Ak
Jlくんが言ってたほこらがある森ってここのことかな?

Kty
この辺であの洞窟から少し西の森って言ったら
ここしかないから、多分あってると思う

Tg
Mzたん、ここでちょっと索敵魔法使ってみて!

Mz
なるほど、魔物が多い場所をピックアップして
そこを中心にほこらを探しに行くってこと?

Tg
そーいうこと!

Ak
Tgちゃんあったま良いー!!

Kty
流石です、王子!!

Tg
えへへー

Mz
じゃあとりあえず索敵魔法使ってみるか、、、

Mz
ちょっと集中力必要だから、あまり喋らないでもらえると助かる

Ak
わかった!!

オレたちの了承が得られたことを確認したMzちは、
やわらかくその目を閉じてぶつぶつと何らかの呪文を唱える
次の瞬間、Mzちからぽうっと優しい光があふれて、
すうっと遠くまで広がっていった
その光を眺めていると、何だか心がぽかぽかと暖まって
落ち着くような気がした
Ak
(綺麗な光、、、)

Ak
(何だろう、誰かを優しく包み込んでいるような
あたたかい感じの、、、)

Ak
(ううっ、うまく言語化できないっ!!)

Tg
(Ak、なにも喋ってないのに百面相してるな、、、)

Kty
(何か考え事してるのかな、、、)

しばらくMzちの魔法から感じたあたたかみを言語化しようと
自分の脳みそをフル活用させるが、剣しか握ってこなかった自分には
うまくパチリと当てはまる言葉を見つけることはできなかった
そうしているうちに、Mzちがそうっと瞳を開いて告げる
Mz
もう声出して大丈夫、ごめんな

Tg
全然大丈夫だよ!!

Kty
どうだった?

Ak
いい感じのとこ、見つかった?

Mz
いくつか、見つけたよ

Mz
魔物がたくさん集まっている場所、、、

Tg
一番近いのは?

Mz
ここから少し北西に進んだところ、そこが一番魔物多いけど、、、

Mz
なんか、奇妙なんだよな

Kty
どういうこと?

Mz
その魔物の軍団の中心、ぽっかり空いてるんだよ

Tg
それは、変だね、、、

Kty
何かの罠だったりするのかな、?

Ak
変って、?

Ak
ごめん、オレこういうの全然知らなくって!!

Tg
基本的に魔物が軍団を組む時って、
中心に行けば行くほど強い魔物がいるの

Tg
なのに、中心がぽっかり空いてるのって敵がいないってことでしょ?

Tg
それが、何だかおかしいなって

Kty
Mzちの索敵魔法は、仲間も含め全部の生き物の居場所を
確認できるんだよね?

Mz
そのはず、さっき魔法を使った時もAk達の居場所までわかったから、
魔物だけを認識しちゃったってことはないと思うんだけど、、、

Mz
!!

急に血相を変えたMzちを見て、オレはびっくりして彼に尋ねる
Ak
わ、Mzちどうしたの!?

Mz
魔物でも生き物でもないけど、魔物を従えてる、、、ってことは

Mz
ここにいたらかなりまずいかも、、、

Tg
うぇっ!?どうして!?

Kty
え、なになにどうしたのMzち怖いんだけど、、、

急に様子が変わったMzちにオレ達が混乱していると、
聞き覚えのある男性の声が聞こえてきた
At
あれー?勇者くんじゃん

Ak
うわあああああああ!?!?

Kty
!?

Tg
まさかこの人、、、

Mz
やっぱそうだよな、、、

At
えーっと、名前なんだっけ?あっぴいだっけ?

Ak
Akです、、、

At
あ、そういえばそうだったね、思い出した

At
なんでここにいるの?ピクニック?

Ak
ピクニックではないかも、、、

At
ふぅーん

Tg
(何でAkこんな普通に話してんの!?)

Kty
(なんか久しぶりにあった友達みたいになってるけど、、、)

At
そこにいるのはお友達?

Ak
お友達、でいいのかな?

