莉犬side
俺達は、何度も何度も攻撃した
何十万といるアメリカ軍に向かって
みんな必死だった
莉犬
このっ…!
アメリカ軍
ぐあっ…
アメリカ軍2
うわぁぁあ!
莉犬
…!
心が痛かった
申し訳なかった
俺がやっているのは人殺しだ
この人が死んだら悲しむ人がいるのに
どうしてこんなことをしなくてはいけないのだろうと
何度も考えた
そして、何度も倒れていくアメリカ軍を見て言った
莉犬
ごめんなさい…ポロポロ
莉犬
次生まれてくるときは、どうか幸せに生きていください…
アメリカ軍が上陸してから数日
ついにアメリカ軍も本気になってきた
段々と島の内部に迫ってきており
俺達の地下陣地の出入り口となる穴に
兵士
うわぁぁああ!
兵士2
ぎゃあああああああ!
火炎放射器を放ったり、ガソリンを注ぎ込んで火を放ったりと、容赦ない攻撃を浴びせてきた
莉犬
み、みんな…!
莉犬
いやだ…死なないでよ…ポロポロ
栗林忠道
急いで奥に!1人でも多く生き残れ!
莉犬
っ…
莉犬
ごめんね…
開戦二週間
いよいよ島の大半をアメリカ軍に占領された
だが
栗林忠道
まだまだ!最後まで戦いぬけ!
兵隊たち
はい!
莉犬
了解!
俺達もわずかな小銃や手榴弾で応戦する
誰一人、諦めずに
そして、開戦から三週間
アメリカ軍の猛攻の前に残された日本兵はわずか400人余りとなる
それでも、栗林さんは俺達を一生懸命励ましてくれた
栗林忠道
まだだ!死力を振り絞れ!
兵隊たち
はい!
地下陣地の中は暑さで煮えくり返り
飲料用にドラム缶に蓄えておいた水も底をつきた
ついに開戦から36日
ついに俺達は完全包囲された
栗林忠道
いよいよ本当に最期だ…
隊員全員が己の死を覚悟する
莉犬
………
これで、最期
本当最期だ
もう弟たちの顔を見ることができないだろう
俺は
ちゃんとお兄ちゃんになれたのかな







