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涙の向こうであなたに恋をする

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涙の向こうであなたに恋をする

5 - 涙の向こうであなたに恋をする

♥

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2019年11月17日

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だけど…

凌汰

ふーん

凌汰

でもさ、雄太は春乃のこと忘れたから、もう思い出させないでね

あの笑顔で流されてしまった

でも、そんなこと言われてあきらめてるくらいならわざわざアメリカからここの学校に入るためにがんばったりなんかしない

あきらめるわけにはいかない

あゆみ

無理です

あゆみ

あたしは春乃から頼まれているので、渡さなきゃいけないものもあるので

凌汰

ははは、でももう雄太はあゆみちゃんと会わないよ

ばかにした態度にイライラして、このままだとここで爆発しちゃいそうだから

いつの間にか始まっていた授業に集中した

そして放課後

凌汰

またね、あゆみちゃん

笑顔で教室から出ていく椋野君を追いかけた

椋野君には用はない

でもきっと椋野君はこれから堀越君に会う

そう確信していたから

椋尾君と緑メッシュ君は2人で屋上に向かった

そして屋上のドアに手をかけた時椋野君がこちらを振り返った

凌汰

あゆみちゃんなんか用?

緑メッシュ君

つけているのバレバレ

あゆみ

…あなたたちに用はありません

凌汰

雄太ならここには来ないよ

そういっておk上に出た彼らに続いてあたしも屋上に出たけど、あたしたち以外誰もいなかった

あゆみ

堀越君はどこにいるの?

あゆみ

話したいんだけど

凌汰

雄太に会って何を話すの?

凌汰

春乃の事は禁句だって言われてるよね?

あゆみ

椋野君に関係ない

緑メッシュ君

俺らは春乃の友達だった

緑メッシュ君

急にいなくなったのは春乃の方

緑メッシュ君

今更何の用がある?

緑メッシュ君が怖い顔していった

…そんな怖い顔しなくてもいいのに

あゆみ

えっと、どちら様ですか?

緑メッシュ君

緑川悠馬

どうしてだろう。この人が怖い顔をいても怖くない

あゆみ

緑川君ね

あゆみ

春乃は…堀越君の話をよくしてくれたの

あゆみ

春乃がどれだけ堀越君を好きだったかあたしでもわかった

あゆみ

…だから伝えたいの。春乃の想いを無駄にしたくない

あゆみ

唯一の友達…親友だから

凌汰

…はぁ

悠馬

聞くか、聞かないかは雄太しだいだけどついてこいよ

そういうと2人は屋上を出て人気のない廊下を歩き続けた

あゆみ

ここは…資料室?

旧校舎の資料室だった

凌汰

もともとここは空き教室だったらしいんだけど、今は資料室になったらしいよ

凌汰

基本俺らここにいるから

そういうと2人は、中にはいっていった

ガラガラ

雄太

遅かったな

あゆみ

お、お邪魔します

雄太

…どういうつもり?

一緒にいたあたしをみて堀越君は椋野君たちを軽くにらみつける

悠馬

聞くだけ聞いてやれば?

凌汰

まあ、とりあえずあゆみちゃんこっちにおいでよ

腕をつかまれて教室の中に引き込まれる

何んというかここ資料室というより、リビングみたいな部屋

一通り部屋を見まわし、依然あたしを睨みつけている堀越君の前に立つ

あゆみ

…春乃の事聞いてほしいの

あゆみ

春乃に頼まれたから

雄太

俺は聞く気はない

雄太

あいつの事なんて忘れたし

雄太

思い出したくもない

ブチっ

冷たく吐き捨てるようなその言葉にあたしの頭の中でそんな音が、響いた

ここであたしが切れちゃダメ…

ダメ、落ち着いて。 この人にはこの人の事情もあるんだし…

雄太

それになにかあるなら、あいつ自身がいいにくればいいだろう

言いにくればいい?

あゆみ

なにも知らないくせに

あ、もうダメかも。 一度声に出てしまえば歯止めが聞かなくなるもので

凌汰

…あゆみちゃん?

