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澄み渡った青空の中に、雲が一つ、ぽっかりと浮かんでいる。

それが犬に見えて、なんだか仲間みたいと思う。

(ミユキ、来ねーな…。)

いつもの時間になってもミユキが来ない。

(どうしたんだ…?)

俺が心配していると、奇妙な声が聞こえた。

???

あー…うー…

声のする方を向くと、男が四つん這いで歩いていた。

(主婦が噂してた男か…)

(まてよ、あの男…)

溢れ出る既視感。

俺はあの男を、知っている…?

(いや、知ってるどころか、あれは…!)

記憶のパズルに色が付き、組み立てられて行く。

失われた記憶が元に戻っていく。

(あれは、あの顔は…!)

記憶が完全に戻る。

(俺だ…)

俺の名前は犬峰涼太。

この町に引っ越して早3年。

夜桜

ワン!

俺の横で鳴く犬は夜桜。

中学の時にまだ子犬だったこいつを拾った。

以来、俺にとって夜桜は相棒のような存在になった。

ある日、夜桜と散歩していると、たまたま高校時代のクラスメイトと再会した。

あれ!?山田!

山田

ああ!犬峰君!

夜桜

ワン!

山田

あー!夜桜も久しぶり!

大人になった山田は、より一層美人になっていた。

な、なんか…大人っぽくなったな。

山田

そりゃもう大人だもん。

…で、もう大丈夫なのか?

山田

うん。心配してくれてありがとう。

山田

もう親とは縁切ったし、会う事も無いよ。

そうか、良かった。

山田

えへへ、実はね、犬峰君。

ん?なんだ?

山田

私、彼氏出来ちゃった。

お、おう。そうか…。

何故か少し悲しくなった。

(そうだ。幸せそうでよかったじゃないか。)

(なのに、何で…)

(悲しくなるんだ…。)

山田

その人、すごく優しそうだったの!

そう言って笑う、優しい顔が目に焼き付いて離れなかった。

雨が降っている日だった。

また夜桜と散歩していると、男の怒鳴り声が聞こえた。

この前、男と話していただろ!

あいつは誰だ!?

怒鳴られていたのは…

山田…!?

山田

あの人は、高校の同級生よ。

山田

ただの友達。

(あいつが彼氏か…)

(全然優しそうじゃねーじゃねぇか!)

俺以外の男と喋るなって言ったよな…!?

山田

でも…

でもじゃねぇっ!

ドカッ!

!!!

山田

うう…

いいか!?俺以外の男と喋るな!たとえ友達でもな!!

山田

…ごめんなさい。

分かればいい。

お前が山田の彼氏か?

俺は無意識に男に声をかけていた。

ああ!?

誰だお前!?

山田

犬峰君…!?

俺はさっき言ってた高校時代の友人、犬峰涼太だ。

本当に山田を愛していたらそんな事はしないんじゃないんですかぁ?

ああ!?なんだよその言い方!

この野郎!

おっと!

俺は男のパンチをすんでのところでかわした。

なかなか荒っぽいことして来ますねー。

元暴力団ですか???

舐めた口聞きやがって…!!

俺と男は取っ組み合いになった。

山田

やめて、犬峰君!

山田

彼は、本当は優しい人なの!

山田

私が悪いの!だから…

本当に優しかったら彼女に暴力振るわないっつーの!

…あっ!足が滑って…!

俺は足を滑らせて近くにあった階段から転げ落ちた。

しかも、夜桜も巻き込まれて…。

男は寸前で俺の体を離していた様で、階段から落ちる事はなかった。

山田

犬峰君!!!

へっ!ざまあみろ!

さ、行こう。

山田

でも、犬峰君が…

んー?なんだって…?

山田

あ…

山田

…何でもない。

山田

行こう。

や…まだ…。

俺の意識はそこで途切れた。

〈とある少女の話〉

私はあの後、アパートを借りて一人暮らしを始めた。

最初の方は大変だったが、ご近所さんの助けを借りて、何とか生活していけた。

犬峰君は私の事を気にかけてくれていたようで、しょっちゅう会いに来てくれた。

それから数年後…

職員

えー、名前の変更の許可が出ましたのでご報告します。

職員

希望する新しい名前は…

職員

「美雪」でよろしかったでしょうか。

天使(えんじぇる)

はい!

私は今日から「山田美雪」になる。

そして、新しい人生を歩む。

前を向いて進もう。

もう、親の言いなりになんかならない。

目が覚めたら犬になっていた

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