テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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銃口の先のエンディング

第60話 - 国

350

2024年09月17日

#一次創作

#ファンタジー

#冒険

#殺し屋

#人間関係

#日常

四阿朧

アメリアは未知の国に入る可能性に考慮して、その日から訓練を始めた

メラ

もう離れて3日経ったけど…全然連絡ないね

アメリア

ま、迂闊に手は出してこないんだろうな

アイザックとミュールが戦っているところを見ながら2人はぼうっと実のない話をしていた

メラ

それにしても…なんで毎回負けちゃうの！

アメリア

まあそうだな、私に敵うにはまだまだだろう

アメリア

私にお前の技量が分かる時点でな

メラ

はぁ〜…

一方アイザックはゆるゆると"偽物の"剣を振り回していた

アイザック

（もう飽きてきたな…）

アイザック

（そもそも訓練用に偽物の凶器を作るとか…どんだけやらせたいんだ）

アイザック

（俺はアメリアに勝ちたいとは思ったけど…別にこんなことがやりたいんじゃないし）

アイザック

（こんなのほとんどチャンバラごっこだ）

ミュールが投げた偽手榴弾に向けて偽短剣を投げ、スパンと切る動作をする

アイザック

（そしたら空で爆発するから…）

アイザック

（…花火みたいできれーだろーなー…）

アメリア

ミュール、変わるよ

アイザック

！

アメリア

お前は本当にやる気の加減が分からん

アメリア

ヴァイパーと戦ったときでも想像したらどうだ？

アメリアで鼻で笑われ、ぼーっとその当時のことを思い浮かべた

アイザック

（…でももう勝ったしなー）

アイザック

（でも…たとえばもしアメリアが───）

そこでとある想像が浮かぶ

アイザック

（…殺すつもりで、いいんだっけ）

アイザックは備えていた偽の剣たちをバッと投げ落とした

アメリア

はっ？

アイザック

（テヘル、俺────）

アイザック

…いくよ

アイクは素早く、アメリアに向かって拳を突き出した

アメリア

！

アメリアはやっとの思いでそれを避ける

アメリア

お前あっぶねえなぁ！いきなりどんな戦い方───

アイザック

…チェックメイト。

アメリア

は、？…！

アイザック

剣はあれで全部じゃないよ

アイザック

油断したね

ぐにゃりと、アメリアの腹部に当てられた偽物の剣が歪んでみせる

アイザック

フクブダイドーミャク。ここもすぐに死ぬところ。

アイザックはアメリアの腹部から、徐々に視線だけを上げていく

アイザック

（アメリアの悔しがる顔────）

しかし、ちらりと髪の隙間から覗き見えるアメリアの表情は思っていたものとは違う

アメリア

油断したよ。

ハッとして顔を上げると、アメリアは笑っていた

アイザック

…なんで…笑ってんの？

アメリア

いや…っはは！ふふふ、訳わかんねえ

アメリア

何、いきなりやる気出してんだ

アメリア

さすがに負けたよ。ははっ

アイザック

…なんか……全然スッキリしない………

アメリア

いや、悔しいよ。反応できなかった自分を省みてる。強いよお前はやっぱり

アイザック

…

アイザック

…はぁ…まあいいや。

メラ

アイザックすごーい！

アイザック

わ、びっくりした

ミュール

すごかったですよ。いきなり空気が変わって…驚きました

アイザック

うーん…？そーかな

アメリア

ま、とりあえずはアイザックはこのままでもいいかもな

アメリア

ギャップがあるほうが…反応が遅れるしな

アイザック

ふーん…なんでもいいけど

アイザック

アメリアの依頼の方は大丈夫なの？

アメリア

ま、これまでの貯蓄ってやつだ

アメリア

それに次の仕事に取り掛かるならやっぱり和国へ向かわなきゃいけなくなる

アイザック

和国ね…そんなやばいの？

ミュール

和国は万全の体勢で向かいたいですね

ミュール

それに…和国へ向かう途中あたりに、たしかあの"国"もありますから

アイザック

そりゃ大変だ

メラ

じゃ、いっぱい練習とかお話とかゆるっと待ってたらいーんだね！

アメリア

通りかかったターゲットは殺していこう

アメリア

和国から出てやってくる可能性はあるからな

アイザック

ていうか…和国っていうのは国じゃないの？

アメリア

？ああ、たしかに

アメリア

地区名としてしか…。気にしたことなかったな

ミュール

地区名ですよ

ミュール

和国もまたシャーズドウムらしくないのでそう思われがちですが

ミュール

むしろ王家ととても関わりの深い土地です

メラ

へー、知らなかった

アイザック

ふぅん、そうなんだ

アメリア

でも変な感じだな、王家と繋がり深い和国の近くに

アメリア

反乱を企てるようなやつらの国があるなんて

メラ

うーん…？ていうか、そういうのって規制できないものなんですか？

ミュール

一応この国の法ではオーケーになっちゃってますからね

ミュール

ギリギリを突いてるという感じですが

アイザック

物知りだね

ミュール

いえ…

アイザック

でもアメリア、昨日資料読んだけど、資料にあの国の人はいなかったよ

アメリア

意外にもな…いると思ってたからその前提で話してたよ

アメリア

だからまあ、余裕がなければ革命派は放っておくことになる

アメリア

ギリギリで王族と牽制しあって均衡を保ててるなら

アメリア

来年のことは王族でどうにかできる自信があるんじゃないか？

メラ

ならいーね。さすがに怖いよ、国相手は

アイザック

怖いの？

ミュール

どうしても規模が大きくなってしまいますからね

ミュール

そこを支援する他の大きな国などとの国際問題にもなりかねません

ミュール

まだ何も起こしてないから、駄目なんですよ。下手に攻撃してしまっては

アイザック

起こされてからじゃ遅いのにね

メラ

あっちから襲われたらヤバいもんねー、メラたちも。

アメリア

そーゆーことだな

アメリア

…ライアンが

アメリア

資料が"証拠"になることを避け、私たちに他の形で働きかけるなどと…

アメリア

していなければ、いいのだが。

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確かに手榴弾が空に飛んで爆発したら花火みたいで綺麗だろうな……🤭🤭 「ヴァイパーを殺すつもりで」と考えただけであんな凄技…しかもアメリアさんに一撃を加えるなんて……やっぱりアイザックくんにとってテヘルくんの存在は大きいんだろうなあ……💭 うーん、国のことを考えるといろいろと厄介事は避けたいよね……とはいえ、アイザックくんの言う通り何か起きてからだと遅い気もするし……うわあ、難しい……

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