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銃口の先のエンディング

第10話 - 王子と側近

237

2024年05月17日

#一次創作

#ファンタジー

#冒険

#殺し屋

#人間関係

#日常

四阿朧

ステイシー

……フン、全然まったくいらねーよ、俺は人間の肉と魂が喰いてえんだ

ステイシー

アンタとかな。

なにか癪なので、ステイシーは精一杯強がった

もっとも、そんなことをしていられるレベルの空腹ではなかったのだが。

ライアン

…ほお

ライアンは初めて、にやりと笑みを見せた

ライアン

食べないなら捨てるか

ライアン

おいお前、捨てていいぞ

ステイシー

！？

ステイシー

（コイツ…！いや、さすがに捨ては──）

かしこまりました

ステイシー

（…へ、え、えーーーっ）

ライアン

人間の肉より魂より、こっちの方が上質だろう

ライアン

ま、俺はいらんが

ライアンはゴミを見るような目で、それを眺めた

ライアン

このレベルの肉はなかなか食べられないだろうな

ステイシー

っ喰う！喰います！喰わせてください！！！！

ハグハグと、ステイシーが肉を貪る間中、ライアンは頬杖をつきながら眺めていた。

ステイシー

（うんま…！）

ライアン

うまいか？

ステイシー

ああ！

ライアン

だろうな

ライアン

俺は嫌いだが

ステイシー

知らん！

ライアン

…また食いたいレベルか？

ステイシー

おう！

ライアン

またやると言ったら来るか？

ステイシー

はい！

ライアン

じゃあ俺に生涯忠誠を誓え。

ステイシー

もちろん！

ステイシー

…なんて？

ライアン

よし

ステイシー

………はっ？

アメリア

…終わり？

アメリア

言質取られただけなら逃げりゃいいだろ

ステイシー

…知らないんですか？王族との約束は"契り"…つまり、破ることのできない契約なんです

ステイシー

まあ、俺はそもそも逃げたってあてはないんですけど

アメリア

…は？待て

アメリア

え、じゃあ私ももうもしかして依頼を断れないのか？

ステイシー

そうなります

アメリア

アイツ…！よし、一緒に殺害計画を練ろう

ステイシー

そうしましょう

アメリア

…というか、自分を殺そうとした相手を側におくなんて変なやつだな、アイツも

ステイシー

はあ…あの人いわく

ステイシー

「そういう相手の方が、素直に悪口を吐くから信頼できる」とか

ステイシー

ま、どうせ自分に楯突いた相手を従わせたかっただけでしょう

ステイシー

あの人本当に、クズですから。

そうして苦虫を噛み殺すような表情をしたステイシーに、アメリアは苦笑する。

アメリア

ははっ、言うなぁ

アメリア

お前は心の底から、ライアンが嫌いなのだな

ステイシー

はい！そりゃそうでしょう！

アメリア

ふつう別に衣食住恵んでくれりゃぁ、大満足じゃろ

ステイシー

…まあ、そうですよね

ステイシー

…でも俺は

ステイシー

ああいう、他の生きる者を見下す人間が、大嫌いなんです。

アメリア

…へえ、妖狐も妖狐で大変なんだな

ステイシー

そりゃ、俺の仲間にも飢え死にした人はいましたしね

ステイシー

あの人にそんな話をしたって笑われるかバカにされるだけでしょう？

アメリア

たしかに、そういうやつかもな

ステイシー

…っつか

ステイシー

今も毎日みっちり稽古で…あんなイラつく相手の護衛をしなきゃなんなくて…！

ステイシー

あの人俺が嫌がる仕事ばっかやらせやがってほんと…っ！

アメリア

あはは、やるなぁ、ライアンも

アメリア

まあ、せいぜい頑張って生き延びな

ステイシー

…一応言いますが、俺は空腹でなければそこそこ強いですよ

アメリア

ああ、分かってるよ

アメリア

さっきの剣の動き、良かった

ステイシー

…俺を、自分より下に見てますね？

アメリア

嫌いになったか？

ステイシー

…別に。あなたの心はあの人ほど汚くないので

アメリア

はは、いいな、アイツが基準だと

ステイシー

でしょう

ステイシー

俺が嫌いなのはあの人だけです

ステイシー

だから…いつか絶対に…

ステイシー

あの人の首を、噛みちぎってやります。

アメリア

そうか

ライアン

…おい、次の仕事は───

ライアン

…ステイシー？

ライアン

…

ライアンは深く、ため息を吐いた。

ライアン

（あの女と話しているんだったか）

ライアン

仕方ない…

リン、と鈴を鳴らすと、何人かがバタバタと駆けつける

ライアン

そんなにいらない

ライアン

誰かこの資料を───

期待するような、憧れるような、媚びるような────

そういう表情の者ばかりが、ライアンを取り囲む

ライアン

（…幼い頃からずっと、ここは変わらないな）

ライアン

…いや、いい。自分でやる。下がれ

困惑する者や出しゃばる者を無視して、ライアンは部屋を後にする

ライアン

（…ステイシー）

ライアン

（俺はアイツの事が）

ライアン

（一番嫌いで、一番信頼している。）

ライアン

（…はあ、所詮は俺もこの家の人間なのだな）

ライアン

（思い通りにいかない人間に、こうも苛つくなど）

ライアン

（…思いもしていなかった。）

ライアン

（だからこそ────）

ライアン

（いつか絶対、アイツが心から恭順の意を示すよう仕向けてやる。）

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ライアン王子……タイミングよく自分に生涯忠誠を誓わせることを言葉にしたな……wステイシーさんもステイシーさんでただ何も考えず返事しちゃったし……wこれは仕方ないね……w いつかアメリアさんとステイシーさんが2人でライアン王子の首を獲る日が来そう……😂😂 ライアン王子も周りの人達にうんざりしててステイシーさんのことを嫌ってるけど、側近としては本当に信頼してるんだな、って思った💭

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