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颯太
なぁ、裕翔
裕翔
ん？
颯太
心霊スポット行かねぇ？
裕翔
なんだよ急に
颯太
最近噂になってる所があるんだって
美春
あ、それ知ってる！
美春
女性の幽霊が出るってとこでしょ？
颯太
それそれ
美春
行ってみた〜い！
裕翔
はぁ？
颯太
何、怖いの？w
裕翔
怖くねぇし！
颯太
じゃあ行くよな？
裕翔
分かったよ！行くって！！
亜子
なに面白そうな話してんの？
颯太
今夜心霊スポット行くんだよ
裕翔
今夜かよ
颯太
近いから大丈夫だって
裕翔
はぁ……
亜子
心霊スポット、私も行っていい？
亜子
興味あるんだよね
美春
亜子も一緒だと安心だ笑
美春
男二人じゃ何されるか分かんないしね
裕翔
顔面偏差値上げてから言えよ
美春
ひどっ！
颯太
じゃあ、今夜7時に駅前集合な
亜子
はーい
颯太
遅刻すんなよー
夜7時
裕翔
……で、集まったけど
裕翔
一体どこまで行くんだ？
颯太
XX町だよ
裕翔
……え？
颯太
えって、お前の実家あるとこだろ？
裕翔
いや、そうなんだけどさ
美春
ねぇ、その心霊スポットって山？家？どっかの廃墟？
颯太
家だよ
颯太
なんでも5年前、俺らと同い年の女の子が自殺したらしい
颯太
その後、親も引っ越してその家には誰もいなくなったんだけど
颯太
夜な夜な声がしたり、物音がしたりするらしいよ
亜子
へー……でもなんで自殺なんか
颯太
『いじめ』
美春
何それ！最悪じゃん！！
颯太
まぁな
颯太
だから、今でもそのいじめてた奴を探すために成仏してないとか何とか言われてる
颯太
取り敢えず行ってみようぜ
裕翔
ご、ごめん
裕翔
俺、なんかお腹痛くなってきたから帰っていい？
颯太
はぁ？嘘つけ
颯太
怖くなったんだろw
裕翔
……そういう訳じゃないけど
颯太
じゃあ来いよ
裕翔
……分かったよ
15分後
颯太
着いたぞ
美春
めっちゃ近いね
亜子
ワクワクする〜
颯太
ちょっとは怖がれよw
颯太
裕翔、早く車から出ろって
美春
そうだよ〜
亜子
やっぱ怖いんじゃん？
美春
置いてくよ？笑
裕翔
……はぁ
裕翔
今行く
美春
入ったのは良いけど、心霊スポットっぽくないね
亜子
ホコリ被ってるけど、変にボロボロなわけじゃないし
颯太
まぁ、5年前だしな
颯太
でも夜だし雰囲気はあるだろ
美春
まぁね〜
裕翔
……おい
颯太
何だよ？
裕翔
ちょっとおかしくないか？
美春
何が？
裕翔
この家には誰もいないんだよな？
亜子
いるわけないじゃん
裕翔
じゃあなんで
裕翔
玄関に靴があったんだよ
美春
え？
颯太
知らねぇよ、置き忘れてったんじゃねぇ？
亜子
ちょっと見に行ってみる？
亜子
もしかしたら見間違いかもしれないし
裕翔
ああ
美春
……本当だ
颯太
しかもこれ、ローファー？
裕翔
ますますおかしいだろ
裕翔
普通、娘の形見置いてくか？
亜子
……ちょっと見てよ
亜子
この投げ出されてるスリッパ
亜子
さっき出されたみたいに新品
亜子
それに
亜子
4セットある
颯太
やばくね？
美春
出ようよ、怖い
美春
って、あれ？
颯太
どうした？
美春
開かない！
亜子
鍵は？
美春
掛かってない！
美春
開かない！開かない！
裕翔
落ち着けって
美春
落ち着けるわけないじゃん！
美春
だったらあんたが出口探してきてよ！
裕翔
はぁ？
美春
早く！
裕翔
分かったよ……颯太、そっち見てきてもらっていい？
裕翔
俺、この奥の部屋見てくるから
颯太
分かった
裕翔
亜子は美春のこと見てて
亜子
うん
裕翔
じゃあ、また後で
裕翔
……はぁ、何でこんなことに
裕翔
こんなとこ、絶対来たくなかったのに
裕翔
何でこんな……
?
何でだろうね
裕翔
！？
?
本当に、何でこんなことになっちゃったのかな
裕翔
誰だ
?
ねぇ、誰のせい？
?
こんなことになったのは
?
女の子が自殺して
?
その親も引っ越して
?
ここが心霊スポットになったのは
?
誰のせい？
裕翔
知らねぇよ！
?
ねぇ、本当に？
?
本当に知らないの？
裕翔
知らない！
?
へぇ
?
じゃあもう
凜咲子
『凜咲子』のことなんてどうでもいいんだね
凜咲子
いじめたくせに
凜咲子
主犯格だったくせに
凜咲子
毎日毎日悪口言ったのは誰？
裕翔
知らない
凜咲子
水をかけたのは？
裕翔
知らない
凜咲子
蹴ったのは？
凜咲子
殴ったのは？
裕翔
知らない知らない知らない！
凜咲子
知ってるだろ
凜咲子
凜咲子の物とったり、万引き強要したり、挙句の果てには学校の2階から突き落として
凜咲子
ねぇ、何で死んだと思う？
裕翔
……
凜咲子
突き落とされたあの日から私、右半身麻痺しちゃったの
凜咲子
何をするにも右側が邪魔
凜咲子
笑顔だって作れない
凜咲子
こんなんじゃ、結婚どころか就職まで絶望的
凜咲子
だから死んだの
凜咲子
ねぇ、ここまで追い詰めたのは誰のせい？
裕翔
……
凜咲子
でも良かった
凜咲子
ここで待ってて
裕翔
……は？
凜咲子
私ね、死んだあの日からずーっと思ってたの
凜咲子
あなたにも味わって貰いたいなって
凜咲子
『首吊りの辛さ』
裕翔
え……
凜咲子
苦しいんだよ？
凜咲子
じわじわ息が出来なくなるの
凜咲子
そしてだんだん意識が遠のいて
凜咲子
足掻いても足掻いて無駄で
凜咲子
ねぇ、味わってみたいでしょ？
裕翔
やだ……嫌だ
凜咲子
そんなこと言わないで
凜咲子
首のところ見てみなよ
裕翔
ひっ……！
凜咲子
準備はできてる
裕翔
やめろ……やめろ……
凜咲子
裕翔くん可愛いね
凜咲子
泣きながら助けを求めてる
凜咲子
ねぇ、私もたくさんやめてって言ったんだよ？
凜咲子
それを無視したのは誰？
裕翔
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
凜咲子
許さない
凜咲子
絶対に許さない
凜咲子
お前も私と同じ苦しみを味わえばいい
凜咲子
地獄に落ちろ
少女1
ねぇ、ニュース見た？
少女2
見た見た！
少女2
1人死んでて、3人は右半身重傷だったんでしょ？
少女1
やばいよね〜
少女2
ねぇ、あそこってうちらがいじめてた子の家だよね？
少女1
……ちょっとだけ、見に行ってみようか
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
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