At
前城で会った時も思ったけどAkって疑問系多いよね

At
前代の勇者とは全然違うんだ

Mz
(……。)

Ak
あれ、Atは前代の勇者さん知ってるの?

At
んー、まあ、色々とあったから、、、

そう言って目を伏せて唇を噛み締めているAtからは
今にも爆発しそうな激しい怒りを感じて少し萎縮してしまったが、
その表情の中にはすごく辛そうな色が混ざっているような気がした
Ak
(どうか、したのかな、、、)

At
ていうか、普通に考えたら俺のこと倒すための勇者パーティだよね

Ak
え、いや、今更じゃないっ!?

At
ごめん、前代の勇者は1人で来たから今代もそうなのかと思って

Ak
なるほど、、、

Ak
てか、あれ?

Ak
今のAtの力を考えたらオレ達のことすぐ潰せそうだけど、
それやらないの?

Kty
(いやまあ確かにそうだけど、、、)

Tg
(それ、世間話みたいなノリで話すこと!?)

At
あー、、、

At
俺ね、とある事情で勇者との決戦は魔王城でやりたいんだよ

Ak
あ、そうなの?

At
うん

At
だから、今は何もしない

Ak
そっか!!

Kty
(え、それ信じていいの!?)

Tg
(Akはもうちょっと人を疑うことを覚えた方がいい気がする)

Mz
(まあ、Atは変に素直なとこあるし
マジで何もしないんだろうな、、、)

At
あ、そうだ

At
他の人の名前と顔を覚えないと

そう言いながらAtはKtyちとTgちゃんに目線を向けると、2人に尋ねる
At
君たち、名前は?

Kty
ぼ、僕はKty

Tg
おれはTgです、、、

At
ピンクの方がKtyで、青い子がTgね

At
頑張って覚える

At
それで、最後の1人は、、、

そう言ってMzちに目線を向けたAtは、急に固まった
Ak
(あれ?)

At
え、、、

Atは目を見開いてMzちを穴が開くほどじいっと見つめ、
その視線を受けたMzちは気まずそうに視線を逸らす
Mz
……。フイッ

At
ねえ君、名前何?職業は?教えて

異常なまでにMzちに興味を示すAtに面食らっていると、
Mzちが答える
Mz
な、内緒、、、

At
嫌だ、教えて、教えてよ

At
知りたい、全部知りたい

At
だめ?

Mz
えっと、、、

Kty
(え、え、どういうこと!?)

Tg
(なんか口説き文句みたいになってる、、、)

Ak
Mzち?何で内緒なの?

Mz
バカっ、お前……!!

Ak
え?

オレがMzちの名前を呼ぶのを聞いたAtは、
もっと驚いたような表情を見せた後Mzちに話しかけた
At
へぇ、Mzって名前なんだ

At
見た目も話し方も本当にそっくり、あの方が帰ってきたみたいだ

At
でも、勇者パーティにいるってことは多分他人の空似なんだよね

Mz
(……。)

At
Mzね、完全に覚えたよ

At
勇者パーティのメンバーの名前も聞いたことだし、
そろそろ仕事に戻ろうかなぁ

At
4人が俺達の魔王城に来るの、待ってるから

Mz
(俺“達”、?)

At
またね、Mz

そう言ってAtが転移魔法の呪文を唱えると、
彼の周りに真っ黒な闇が現れてAtを包み込み、その姿をどこかに移動させた
彼の体があった場所には、キラキラと少量の光が残って、やがて消えていった
Ak
(なんか、悲しいとか辛いとか、この世のマイナスの気持ちを
全部詰め込んだみたいな冷たい感じだな、、、)

Ak
(でも、その中にかすかな光を感じる)

Ak
(救ってほしい、って言ってるみたいな、そんな感じの)

Ak
(魔法から感じる雰囲気って、人によって違うんだ、、、)

Mz
(……。)

Mz
(At、世界を征服したいって意思が強すぎて何も言えなかった)

Mz
(それに、オレの記憶と比べたら全然笑わないし、、、)

Mz
(他人の空似、って言った時のあいつ、辛そうだったな)

Mz
(今度会った時は、ちゃんと話をしないと、、、)

Mz
(それに、俺“達”って何だろう、?)

