コメント
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蜜柑さん 続き、ありますよ〜
アイリス ありがとう笑
テーマが奇病のもいいですね 続き、待ってまーす!
「お前、可愛いな」
挨拶代わりみたいな言葉だった
「ふふっ、それ本当? 」
ケタケタと笑いながら 聞く彼女
「本当だよ」
そう言って頭を撫でるのが
顔を合わせた時の お決まりだった
あの日までは
俺
俺はいつものようにそう言った
星来
薄く笑って返す彼女
俺
そっと頭を撫でようとすると
星来
星来
俺の手を拒んで
星来
星来
いたずらに
そっと笑って
拒んだ手を握られた
俺
会ったときから 違和感はあったけど
何処か悪そうには とても見えなかった
星来
星来
淡々と放った言葉には
少しも弱さが感じられなくて
つい、抱きしめてしまった
星来
星来
そっと背中に当たる 彼女の手は
小刻みに震えていて
何処か切なさを感じた
俺
俺
星来
そう彼女が言った途端
フッと彼女の体温が 無くなるのを感じた
背中に当てられていた手が 滑り落ちて
だらしなく垂れ下がった
俺
こうして
俺は死期病の恐怖を悟った
星来
俺
俺
ゆっくりと目を開けた彼女
その目に眠気などは 一切無くて
新生児のような美しい 瞳をしていた
星来
俺
星来
星来
あえて言葉を遮ると
切ない顔をされたので
返す言葉に困った
俺
星来
星来
つぶらな瞳で
柔らかく笑う彼女
俺
サラサラの艶やかな髪を
割れ物を触るように
用心深く撫でた
星来
聞き慣れた会話が
ひどく懐かしく感じた
続く