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帰り道なのに、足取りが重い

鞄の中にある、シャットダウンを解除したスマホから発せられる通知音のせいだ

うるさい

やめて、うるさい

暇人なの?

暇ならその時間をもっと有意義なことに使ってよ

Arina

あ、釉亜ちゃん…

後ろから声がした

Youa

あ、確か1組の…村上さん?

Arina

うん

隣のクラスなんて、正直興味無い

でも、美男美女の集まりだってことだけ噂で聞いたことがある

お前もどうせ勝ち組陽キャでしょ?

青春しているんでしょ?

あんたが私なんかに何の用?

Arina

あのね、美鈴ちゃんがね…

Youa

Arina

あ、ううん、何でもない!

Arina

偶然合ったし…良かったら一緒に帰ろう?

断りたいけど、断れない

いや、断る権利なんて無い

Youa

良いよ、私で良ければ

Arina

良いの?ありがとう

最初は今すぐにでも断りたくて、逃げたくて堪らなかったけれど

話している内になんだか現実逃避できているみたいで楽しくなってきた

趣味も似ているし、村上さんもどうやら病んでいる仲間みたいで、話しやすかった

久しぶりに本当に一緒に居たいと思える人に出会えた

ピロン

ピロン

Arina

通知音大丈夫そう?

Arina

確認したければ良いよ!

Youa

いや、いいや!確認しなくていいや

Arina

そう?なら良いや!

相変わらず通知はうるさいけど…

でも、村上さんといる時間は楽しかった

Youa

ね、ねえ、良ければ連絡先交換しない?

Arina

良いよ!

仲良くなって、連絡先も交換できた

これで少しは通知も怖くなくなるかもしれない

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