澄み渡った青空の中に、雲が一つ、ぽっかりと浮かんでいる。
それが犬に見えて、なんだか仲間みたいと思う。
俺
いつもの時間になってもミユキが来ない。
俺
俺が心配していると、奇妙な声が聞こえた。
???
声のする方を向くと、男が四つん這いで歩いていた。
俺
俺
溢れ出る既視感。
俺はあの男を、知っている…?
俺
記憶のパズルに色が付き、組み立てられて行く。
失われた記憶が元に戻っていく。
俺
記憶が完全に戻る。
俺
俺の名前は犬峰涼太。
この町に引っ越して早3年。
夜桜
俺の横で鳴く犬は夜桜。
中学の時にまだ子犬だったこいつを拾った。
以来、俺にとって夜桜は相棒のような存在になった。
ある日、夜桜と散歩していると、たまたま高校時代のクラスメイトと再会した。
俺
山田
夜桜
山田
大人になった山田は、より一層美人になっていた。
俺
山田
俺
山田
山田
俺
山田
俺
山田
俺
何故か少し悲しくなった。
俺
俺
俺
山田
そう言って笑う、優しい顔が目に焼き付いて離れなかった。
雨が降っている日だった。
また夜桜と散歩していると、男の怒鳴り声が聞こえた。
男
男
怒鳴られていたのは…
俺
山田
山田
俺
俺
男
山田
男
ドカッ!
俺
山田
男
山田
男
俺
俺は無意識に男に声をかけていた。
男
男
山田
俺
俺
男
男
俺
俺は男のパンチをすんでのところでかわした。
俺
俺
男
俺と男は取っ組み合いになった。
山田
山田
山田
俺
俺
俺は足を滑らせて近くにあった階段から転げ落ちた。
しかも、夜桜も巻き込まれて…。
男は寸前で俺の体を離していた様で、階段から落ちる事はなかった。
山田
男
男
山田
男
山田
山田
山田
俺
俺の意識はそこで途切れた。
〈とある少女の話〉
私はあの後、アパートを借りて一人暮らしを始めた。
最初の方は大変だったが、ご近所さんの助けを借りて、何とか生活していけた。
犬峰君は私の事を気にかけてくれていたようで、しょっちゅう会いに来てくれた。
それから数年後…
職員
職員
職員
天使(えんじぇる)
私は今日から「山田美雪」になる。
そして、新しい人生を歩む。
前を向いて進もう。
もう、親の言いなりになんかならない。
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