ぼへえまら

放課後、高校2年生の竜一は友達と遅くまで会話を楽しんでいた。

門限のある竜一は慌てて帰路につく。

竜一は急いで電車の駅に向かった。

間もなく下車駅に到着する頃、竜一の母から返信が届いた。

謎の言葉。竜一は何を言いたいのか理解できなかった。

竜一は異変を察知した。母が送るような内容ではないと思い、咄嗟に乗っ取りを想定した。

埒があかない、そう思った竜一は無視することを決めた。

駅から急いで帰宅。なぜか部屋のどこの明かりも点灯していない。まず竜一は、玄関の明かりをつけた。

竜一は、何気なく電話横に置いてあるメモ帳を見た。

ぼへえまらぼへえまらぼへえまらぼへえまらぼへえまらぼへえまらぼへえまらぼへえまらぼへえまらぼへえまら

リビングのライトを点ける。真っ暗闇の中から竜一の母が唐突に現れた。

竜一は謎の言葉を繰り返す母をとりあえずソファーに座らせた。

ノイズ音が激しくなった。

今まで聞いたことのないような低いかすれた声でそう言った。

咄嗟に電話を切った。

母は正座した状態で、拝むような仕草をしながら何度もそう言った

竜一は、玄関に置いてある金属バットを手に取った。

玄関の扉を誰かが激しくノックする。

急にノックが止む。

竜一はドアの覗き穴から向こう側の様子を窺った。

安心した竜一は振り返ると、そこには土下座した母の姿があった。

竜一の右耳から 吐息混じりの異様に低い声が聞こえてきた。

ぼへえまら

終