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愛白

……

愛白

愛白

(まだ、帰ってこないの?)

愛白

(だ、大丈夫かな…)

愛白

(どうしよう、もし見つかってたら────)

ヒュウッ

ルイ

───よっ、……と

愛白

わっ?!

ルイ

悪ぃな

ルイ

人目を避ける為には、これが最善策だったんだ

愛白

び、びっくりした……

ルイ

で、お目当てはこれだろ?

愛白

────!!!

愛白

(まさか…)

愛白

イヴィ、さん……!!

イヴィ

……ご迷惑をおかけしました

イヴィ

大丈夫でしたか?

愛白

わ、私は、何とも無い…です…

愛白

…っごめんなさい……

愛白

私…また何も……!

イヴィ

愛白さん、見てください

愛白

…え?

イヴィ

私は何ともありませんし

イヴィ

愛白さんも作戦を考えてくれたのでしょう?

愛白

でも、ルイがほとんどで…

ルイ

まぁ、部屋に戻ったのは戦略的撤退だが

ルイ

俺は実行しただけだ

ルイ

アンタの言う通りにな

イヴィ

助かりましたよ、愛白さん

愛白

!!

愛白

とっ、とんでもない、です…

愛白

(少しは……役に立てたんだ)

愛白

(…よかった)

愛白

……あ

愛白

拘束されている間、何か会話しましたか?

イヴィ

そうですね、それからお話しましょう

愛白

──なるほど……

愛白

誰かに擦り付けられたみたいな……感じですか?

イヴィ

恐らくそうでしょう

ルイ

……というか

ルイ

脱出できたのはいいが

ルイ

どうすんだ?まだ犯人候補も決まってないぞ

愛白

……そう、なんだよね

イヴィ

各自疑っている人物はいますか?

ルイ

俺、イヴィとリタってヤツの対話を聞いてたんだが

ルイ

リタは違うと思うな

愛白

リタ?

愛白

(……初めて聞く名前だ)

イヴィ

3番隊の隊長、とのことです

イヴィ

愛白さんよりも年下ですね

愛白

えっ!!

愛白

年下……なんですか…!?

愛白

(少なくとも15以下ってこと…?)

イヴィ

えぇ、恐らく最年少クラスだと…

愛白

(…な、何か、置いていかれた気分……!)

愛白

でも、リタ…くんは違うってどういうこと?

ルイ

イヴィに協力的ではあったんだよな

ルイ

ドロシーに話をしてくれているみたいだ

イヴィ

そうですね

イヴィ

まだ幼い方……と言ったら失礼でしょうか

イヴィ

幼いなりに理解しようとしてくれているみたいですね

愛白

(…良い子なんだなぁ、きっと)

イヴィ

……埒が明かないですね

イヴィ

ルイさんの言うことが本当ならば

イヴィ

もう時間が無いのですが…

愛白

愛白

私、気になっている所があるんです

ルイ

お、何だ?

愛白

少し前に、私とルイが襲われた時

愛白

イヴィさんはどこに居ましたか?

イヴィ

えぇ、確か……

イヴィ

騎士団に今後の事を指示していたので

イヴィ

騎士棟ですかね?

愛白

騎士棟……

愛白

(確か、私がここに来て間も無い頃…)

愛白

(依頼を聞きに、騎士棟へ行ったよね……)

愛白

イヴィさんの話を聞いてみて

愛白

使用人倉庫が、やっぱり気になってるんですけど…

イヴィ

使用人倉庫ですか…

愛白

か、鍵、持っていますよね?

イヴィ

えぇ、ここにありますよ

イヴィ

必要ですか?

愛白

……はい

イヴィ

どうぞ

ルイ

すんなり渡すもんなんだな

愛白

愛白

ル、ルイ……

イヴィ

……大丈夫ですよ

イヴィ

それに、今は愛白さんに渡しておいた方が貴方も気が楽でしょう

ルイ

まぁな…

愛白

……

愛白

(イヴィさん、疲れてるように見えるけど)

愛白

(…それはそうだよね、革命だなんてしかもイヴィさんは側近だから…)

愛白

(…よし!)

愛白

イヴィさん

イヴィ

はい、どうかしましたか?

愛白

イ……イヴィさんは、少し休んでいてください!

イヴィ

えっ…休み、ですか?

イヴィ

私が?

愛白

はい!

愛白

……ルイも!

ルイ

お、俺もなのか?

イヴィ

ですが……

愛白

大丈夫です、何かあったら伝書鳩がそっちに行きますので

ルイ

……急にどうしたんだ?

愛白

ひ、秘密だよ…!

愛白

(私にだって……)

愛白

(いや、私だから出来ることが)

愛白

(きっとあるはず────!)

イヴィ

……そうですか

イヴィ

くれぐれもお気をつけて

愛白

はい!

ルイ

あ゛ー…

ルイ

(行っちまった…)

イヴィ

…愛白さんは

ルイ

イヴィ

前からあの様な方でしたか?

