
792タップお疲れ様でした!ᐠ( ᐛ )ᐟ
コメント
8件
"水くん=雪"ってとこ、本当は"紫ちゃん=雪"です! 他にも色々おかしい!! ごめん!!!!
すご、、普通に本屋に置く小説書ける量とレベルと面白さだわ、、もしそんなんがあったら、一日100回必ず読むわw
長ぁあぁぁぁい!!!!!けどおもろぉぉぉぉい!!!!! そのネタ上げた人って私の事やんな?!え?!絶対そうやんな?!違うかったら普通に申し訳ないんやけどw