深く、深く、溺れていく
上から太陽が、睨んでくる
水面を通して見る光に
目が焼かれそうになりながら
ただ、沈んでいく
深海に、引きづられていく
そうか、だから、だからなのか
だから皆、水に近づくなって
引っ張られるって、本当だったんだ
なんで、どうして?
ごぽっ、という音が聞こえた
……気がした
「お父さん!聞いて聞いて!」
「私、あいつを海に落としてあげたの!」
「だって、あんなに鈍臭い女」
「ここに要らない……でしょう?」
……何を、言ってるんだ、この娘は
あの、あの?あの子を?
あの、水に選ばれた子を?
……冷ややかな目で、見つめる
「……何を、したんだ?」
「どうして、そんなことを?」
「お前の醜い心のせいで、全員皆殺しだ…!」
「あの子は、水に愛された特別な子だったのに!」
「あぁ、水に、水に殺されるんだ」
「お前のせいで、水に殺される」
「水の愛を受けた子を、乱雑に扱ったから!!」
「お前の、お前のせいだ!!!」
コメント
3件
うわっ、「私」が海に落としたのは水に愛された子だったんだ……水に愛された子を海…即ち水の中に落とすなんて……😱😱 「あんなに鈍臭い女」ってセリフから「私」は水に愛された子を虐めてたのかな……?だから海に落としたけど、その代償が自分だけでなく全員が背負うことになるなんて…… 正直、「私」のせいで巻き込まれてしまう人々が可哀想……💦