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イヴィ

…言われて来たはいいが

イヴィ

本当に街なんてあるのか?

リエル

ええ、その筈です

リエル

道を教えてもらったので

リエル

迷うことは無いとは思いますが…

そう言うと、リエルは辺りを見渡す。

彼女を含め4人が、けもの道を歩いている予定だったのだが────

ロック

スゲー!

ロック

こんな崖、見たことないぞ!

ディアベル

そうかァ?

ディアベル

訓練とかでしなかったかねェ

ロック

こ、ここで訓練…

ディアベル

あァそうだった

ディアベル

…死傷者が出るもんで、止めたんだったかな

ロック

リエル

イヴィ

……

リエル

…大変ですね

イヴィ

そうか?

イヴィ

通常運転だが

イヴィ

リエルは?

リエル

…あ

リエル

こちらもでした

イヴィ

そうか、ならこのまま進むぞ

イヴィ

どうせ着いてくるし

リエル

そうしましょう

リエル

…そうだ、渡したい物があるんでした

そう言いながら、懐から2つ小さい何かを出した。

イヴィ

これは、貝か?

リエル

ええ、入団した方には皆、これを渡しているんです

リエル

まあ、お守りみたいなものですよ

イヴィ

へえ…

イヴィ

参加賞でもあるまいし

イヴィ

必ず身につけておいた方がいいんだな?

リエル

よくお分かりで

リエル

団長からの指示でもあります

イヴィ

そんな大事なのか、これ

リエル

ええ

リエル

未来を守るためにも

イヴィ

そうか

さらに森の奥深くへ、歩みを進めた。

ネーベル街

彼らが着く頃には、日は沈み始めていた。

ロック

すっかり遅くなっちまったなー

イヴィ

…野宿でもすんのか?

ディアベル

まさか!

ディアベル

訓練じゃあるめぇし

ディアベル

宿はとってあるらしいぜ

イヴィ

なら良いんだが

イヴィ

(しかし、盗賊の蔓延る街で野宿なんてした日には……)

イヴィ

(……いや、宿も中々にリスクがあるような)

リエル

早速行きましょう

リエル

寝る場が確保出来ただけで、私達の仕事は「警備」ですので

イヴィ

つまり

イヴィ

……徹夜か?

リエル

そうなるでしょうね

ロック

徹夜かー

ロック

試験前夜に必死に勉強してたから慣れてはいるぜ!

ディアベル

前夜ァ?

リエル

…本当に首席なのですか?

イヴィ

じゃなかったらここにいねぇよ

ディアベル

それもそうだなァ

ディアベル

どうだ、年上ばかりの騎士団は

イヴィ

気取ってる奴等ばっかだな

リエル

そうですね

リエル

貴方たちは例外的な存在です

リエル

よく思わない方々もいるでしょう

リエル

呉々も「イタズラ」されないよう

リエル

気をつけるべきです

ロック

イタズラ?

興味深そうにロックが聞き返す。

ディアベル

まー、嫌がらせよ

ディアベル

出来の悪い、な

イヴィ

(イタズラ、ねぇ……)

イヴィ

(騎士学校でもあるっちゃあったな)

イヴィ

(…ディアベルへの、嫌がらせが)

イヴィ

……

ディアベル

どうしたァ、考え込んで

ディアベル

もう疲れちまったか!

イヴィ

なわけないだろ

リエル

さ、これからは4人で巡回をしていきましょう

リエル

分担は────

リエルが細かな内容を説明するが、

イヴィは別のことを考えていた。

イヴィ

(ディアベル……)

イヴィ

(本当に、何故ここにいるんだ?)

西へ傾いていた日は完全に沈み───

ネーベル街に夜が訪れた。

リエルの指示通り、

ディアベル・イヴィ

ロック・リエルのペアで警備をすることになる。

「ロック、リエル」

ネーベル街西部担当

リエル

さて、私たちは森林に近い区域を警備します

リエル

死角からの奇襲には気をつけておいて────

リエル

……ロック?

リエル

(…まさか、奇襲───)

ロック

───おーーーい!

リエル

リエル

怪我人ですか

ロック

いや、でかいクワガタ

リエル

リエル

!!!

リエル

これは、フォレストクワガタ……

ロック

お、なんだ?知ってるのか!