あゆみ

春乃がどんな思いであたしに伝言を頼んだか、あの子の事何も知らないくせにかってなこといわないで!

あゆみ

春乃自身が言いにくればいい?

あゆみ

ふざけないで!そんなことが出来たら言われなくてもとっくにそうしてるよ!

そう言い切る時には視界が揺らいで彼らの表情が見えないでいた

凌汰

でも、それはアメリカにいるからでしょう?

悠馬

それだったら、メールとか寄こせばよかったんじゃないのか?

あゆみ

違うよ

あゆみ

春乃は…もういないから

不思議そうな椋野君たちにうつむきながら、答える

金髪くん

…どういうこと?

それまでずっとスマホをいじっていた金髪君が初めてこちらを向いた

あゆみ

春乃は亡くなりました

あゆみ

…今年の始めに

言葉にするとやっぱり悲しくて、春乃との最後の時が頭に浮かんで

下を向いて涙がポロポロ落ちた

だれも何も言わない。でもそんな沈黙の中口を開いたのは堀越君

雄太

…いい加減なこと言ってんなよ

あゆみ

嘘じゃない…です

あゆみ

あたしだっていまだに信じられないし、信じたくない

あゆみ

…でもあの子の最期をみとったのはあたしです

金髪くん

え、いや、あの

金髪くん

詳しく説明してもらえる?

金髪君にいわれ説明しようとしたとき堀越君は立ち上がり部屋から出ていこうとしていた

あゆみ

ちょっと、まってください!

あゆみ

あたしの話は聞かなくてもいいから、これは受け取ってください

ポケットに入れていた春乃の手紙を出した

あゆみ

春乃から堀越君にです

金髪くん

…春乃の字だよな

堀越君に握らせた手紙を見た金髪君がつぶやく

あゆみ

お願いです。あたしの話を聞いてください

雄太

…わかった

春乃の手紙を見てあたしの言うことを信用してくれたのか、大人しく元の位置に戻る堀越君

凌汰

あゆみちゃんも座って座って

あゆみ

ありがとう

凌汰

…聞かせてくれる?

あゆみ

すべて話します

あゆみ

あたしと春乃の関係、そして今までの事を

あたしは自分が病気でアメリカの病院にいたこと

その時に春乃が転院してきたこと

あたしはドナーが見つかって助かったこと

でも、そのあとに春乃が病気で亡くなったこと

そして堀越君にすべて伝えると約束したこと

これまでのことすべてを彼らに話した

話している途中また涙が出て途切れ途切れになってもみんなちゃんと最後まで、聞いてくれた

だれも何も言わずに

あゆみ

堀越君が持っているその手紙は春乃からの手紙です

あゆみ

春乃がなくなるときにあたし宛にって看護師さんに渡していたみたいです

雄太

…春乃

封筒を開けた堀越君は愛おしそうに春乃の名前を呼んだ

あたしは中に何を書いているのか知らない

どんな内容かなんてもちろん知らない

あゆみ

あ、あとこれも

もう一つ渡すように頼まれていた写真を渡して立ち上がる

あゆみ

あたしはこれも見ていません

あゆみ

用事はこれだけなんで

あゆみ

春乃のお墓に行ってあげてください

あゆみ

しつこくしてごめんなさい

あゆみ

さようなら

そういい、ドアに手をかけて資料室を出ようとした

雄太

悪かったな…

小さい声だけど確実にあたしにその声は届いた

あゆみ

春乃の事忘れないでください

あゆみ

春乃は堀越君の事愛おしそうに何度も話してくれました

あゆみ

何度も何度も会いたいって言っていたんです

あゆみ

もう知らないなんて、あんな酷いこと言わないでください

ガラガラ

強く彼らに届くように言い切り部屋から出た

外は気づいたら赤く染まっていた

あゆみ

…春乃

あゆみ

約束果たせたかな?

夕日が差し込む誰もいない廊下であたしの声が響いた

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