だけど…
凌汰
凌汰
あの笑顔で流されてしまった
でも、そんなこと言われてあきらめてるくらいならわざわざアメリカからここの学校に入るためにがんばったりなんかしない
あきらめるわけにはいかない
あゆみ
あゆみ
凌汰
ばかにした態度にイライラして、このままだとここで爆発しちゃいそうだから
いつの間にか始まっていた授業に集中した
そして放課後
凌汰
笑顔で教室から出ていく椋野君を追いかけた
椋野君には用はない
でもきっと椋野君はこれから堀越君に会う
そう確信していたから
椋尾君と緑メッシュ君は2人で屋上に向かった
そして屋上のドアに手をかけた時椋野君がこちらを振り返った
凌汰
緑メッシュ君
あゆみ
凌汰
そういっておk上に出た彼らに続いてあたしも屋上に出たけど、あたしたち以外誰もいなかった
あゆみ
あゆみ
凌汰
凌汰
あゆみ
緑メッシュ君
緑メッシュ君
緑メッシュ君
緑メッシュ君が怖い顔していった
…そんな怖い顔しなくてもいいのに
あゆみ
緑メッシュ君
どうしてだろう。この人が怖い顔をいても怖くない
あゆみ
あゆみ
あゆみ
あゆみ
あゆみ
凌汰
悠馬
そういうと2人は屋上を出て人気のない廊下を歩き続けた
あゆみ
旧校舎の資料室だった
凌汰
凌汰
そういうと2人は、中にはいっていった
ガラガラ
雄太
あゆみ
雄太
一緒にいたあたしをみて堀越君は椋野君たちを軽くにらみつける
悠馬
凌汰
腕をつかまれて教室の中に引き込まれる
何んというかここ資料室というより、リビングみたいな部屋
一通り部屋を見まわし、依然あたしを睨みつけている堀越君の前に立つ
あゆみ
あゆみ
雄太
雄太
雄太
ブチっ
冷たく吐き捨てるようなその言葉にあたしの頭の中でそんな音が、響いた
ここであたしが切れちゃダメ…
ダメ、落ち着いて。 この人にはこの人の事情もあるんだし…
雄太
言いにくればいい?
あゆみ
あ、もうダメかも。 一度声に出てしまえば歯止めが聞かなくなるもので
凌汰
あゆみ
あゆみ
あゆみ
そう言い切る時には視界が揺らいで彼らの表情が見えないでいた
凌汰
悠馬
あゆみ
あゆみ
不思議そうな椋野君たちにうつむきながら、答える
金髪くん
それまでずっとスマホをいじっていた金髪君が初めてこちらを向いた
あゆみ
あゆみ
言葉にするとやっぱり悲しくて、春乃との最後の時が頭に浮かんで
下を向いて涙がポロポロ落ちた
だれも何も言わない。でもそんな沈黙の中口を開いたのは堀越君
雄太
あゆみ
あゆみ
あゆみ
金髪くん
金髪くん
金髪君にいわれ説明しようとしたとき堀越君は立ち上がり部屋から出ていこうとしていた
あゆみ
あゆみ
ポケットに入れていた春乃の手紙を出した
あゆみ
金髪くん
堀越君に握らせた手紙を見た金髪君がつぶやく
あゆみ
雄太
春乃の手紙を見てあたしの言うことを信用してくれたのか、大人しく元の位置に戻る堀越君
凌汰
あゆみ
凌汰
あゆみ
あゆみ
あたしは自分が病気でアメリカの病院にいたこと
その時に春乃が転院してきたこと
あたしはドナーが見つかって助かったこと
でも、そのあとに春乃が病気で亡くなったこと
そして堀越君にすべて伝えると約束したこと
これまでのことすべてを彼らに話した
話している途中また涙が出て途切れ途切れになってもみんなちゃんと最後まで、聞いてくれた
だれも何も言わずに
あゆみ
あゆみ
雄太
封筒を開けた堀越君は愛おしそうに春乃の名前を呼んだ
あたしは中に何を書いているのか知らない
どんな内容かなんてもちろん知らない
あゆみ
もう一つ渡すように頼まれていた写真を渡して立ち上がる
あゆみ
あゆみ
あゆみ
あゆみ
あゆみ
そういい、ドアに手をかけて資料室を出ようとした
雄太
小さい声だけど確実にあたしにその声は届いた
あゆみ
あゆみ
あゆみ
あゆみ
ガラガラ
強く彼らに届くように言い切り部屋から出た
外は気づいたら赤く染まっていた
あゆみ
あゆみ
夕日が差し込む誰もいない廊下であたしの声が響いた