Tg
と、とりあえずブルーオーブ探しに行こっか、?

Ak
あっ、それもそうだね!!

Kty
Mzち、他にほこらがありそうなとこ教えてくれる?

Mz
りょーかい

ほこらの内部に入って魔物を倒しつつしばらく進んでいくと、
二手に分かれた道に出会った
Ak
これどっちに進めばいいのかなぁ?

Mz
まあ後から戻ってくればいいだろ

Mzちがそう言いながら左の道に進むと、そのポケットから
可愛らしい悪魔の刺繍がされたハンカチが落ちた
Kty
Mzち、ハンカチ落ちたよ!!

Mz
え、まじ?自分でとるわ

Mzちがハンカチを拾おうとこちらに少し引き返すと、
途中で何かに阻まれたような様子を見せる
Mz
!?

Mz
これ、一回道決めたらひと段落つくまで引き返せない感じかも、、、

Tg
嘘ぉ!?

Ak
それじゃあ片方に4人で行くより二手に分かれたほうがよさそうだね

Kty
この中で連絡魔法を使えるのはMzちと王子だから、
そこの2人は分かれた方がいいかも

Mz
じゃあAkとKtyがどっちに行くかだな

Ak
!!

Kty
!!

Ak
(これ、もしかしてTgちゃんとKtyちを2人きりにするチャンス!?)

Kty
(国王陛下の命令の実行に一歩近づくかも、、、)

Kty
(本当は嫌だけど、、、仕方ないよね)

Ak
オレMzちと一緒がいいからTgちゃんとKtyちで行きなよ!!

Kty
え

Kty
いやいやここはAkと王子じゃないっ!?

Ak
ほらオレとTgちゃんよりKtyちとTgちゃんの方が連携取れるし!?

Kty
だからこそ経験を重ねるべきだと思うなっ!!

なかなか国王陛下の命令に忠実なKtyちにオレが苦戦していると、
Mzちが呆れたように言う
Mz
何だこれ

Ak
(Tgちゃん、チャンスだよっ!!)

オレが目線で彼にそう訴えると、Tgちゃんは
オレの目的にちょうど今気がついたようだ
Tg
(Akが協力してくれてる!!)

Tg
あ、えと、Kty、、、

少し勇気を出すことにしたらしいTgちゃんは、
オレと話していたKtyちの服の裾をくいっと引っ張りながら彼に呼びかける
Kty
どうかしました?王子

Tg
お、おれっ、!

そこで言葉を詰まらせてしまったTgちゃんに、
オレは心の中で精一杯のエールを送る
Ak
(Tgちゃん頑張れっ!!)

Tgちゃんがチラッとオレの方を見たので、
応援してるよとKtyちにバレないようにジェスチャーをすると、
勇気を振り絞るかのように目をぎゅっとつむってKtyちに言った
Tg
おれ、Ktyと一緒に行きたいっ!!

Kty
!!

Ak
(よく言った!!!!)

Kty
……。

Tg
だ、だめ、?

Tgちゃんが寂しそうな顔でうるりと瞳をうるませながら
そう尋ねると、Ktyちはうぐ、と息を詰まらせて、
はぁ、とため息をついた後にこういった
Kty
わかりました、いいですよ、、、

Tg
やったぁあああぁっ!!

Ak
(よかったね、Tgちゃんっ!!)

Mz
それじゃあペアも決まったことだし、
Akはハンカチ回収してこっち来てくんね?

Ak
はーい!!

Tg
一緒に頑張ろうね、Kty!!

Kty
そ、そうですね、、、

Kty
(こんな感じで国王陛下の命令実行できるの!?)

Kty
(結局僕、Tgに甘いんだよなぁ、、、)

Kty
(でも、AkとTgが一緒にならなかったこと、
ちょっとホッとしてる、、、)

Kty
(僕、王宮騎士団長失格だよぉ、、、)
