六年前に、突然なんの前触れもなく、大好きだった両親を私は、失ってしまった。 七百名以上が、犠牲になった、凄惨極まりない新幹線の、脱線事故によって。私は、その事故の、唯一の生き残りだった。
お母さん
まだふてくされてるの?柚月
お父さん
どこにおとしちゃたんだろうね?
柚月
分かんない
お母さん
駅におとしちゃったんじゃない?
柚月
でもかわいかったのに
お母さん
そんなにおちこまないのせっかくバタフライの部で準優勝したのに。六年生ばっかりの中、五年生の、柚月が、二番になったなんてすごいよー?
お父さん
よし、じゃあ分かった
お父さん
横浜についたら、なんか欲しいもの買ってあげるよ
柚月
え.....本当!?
お父さん
うん準優勝のご褒美ね
お母さん
ちょと!パパはいつも柚月を甘やかしすぎよ!!
お父さん
いいじゃんかー柚月も、水泳がんばったんだし
柚月
そうだよー、ちゃんと私をお祝いしてよー
お母さん
もうあんたたちは、しようがないわねーー
次の瞬間体か、ふわりと浮いたとおもったら、ジェットコースターのようないきよいで、急落下してる感覚におちいった周りから、悲鳴のような声も聞こえてきた新幹線のなかの記憶は、ここまでこれ以上は、なにがあったのか、思い出せない
好評なら続きます。(。・ω・。)