この作品はいかがでしたか?
239
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家に着き
床に至る
そして彼は毎夜想う
今日も
また今日もと
会社で起きた出来事を
冬希は問う
何故自分だけこうなるのか
何故こんな目に遭わなければならないのか
冬希
冬希
いい加減涙も馬鹿馬鹿しく思えてくる
彼は泣っ面を見せなくなった
それ程までに追い詰められている
1人の成人男性として 気合を入れる為
毎日欠かさず手入れをし 、
格好良くきまったセンタ ー 分けが うねりあがったマッシュになったのが
何よりの証拠であろう 。
冬希
彼は呟き
今日最後の言葉を一つ
こんな社会 、 生きたくて生きてる訳じゃない
冬希
目を閉じただけなのに
一瞬にして 、睡魔が 一日を終わらせてきた
カップ麺と水の安っぽい 腐ったようなにおいと
偶に奮発して買える スナックの香り
一人暮らしを始める為に 引っ越した新居は
対して家具もなく 、 最低限のテ ー ブル ケ ー ブル 文房具
唯一誇らしい家具といえば
譲ってもらった50インチの テレビ
特に面白みもなく
部屋を見渡せば見渡す程
冬希は生きてる意味が 分からなくなるので
最近は部屋の床と睨めっこ しながら歩くことにしている
そして
彼は浅はかで儚い
尊き夢を見た
生臭い ...
暗い ... 臭い ...
何だよ此処
鉄製の壁で覆われた部屋
窓もなければ家具も何も無い
何らかの施設だろうか? 冬希はそう思った
冬希
冬希
ふと足元を見た
その一瞬にて
生臭さの正体が解った
冬希
血 ... ??
足元には
誰かの血液がダラダラと 自身の足に迫ってきている様だった
一体どうして ... と思い 前を向けば
人が
腹部に刃物を刺されたまま
顔をボコボコにし 白目を向いていた
そしてソレを
自身の手で持っていた
だが
よく見るとソレは
冬希を虐めている会社員の1人だった
冬希
理解した
この人を殺ったのは
自分だと
ヒトを殺したんだ
自分の手で
冬希
死んでるんだ
脈も動かなく
冷たくなった硬い皮膚 。
やめてくれ
夢なら早く
覚めてくれ
冬希
冬希
チッチッチッチッチッ
シンとした寂しい部屋の 時計の針音で我に返った
冬希
冬希
冬希
彼はまた
悪夢の様な一日を過ごすだろう
昨夜見た夢を忘れる程に
♡ × 100
コメント
3件
はッ!!続き待ってマした!! 今回も最高すぎてやばいでふ!👍 文章の書き方と表現力が異次元すぎて絶句しそうです!ほんと好き🤗💕︎ こんな悪夢見たら目覚め悪そうです笑 続き待ってます!
文章の書き方が天才すぎてもう最高です‼((語彙力