ロック

というか、触っただけで分かるもんなんだな…

リエル

…海底にいた頃は、地上に憧れていましたから

リエル

お父様の目を盗んで、本や模型を漁ったものです

リエル

……はっ

リエル

いけません、こんなことをしている場合では…

ロック

でもなんかキラキラしてたぞ?雰囲気が

ロック

好きなのか?昆虫

リエル

…昆虫と言うよりかは

リエル

地上の生物や文化に興味があるのです

ロック

へー!

リエル

…行きましょう、仕事を放棄してはいけませんから

ロック

おう!

……その2人を、

木の影から見る者がいた。

────…

リエル

……

リエル

……誰です?

ロック

え?

リエル

出てきなさい、さもないと────

ダンッ

ロック

!!!

先に聞こえたのは、地面を強く蹴る音。

そして、次に聞こえたのは────

ガキィンッ

刃物がぶつかり合う音だった。

ロック

(速っ……)

影に隠れていた者はリエルと距離をとりながら口を開く。

驚いた、まさか見つかるとは

リエル

ロック

(どこに隠れてたんだ!?全然分からなかった……!)

……おや

貴女、ソンブラの姫ではないか

リエル

…よくご存知で

────さぞ、首は高くつくだろう

ロック

……っ!

リエル

ロック、いけますか

ロック

…いけるぜ!

一方 「イヴィ、ディアベル」

ネーベル街東部担当

ディアベル

…お、向こうはやってるねェ

イヴィ

加勢、しなくていいのか?

ディアベル

俺らは東部担当だ

ディアベル

それに、アイツらならやれんだろ

イヴィ

んなまたテキトーな…

ディアベル

……ちなみに

イヴィ

ディアベル

右手、なくなんぞ?

イヴィ

…は?

イヴィ

!!!!

ヒュッ

間一髪で、イヴィはナイフを躱す。

ディアベル

へェ、やるじゃねぇの

イヴィ

わ、分かりやすく言えよ!

ディアベル

もっと頭の回転良くしねェと、すぐ死んじまうぞー

イヴィ

……はあ

イヴィ

で、これが盗賊か

ディアベル

だろうなァ

盗賊

…オメェらァ!!!

盗賊が叫ぶと、木々の間から新たな敵が現れる。

盗賊

コイツらァウォルフだ!

盗賊

かかれーーーッ!!!

そう団結し、一斉に襲いかかってきた。

ディアベル

─────おいおい

ディアベル

夜は静かにするもんだろうが

盗賊

─────はっ?!

イヴィ

ディアベルは盗賊のナイフを掴み、

ディアベル

ダメだな、こんなナマクラじゃァ

バギィッ

刀身を、へし折った。

イヴィ

……

イヴィ

(いや、折ったと言うより…)

イヴィ

(握りつぶしただろ…)

イヴィ

……バケモンかよ

ディアベル

2番隊なもんでねェ

盗賊

クソッ、怯むな!!!

イヴィ

ドッ

盗賊

ガッ!!!

蹴りが盗賊の腹部に入る。

ディアベル

動けんね

イヴィ

……

そう言うと直ぐに死角からの攻撃を避け、反撃をくらわす。

イヴィ

(コイツ)

イヴィ

(呑気すぎる…)

イヴィ

(俺より先にウォルフになったとはいえ)

イヴィ

(一撃でもあたったら終わりだろ…!)

ディアベル

なんだァ?

ディアベル

見惚れちまったか!

イヴィ

はぁ?

イヴィ

違ぇよ

イヴィ

本当にロック達は無事なんだろうな

ディアベル

だァら、何とかなる!

ディアベル

ほら、残り1匹、来てんぜ

イヴィ

盗賊

ッア…ウゥ

盗賊

なんで……バレて…

ディアベル

さァて、これで東側は全部かな

手際よく盗賊を縛る。

ディアベル

で、向こうには何人いるんだ?

盗賊

……

ディアベル

まだ味は感じたいだろォ?

盗賊

わ、分かった、話すぜ

盗賊

けどよ、俺たちはこれで全員だ!

イヴィ

!?

ディアベル

本当だろォな

盗賊

当たり前だッ!

盗賊

まさかウォルフが来るなんて思ってなかったんだよ!

