飛鳥先生
血を出して欲しいの
律
えっ…
燈弥
は…
飛鳥先生
別に変なことに使うわけじゃないのよ!?
飛鳥先生
記憶と能力を甦らせるために必要なの
飛鳥先生
と言っても小さじ1杯位だけどね
律
なんだそういう事か
燈弥
なんか呼び出して使役するのかと思った
燈弥
俺らを囮にさせて
飛鳥先生
それも出来なくはないんだけど時間が無いし
飛鳥先生
それにそろそろいい時期かなって
飛鳥先生
今ぐらいの年齢までに思い出さないと後遺症が残る可能性があるからね
飛鳥先生
まぁ後遺症と言っても吸血鬼だったら日光が苦手になるとか位だけどね
飛鳥先生
今の年齢がもし後遺症が出ても後遺症のある暮らしに慣れるギリギリの期間だから
飛鳥先生
鬼はほとんどないわね
飛鳥先生
今までに聞いてるのは喋り方が変わったとか腕力などがとても強くなったとか、大したことないけど
飛鳥先生
ちなみに2人は今まで前世について何かあった?
飛鳥先生
夢で前世の名前が出てきたとか
飛鳥先生
今まで使えなかった能力が1回だけ使えたとか
律
そういえば夢で酒呑童子って呼ばれたことが…
燈弥
俺も先週いきなり木刀がバッキバキに折れたな
飛鳥先生
それっていつのこと?
律
先々週位かな
飛鳥先生
ならちょうどいい時期ね
飛鳥先生
回復もしてもらった事だし急ぎますか
飛鳥先生
私が方法を言うからその通りにやってね
飛鳥先生
まず血を出して
飛鳥先生
牙がないから首筋を噛むことは出来ないから指か腕を律さんの髪で傷をつけたら?
飛鳥先生
燈弥くんに治してもらえるでしょ?律さんが両方すると大変よ
飛鳥先生
ちょっとチクッとするぐらいでいいのよ。むしろ出しすぎちゃダメよ
燈弥
はい
律の髪で傷を付けた
律
痛っ
飛鳥先生
次は互いの血をそこのおちょこに入れて飲んで
燈弥が治す
律
ありがと
飲んだ
律
う"っ!
燈弥
ガハッ!
燈弥
…
律
…
飛鳥先生
…大丈夫?
律
大丈夫じゃ。我らはそんなに弱くはない、そうじゃろう嶽さま
燈弥
ああ、それにこいつらも多少は鍛えておるようだしな
飛鳥先生
その口調…大嶽丸様と酒呑童子様でございますか?
燈弥
ああ、
律
そうじゃがお主は?
飛鳥先生
失礼いたしました。私は廻道飛鳥
飛鳥先生
廻道家の18代目当主でございます
燈弥
妖術の廻道か!まだ続いておったか
律
そういえば我らが死ぬ少し前に廻道のやつが子が生まれるとほざいておったな
律
お主であったか!この娘が世話になっとるのぉ
飛鳥先生
ありがたきお言葉
燈弥
別に正式な場じゃないんだ。そんなにかしこまらなくても良いぞ
律
それにしてもなぜ魂蘇(こんそ)の術を知っているのじゃ?
律
いくら廻道の者とて知らんはずじゃが
飛鳥先生
校長に借りたのです
飛鳥先生
我が校の校長はぬらり家のご隠居。名を来源(らいげん)という者ですがご存知かと
燈弥
来源…あの小賢しいガキか!
燈弥
俺は魂蘇の術については何も教えとらんはずだが…
律
ぷっアッハハハハハハ
律
あの小僧やりおるのぉ!
律
紙に書いておると思ったがちゃっかり本にしておるとわ思いもよらんかったわ!
燈弥
ということは吞が教えたのか!
燈弥
あれは禁忌の術なのだぞ!
律
すまないな!だがそのおかげで我らが蘇られたのだ、そのくらい見逃してくれてもよかろう
飛鳥先生
魂蘇の術は禁忌の術なのですか?
律
そうじゃ。なんせ代償が重い時には重いからの
燈弥
といっても大したことは無いがな
飛鳥先生
と、いいますと?
律
なに、甦させる魂と肉体で力の差が大きすぎるとその肉体は刻まれてしまうだけじゃよ
飛鳥先生
代償デカ!
飛鳥先生
酒呑童子様方は大丈夫なのですか?
律
大丈夫じゃよ。我らの場合はこの娘が生まれた時から魂が宿っておったからの
燈弥
人格もはっきりしていたから簡単に言ってしまうともうひとつの人格を呼び起こしただけに過ぎんからな
律
して、なぜ我らを蘇らせたのだ?
飛鳥先生
…人間に襲われているのです
律
それは知っておるが…
飛鳥先生
人間どもが吸血鬼らしき奴を使役しており勝てないのです
燈弥
吸血鬼…
律
確か何度か戦ったことがあるわ