蝋燭に火が灯る。 赤い炎を燻らし、ゆらりゆらりと揺れ動く。
暗闇の中に唯一の光源であるそれは、 顔の見えない青年を睨んでいる。
黒い蛇が目を吊り上げて 火の様子を見ている。
向こうで女が煙管で煙を作っている。 女の周りには椿の花弁が散り、 日本人形が放り投げられていた。
庭では狐が一匹、口に彼岸花を銜えている。
水面下に咲く染井吉野の根元では、少女が 唄を唄いながら手鞠をする。
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この場に不似合いの格好をした少女は、 飽きたように彼らの様子を見ていた。
日本は京の都を中心に、 妖怪を侍らせた。
しかしそこには強力な霊媒師や僧侶などが 居たため、妖怪達は羽を伸ばせなかった。
妖怪達は京の都を飛び出し、 奈良の大仏を抜け、 遂に東の都へ辿り着いた。
嘗ては飢饉を起こすほどの 災厄を齎した妖も、
今となっては人を驚かすだけの 都市伝説にまで成り下がった。
彼ら妖はこう語る。
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これは我らの復讐だと。
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そこでこの少女が呼ばれたのだ。
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蝋が溶け始めた。
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