ルイ

いや…

ルイ

何なら俺が部屋出てくまで表情暗かったんだがな…

イヴィ

…何かスイッチが入ることでもあったのでしょうか

ルイ

…さぁな

ルイ

(無茶してんじゃねぇだろうな…)

ドンドンッ

愛白

───!!

まだ日が高い時間帯

マフラーを巻いた少女が1人、窓から顔を覗かせていた

愛白

(……だ、誰もいないよね…?)

愛白

あ……

するりと、足元を何かが通り過ぎた

愛白

(び……)

愛白

びっくりしたぁ…

愛白

(何だろう、猫かな…?)

愛白

(今、騎士の人達はどこにいるんだろ…)

愛白

(城中に散らばってる感じかな)

愛白

(だとしたら、今が調べるチャンスなはず……)

そう思いながら、足音をできるだけ消して、騎士棟の一室に入ろうとした時

……ピッ

この場所に似合わない、機械音が聞こえた

愛白

?!!

愛白

(えっ…何……?)

愛白

(か、監視カメラとかあるの?)

愛白

……

愛白

…無い……

愛白

(なら、何の音……!?)

当たりを見渡すと

1つの「機械」に眼が止まった

愛白

え……?

愛白

(もしかして、ここから───?)

それは「ザザザ」と不愉快な砂嵐の音を鳴らしていたが

段々と、「1つの声」に聞こえてきた

『……ザッ…あ……ー…』

『……ザッ……』

『───あー、あー、聞こえる?』

愛白

っ?!

愛白

(誰の声?!)

愛白

(わ、私に言ってるの…?)

愛白

(でも、通信中だったら喋っちゃいけないよね…)

『ザザ……ま……』

『…ザッ…愛白、返事してくれ』

愛白

え……

愛白

(その声は…)

愛白

る、ルイ…なの?

『……やっぱり、引っかかったね………ザザッ』

愛白

えっ…

愛白

(……どうしよう、罠だった!?)

『落ち着いて、僕は「リタ・ヴィルトス」』

愛白

リタ……

『イヴィ…サンから聞いたでしょ?』

愛白

あ!

愛白

(確か、最年少の…)

愛白

(3番隊隊長…!)

愛白

で、でも、声がルイだったんですけど…

『「これ」のこと?』

愛白

愛白

(イヴィさんの声…!)

『ボイスチェンジャーだよ、驚いた?』

愛白

わ、罠かと思いました…

『……と言っても、この場にはルイサンもイヴィサンもいるけど』

愛白

え、イヴィさん達も…ですか?

少し前のこと

ドンドンッ

ルイ

……

イヴィ

……

イヴィ

(……誰でしょうか…)

イヴィ

(ドロシー様だった場合、かなり困るのですが……)

僕だよ

──_「リタ・ヴィルトス」

イヴィ

イヴィ

……リタ様、ですか?

ルイ

開けてもいいのか?

イヴィ

えぇ、そうですね

ガチャッ

リタ

……ねぇ

リタ

…ここって、女子部屋……?

ルイ

…入ってきて早々にそれか

イヴィ

……許可はいただいていますよ

リタ

だからって……

ルイ

それで、何の用だ?

ルイ

ドロシーとはどうなった?

リタ

……許されたよ

イヴィ

……!

イヴィ

本当なのですか?

リタ

ただ、これを着けるようにだって

イヴィ

(手錠…)

リタ

本当は2個目持ってくる必要無かったんだけどね

リタ

ドロシーはそのまま解放したって思ってるから

リタ

……でも

リタ

誰かサンが壊したでしょ?

ルイ

あー

リタ

あれ、高かった……んですけど

ルイ

……そういう時もあるよな!

イヴィ

(開き直った…)

リタ

はぁ…

リタ

で、僕がここに来た理由だけど

リタ

愛白サンは今1人で調査でしょ?

イヴィ

何故それを……

イヴィ

…あぁ、監視カメラですよね?

リタ

そうそう

リタは小型のタブレットのような物を見せた

リタ

小さいけど監視カメラみたいな物が、城内には沢山あって

リタ

僕がその映像を管理してるんだ

リタ

だから、バレるようなことは無いよ

ルイ

そこに愛白が映っていたのか?

リタ

うん

イヴィ

(愛白さん…)

イヴィ

(観ていたのがリタ様で良かったですね)

リタ

倉庫でも調べるつもり?

イヴィ

はい、愛白さんがもう1度自分の目で調べておきたいとのことなので

リタ

じゃあ、僕が案内しないと、…ですよね?

リタ

倉庫なんて正面から行ったら直ぐに見つかっちゃうから

イヴィ

ふむ…そうですね

イヴィ

通話機能を使うのですか?

リタ

うん

リタ

まぁ見ててよ

『───って訳だよ』

『正面突破は難しいから、僕がここから遠隔で案内しようと思って』

『リアルタイムで、ね』

『伝書鳩には出来ない所業でしょ?』

愛白

…確かに、そうですね

『それじゃ行くよ』

『呉々も見つからないようにね』

愛白

は、はいっ!

愛白

……

愛白

(な、何ていうか)

愛白

(最近の子って、凄いんだな…)

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