盗賊

だから強そうなヤツらを先に始末しようと!!!

ディアベル

集団で攻めてきたのは褒めてやるよ

そう言うと、ディアベルは伝書鳩を飛ばす

ディアベル

皆仲良く縛られてろォ

盗賊

あ、え

ダンッ

地面を蹴る音がしたかと思えば、ディアベルはそこから消えていた。

イヴィ

(はやすぎだろ!!)

イヴィ

(二つの意味で!)

…おぉ、騒ぎがあったと思えば

イヴィ

町民

捕まえてくれたのか!ありがとう!!

イヴィ

…あー

イヴィ

(俺じゃねぇけど…)

町民

ここは俺が見てるから、君は仲間のところに行ってきたらどうかな?

イヴィ

平気なのか?それで

町民

でも、丸腰だよ?

イヴィ

盗賊

あっ!?ナイフがねぇ!!!

盗賊

俺もだ!!いつの間に…

イヴィ

(…バケモンがよ)

イヴィ

(まぁ確かに、コイツらは何もしなそうだな)

イヴィ

じゃあ、任せてもいいか?

町民

もちろんだ!

イヴィ

頼む

イヴィも、ディアベルが向かったと思われる西側へ走っていった。

イヴィ

……嵐でも近づいてんのか?

イヴィは西部に向かって走っている。

イヴィ

……?

だが、ディアベルも、ロックも、リエルも見当たらない。

イヴィ

(何でだ?)

イヴィ

いや、俺たちはこの道を通ってきたはず……

手当り次第探したが、どこにも仲間がいないのだ。

イヴィ

……おかしい…

その内、

イヴィ

!!!

イヴィ

これは……

いつの間にか辺りに霧が出てきていたことに気がついた。

イヴィ

誰の仕業だ……?

周りを警戒しながら、辺りを歩いていたが─────

ヒュッ

ガヒュッ

イヴィ

ッ!!!?

イヴィ

あ……?

飛んできたのは、血鎌のようなものだったような気がする。

並の人間では成り立たない技であること「だけ」は理解できた。

でも理解できない。いや、したくない。

ゴトン

鈍い音を立てて、何かが落ちる。

イヴィ

な……んで…

……おかしい。

どうして、

自分が下から見える?

その音の正体に気がついた時には、

──また、霧の中にいた。

イヴィ

─────っは!!

イヴィ

はっ……はぁ…!

間一髪で助かったような、息を吹き返すような。

そんな苦しさがある。

イヴィ

(さっき、殺されたよな…?!)

イヴィ

まさか……

このふざけた空間の主を倒すまで、

殺され続けるのか!!?

そう、一瞬でも隙を作ると────

──────キンッ

ロック

はぁっ……はぁっ

ネーベル街 西部

ロック

何者、だ……???!

……何者……そう、何者だろうか

ロック

(この風格……っというか構え)

ロック

(絶対に盗賊な訳がない!!)

俺も知りたいのだ

リエル

っ危ない!ロック!!!

ロック

あ─────

ロック

(やばい、遅れ─────)

ピシャッ

ゴロゴロゴロッ

ロック

……

ロック

…?

ロック

──────!!!!!!!

リエル

あ……ガ………ッ

…素晴らしい

魔術に精通しているだけある

さて、何の話だったか

…そうだ

俺も知りたいのだ

─────何 故 、 貴 方 達 が ウ ォ ル フ な の か と

ロック

!!

聞けば、最年少のウォルフだそうだな

貴方と、

向こうで、無様に命を散らしている者は

ロック

え─────

ロック

イヴィが……?

そうか

一瞬にして、ロックとの距離を詰める。

「イヴィ」と言うのか、あの少年は

ロック

(しまっ─────)

ガキィンッ

ロック

!!

…貴方も、ウォルフか

ディアベル

……怪我はねェかァ

ロック

ディア…ベル…

ロック

イヴィ、イヴィは!!!?

ディアベル

……ネーベル街の一部に霧が発生している

ディアベル

俺とイヴィは来るタイミングが違ったから、俺にも分からねェが…

ロック

…そんな

ディアベル

リエル、おーい聞こえてるかー

ディアベル

……ダメだな

ディアベル

ロックはリエルを運んで離脱しろォ、後は俺が引き継ぐぜ

ロック

いや

ディアベルの言葉を遮る。

ロック

俺がやる

ディアベル

ヘェ

ディアベル

コイツが霧の犯人ではないのは確かだが?

