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ザザーン ザザーン…
足元に迫る 小さな波
今の僕には その冷たい水の感触さえ 心地よいものだ
ジョウタ
目を閉じる
まぶたの裏には いつも彼女がいる
無邪気に笑って 「じょーちゃんっ」 と僕を呼んでるんだ
ジョウタ
ジョウタ
ジョウタ
ジョウタ
ジョウタ
マリナ
ジョウタ
ジョウタ
マリナ
マリナ
ニコニコと笑い 手にはもう荷物を持っている
マリナはすっごく 海が大好きだった
…彼氏である俺よりも
マリナ
ジョウタ
海に向かって微笑むマリナ
あぁ、その顔は 俺以外に見せないでよ
…海にだって嫉妬してしまう
マリナ
ふと口を開いたマリナ どうせ、また海の事だろーな
くらい気持ちになりつつ 平常通り返事する
どんなに嫉妬していても マリナが海以上に 俺を愛せなくても
俺はこの生活が好きだったから だから壊すつもりなんて 全くなかったんだ
マリナ
ジョウタ
マリナ
マリナ
マリナの声さえも 聞こえなかった
聞こえるのはうるさい 波の音
ジョウタ
ジョウタ
マリナ
マリナ
ジョウタ
幸せそうに笑うマリナ
その笑顔は俺では作れない 多分、一生
ジョウタ
ジョウタ
マリナ
マリナ
ジョウタ
ジョウタ
マリナ
俺は彼女を海へ沈めた
マリナ
マリナ
ジョウタ
ジョウタ
マリナ
マリナ
どんどん弱くなる 俺を呼ぶ声
ジョウタ
ジョウタ
ジョウタ
ジョウタ
あぁ、やっと染まってくれたのか 俺に溺れてよ
でも彼女の溺れたのは 俺ではなく海でさ
冷たい風が頬を叩いてたな
息絶えて冷たくなったマリナは 海に包まれ とても美しかった
ジョウタ
ジョウタ
俺は海に向かって ボトルを投げた
俺の愛が詰まったボトルは
海を漂いだした
ユラユラと 俺の恋文、ちゃんと読んでくれよ?
この海は俺の全て この海は俺の彼女なんだから
ジョウタ
俺は海に口付けする
ジョウタ
翌日、サンダルと 流れ着いたボトルだけが この世に残された
❦ℯꫛᎴ❧