解説
その週の運勢と、悩みに応じたおまじないを教えてくれるアカウント。
一見普通の占い師のようだが、瑠璃蝶様のおまじないには裏がある。
瑠璃蝶様が真奈に教えた占いとおまじないは、全て一歩間違えば事故に繋がりかねない危険なものなのだ。
「目標達成のおまじない」 真奈はこの時森の中でオレンジジュースを飲んでいた。
教えられたラッキーアイテムは「フローラルなサシェ」と「黒い服」
これらは、山や森林に身につけて行ってはいけないものの一つである。
花の香りのするものや黒いものには、 スズメバチなど毒をもつ危険な虫が 寄ってきやすい。
オレンジジュースも同様だ。
特に缶のものだと、目を離した隙に中に虫が入り込み、そのまま持ち帰ってしまったという事例もある。
さらに、真奈がおまじないを実行した時期は「中間試験後」「夏休み前」なので5月ごろ。
ちょうど蜂が巣作りをする時期、働き蜂が一気に増えて危険になるタイミングなのだ。
「意思表示のおまじない」 カーテンに抱きついて話しかけるだけの内容にも見える。しかし、瑠璃蝶はこの時、わざわざアルコール消毒を促している。
近年、感染症対策のためあらゆる場所で利用されているアルコール消毒液。
取り扱いによっては引火の可能性があるため、消防署が注意喚起している。
消毒用として使われる濃度60%のものでも、引火点25〜26℃ほど。
直射日光の当たる場所であれば、小さな火花一つで発火する可能性があるということだ。
真奈はラッキーアイテム「ナイロンジャケット」を身につけていた。
一般的に、ほとんどのカーテンはポリエステル素材を用いている。
そして、ナイロンとポリエステルは、最も静電気を発生させやすい組み合わせなのである。
おまじない通りカーテンに顔を埋めている時に、静電気による火花が燃えあがったら………
「相手の気を引くおまじない」 わざわざ「高速道路の街路樹の枝」を持ってくるよう指定したのは何故か。
地域差はあるが、高速道路の街路樹には「キョウチクトウ」という植物が広く用いられている。
これは、キョウチクトウが車の排気ガスに強い性質を持つからだ。
しかし、キョウチクトウにはもう一つ特性がある。
枝葉の部分に猛毒を持っているのだ。
実際に、キョウチクトウの枝を用いてバーベキューをした観光客が、煙を吸って中毒死した事例もある。
部屋の中で、誰にも聞かれないようドアや窓を閉め切り、猛毒の枝が燃え尽きるまで側にいたら……
「瑠璃蝶のおまじないアカウント」 このおまじないも占いも出鱈目なのである。
このアカウントは、課金した利用者の恋敵におまじないと称して危険な行動を繰り返しとらせ、
いつか大怪我や死に至るよう仕向けるためのものだった。
当然、あかねもそれを知っていて 真奈に勧めたのだろう。
「瑠璃蝶様」のアイコンは ロベリアの花。
ロベリアの別名は「瑠璃蝶草」 そして、その花言葉は……
「悪意」
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