ロック

でも

ロック

グルだ

ロック

俺がやらねぇと

ディアベル

ふーん?

ディアベル

じゃ、任せるわ!

ディアベル

悪ィね、待ってもらって

ディアベル

……どーぞ、続けて?

……

バリバリバリッ

…逃げた

彼の方が骨がありそうであった─────

ロック

────…

バキッ

っ!!!!?

ディアベルの作った隙で、ロックは彼に回し蹴りを決める。

気配を察知できず、彼は後方へ吹き飛んだ。

ガッはぁ……っ!!

まるで気配がない……

この俺が背後を取られた

その蹴りは、褒めるに値する…

……「フルメン・アストラ」

バリバリバリッ

突如、空が光ったかと思うと、

無造作に光……稲妻の柱がロックに降りかかる。

それは周りの木々にも命中し、

跡形もなく焦げていた。

「フルメン」は、雷の魔術

ひたすらに対象を焼け焦がす

当たればタダではすまない────

だが、何故だ

なぜ突っ込んでくる────!!

ロック

(……右、左────)

稲妻と同等のスピードで走り抜けるのは不可能である。

が、直前の空の動き、

空気の揺らぎ、

発動者の目線、指先。

その全てを察知し、迷いなく突っ込んでくる。

並の騎士やウォルフ…これは鍛えられるものでは無い。

「天才」

抜ける、だと……?

ロック

教えろ─────

ロック

お前らは、何だ!!!!!

バキッ

彼の顔に強烈な拳が入る。

…力無く、その者は崩れ落ちた。

ネーベル街 東部

イヴィ

……

イヴィ

(殺されても)

イヴィ

(位置がリセットされるわけではないのか)

イヴィ

(俺が止まってる間は攻撃が来ない)

イヴィ

(そうか、)

イヴィ

(パニックになると永遠に殺され続け)

イヴィ

(精神がすり減っていくんだな)

イヴィ

チッ

イヴィ

趣味の悪ぃヤツだ

イヴィ

……だが

イヴィ

いるんだろ?

イヴィ

見物するなら、もっと近くに来いよ

───はいはい

イヴィ

イヴィ

(ほんとに出てきやがった!)

ローブの、フードの間から金髪を覗かせている。

君だよね、イヴィ君って

イヴィ

────!

イヴィ

どこでそれを!?

あはは!

顔に出すぎじゃない?

じゃあ僕も名乗っとくかー

カリゴ

僕はカリゴ

カリゴ

ま、本名じゃないけどね

イヴィ

…偽名か?

カリゴ

んー

カリゴ

コードネーム的な?

イヴィ

(どこの組織だ?)

丁度のことだった。

ゴロゴロゴロッ

雷鳴が轟く。

イヴィ

(雷…?)

イヴィ

(そういえばさっきも西へ向かう途中聞こえたな…)

カリゴ

アレは僕の仲間の仕業

カリゴ

大丈夫?イヴィ君の仲間も死んじゃったんじゃない?

イヴィ

…別にそこまで気にしてねぇよ

カリゴ

わー、薄情者!

イヴィ

分かってないな

カリゴ

ん?

イヴィ

逆に心配だよ

イヴィ

たかがアイツらに負けるお前らがな

カリゴ

それ、君の仲間のこと侮辱してない?

カリゴ

でもいいや!

カリゴ

君とのお喋りは楽しいからね!

カリゴ

そのまま、いっぱい斬られて

カリゴ

─────狂っちまえよ

イヴィ

辺りに霧が立ち込める。

そして────

イヴィ

っ!!!

また斬られた。

イヴィ

(間合いには入るが…)

イヴィ

(斬られて…恐らく意識がない間)

イヴィ

(攻撃範囲外に逃げられてる)

イヴィ

(泥沼じゃねえか…!)

カリゴ

イヴィ君、今何回斬られた?

イヴィ

知らねぇよ

カリゴ

うん、僕も分かんない!

カリゴ

でも多分、かなり斬られてるよね?

カリゴ

安心してない?

