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少女
日の本では、それを子守唄と言う。
現世に現れた阿鼻は、文明によって掻き消され
積もり積もった綻びは、帳で伏せて爾今の彼方
少女は歌う。
万象との訣絶を願って。
少女
少女は歌う。
足元で眠る男を眺めながら。
少女の手には、重く、冷たく、鈍く光る金属が握られていた。
少女
少女は歌う。
男の髪を掴み上げ
その手にある金属を首に押し当てる。
少女は歌う。
私を捨てた
狼藉者との訣絶を願って。
少女
お前をベッドへ案内するろうそくが来たぞ
少女
少女
少女
少女
少女
お前の首を切り離す首切り役人が来たぞ
少女
少女
チョッキン、チョッキン。最後の奴が死んだぞ
少女
少女
少女は人海の波に消えていく。