イヴィ

カリゴが指を鳴らす。

ザシュッ

イヴィ

っえ──────

途端、イヴィが今まで斬られた場所から血が吹き出した。

イヴィ

ガハッ……

イヴィ

な…どう…して……!?

カリゴ

あれ、生半可に斬っちゃった!

カリゴ

ごめんね、痛いよねー

カリゴ

で、どう?凄いでしょ?

カリゴ

今までのは「溜め」

カリゴ

君が頑張って僕に近づこうとしてる間にも

カリゴ

ダメージは蓄積されてたんだよ

足元に血溜まりができている。

イヴィ

わざと……だ、ろ…!!?

カリゴ

お?

イヴィ

簡単に、殺せ…たんじゃねぇ、のか?

イヴィ

趣味、悪ぃな

カリゴ

どーでしょー?

カリゴ

でもね、ここまでしぶといの君くらいだよ!

カリゴ

気に入っちゃったからなぁ、殺せないなぁ

ケラケラと楽しそうに笑っている。

悪意は無い、純粋な狂気が見えた。

イヴィ

そうか…

イヴィ

そりゃ、残念だ

ドッ

カリゴ

イッ────

素早く、カリゴの腹部を斬りつけた。

カリゴ

っへぇ、速いじゃん……

カリゴ

でも、あんま動くと死んじゃうよ?

ザシュッ

イヴィ

うっ……!

イヴィ

(浅い……が……)

イヴィ

(血を流しすぎてる……!)

力無く、その場に膝をついてしまう。

カリゴ

あれ?

カリゴ

限界じゃん

カリゴ

直してあげようか!

イヴィ

踏むんじゃねぇ……

その瞬間。

今まで鳴り響いていた雷がピタッと止まる。

街には、また静寂が訪れた。

カリゴ

お、あっちは終わったかな?

カリゴ

……

カリゴ

おかしいな…

カリゴ

計画よりも、遅────

イヴィ

(今だ!!)

カリゴ

わっ!!?

カリゴを跳ね飛ばし、体制を整える。

カリゴ

だーかーらー

カリゴ

何度やっても同じだって!

イヴィ

(これは避けられねぇ……)

イヴィ

(なら)

イヴィ

(そのまま突っ込むだけだ!)

イヴィは真っ直ぐカリゴに向かう。

腕や足、腹を斬り付けられても、

カリゴ

な、なんで……

カリゴ

化け物っ!!

カリゴはイヴィの首に手を向けようとしたが────

カリゴ

は……いない……────?

イヴィ

本当に残念だよ

イヴィ

悪いね、せっかく気に入ってくれたのに

ドッ

カリゴ

あ─────

死角から、首に手刀を決めた。

イヴィ

はーーーーーーー…

イヴィ

とんだ災難だ……

イヴィ

(いや、まだだ、拘束しねぇと……)

───血だらけじゃねェの

イヴィ

……!

イヴィ

(この……声は…)

ディアベル

安心しろォ、ロック達は無事だ

ディアベル

あんま動くといけねぇなァ

ディアベル

止血してやるわ

イヴィ

よけ……いなおせ、わ…

ディアベル

はいはい頑張った頑張った

イヴィ

きけよ……

ディアベルは、手際よく応急手当を施した。

イヴィ

何か

ディアベル

柄じゃねェってか?

イヴィ

ディアベル

これでも、手当は人一倍上手いんだぜ

イヴィ

……そう、か

───イヴィーーー!!!!!

ディアベル

イヴィ

ゲッ

ロック

よかった!無事だったんだな!!!

イヴィ

これを見てそう思うか、お前…

ディアベル

リエルも調子戻ったかァ?

リエル

はい、すっかり

ロック

凄いよな!あんだけの雷食らって無傷!

イヴィ

待て、魚から進化したんだろう?

イヴィ

平気なもんなのか?

リエル

魚と言っても、様々ですので

リエル

たまたま、耐性があっただけですが……

リエル

あの方は随分と素早かったので

リエル

芝居をうたせてもらいました

リエル

それで……

リエルらと対峙していた人物も、カリゴの横に乱暴に投げ出される。

イヴィ

(雑だな)

リエル

盗賊ではないですよね?

ロック

ぜっったい違う!

ディアベル

刺客かねェ

ロック

よくあることなのか??

ディアベル

まぁ、あるにはあるが……

ディアベル

なァ、リエル

リエル

なんです

ディアベル

これって─────

────あ、いたいた

イヴィ

……お前は

イヴィ

ファーブラか

ファーブラを先頭に、兵士の姿も見られた。

リエル

こら、せめて「さん」をつけなさい

ファーブラ

あはは、別に気にしていないよ

ファーブラ

それより、ごめんね

ファーブラ

まさか、襲撃を受けるとは思っていなかったんだ

ファーブラ

めだった負傷者は……イヴィだけかな

イヴィ

(何で分かんだよ…)

イヴィ

(というか、先頭って……)

ファーブラ

応援を呼んでおいたからね、安心するといいよ

ファーブラ

盗賊の皆は?

リエル

全員、戦闘不能

リエル

今は町民が見張っています

リエル

武器なども取り上げました

ファーブラ

ありがとう、そちらは兵士の皆に回収してもらうよ

ファーブラ

それで、この子達が襲撃者かな?

カリゴと、もう一人の男はまだ気を失っている。

ファーブラ

ファーブラ

皆、今日はお疲れ様

ファーブラ

もう、戻って大丈夫だよ

リエル

ですが、この者達をどうするかが…

ファーブラ

後は私が受け持つよ

ロック

コイツら強かったぞ!

ロック

2人がかりで来たら大変なんじゃないか?

ディアベル

…分かったぜ

ディアベル

帰るぞォ、お前ら

イヴィ

はっ!?待て、いくら何で───

ズキッ

イヴィ

い゛っ……

ファーブラ

イヴィ、どの道今の君じゃあ動けないと思うよ

ファーブラ

ディアベル、頼むね

ディアベル

あいよ

ディアベル

ほら、行くぞっと…

イヴィはいとも軽々持ち上げられてしまった。

ディアベル

2番隊舐めんなよォ

イヴィ

(くっ、屈辱……!!!!)

ロック

い、行っていいのか?

リエル

…仕方がないですね

リエル

自己責任ですよ、団長

ファーブラ

うん、善処するよ

渋々といった様子で、リエル達もその場を後にした。

ファーブラ

さて

ファーブラ

ね、そろそろ起きてくれるかな

ペチッ

そう軽く額を叩くと……

カリゴ

……う…

カリゴが目を覚ます。

カリゴ

!!!

ファーブラ

おはよう

カリゴ

これはこれは……

カリゴ

団長自らおいでかな?

ファーブラ

私の大切な仲間が苦戦していると聞いてね

カリゴ

…へー

カリゴ

伝書鳩か

カリゴ

時代遅れなもの使ってるねー!

ファーブラ

そうかな

ファーブラ

充分便利だと思うのだけど

カリゴ

で、何するつもり?

ファーブラ

とりあえず、隣の子、まだ寝てるの?

カリゴ

えっ、ほんとじゃん!

カリゴ

危機感ないなー

カリゴ

ほら、起きて

揺するが、起きない。

ファーブラ

名前、呼んだら起きるんじゃないかな

カリゴ

そっかー!

カリゴ

……で、気軽に呼ぶわけないでしょ?

ファーブラ

そっか、残念

ファーブラ

ほら

ファーブラ

「 エ ク レ ー ル 」

ファーブラの声でその名を呼ぶと、

エクレールと呼ばれた男は水でもかけられたかのように、目を覚ました。

カリゴ

──────え

エクレール

貴方……は…

ファーブラ

久しぶり

ファーブラ

どうして、ここにいるのかな?

どうして騎士団に入ったの?

ロック

うーーーん

ロック

俺はそれ以外でできることがなかったからなー

ロック

でも、意外と覚えは早いんだぜ!

ロック

昔はまた勉強かー、とか思ってたけど

ロック

今になってはいい思い出だ!

ロック

だし、隣にはイヴィがいたからな!

ロック

あ、一応幼馴染なんだぜ!

ロック

イヴィすげぇんだよ!

ロック

年上の生徒にも負けなしなんだ!

ロック

勉強とか人一倍できてたし

ロック

信頼してるぜ!

ロック

え、天才?

ロック

俺が?

ロック

へへっ、ありがとな!!

ロック

これからも頑張るぞ!

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