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アルファ
…ああ、まあな
アース
だって当たり前じゃん？
アース
魔法使いがいる、なんて聞いたんだよ
アース
そりゃあ捕まえたくもなるでしょ？
サキャーダ
一応俺の獲物だからな？
サキャーダ
初めに会ったときからなんとなく感じてたけど、やっぱ魔法使いだったんだな
アルファ
…コイツらに何を盛った？
サキャーダ
薬だよ、くーすーり
サキャーダ
別に良くないモノは入ってないけど魔法がなけりゃ睡眠薬とおんなじ役割になっちゃうわけ
サキャーダ
あんたは魔力が免疫となって眠らなかったんだ
アルファ
なるほどな
アルファ
アルファ
で？何の用だ
サキャーダ
話聞いてた？
サキャーダ
大人しく利用されてくんない？
アルファ
拒否する
アース
どーして？
アルファ
…怒られるからだ
アース
…え？
アルファ
私は女勇者だと決められた存在
アルファ
私だってこんな偽善やりたくない
アルファ
だがな、もう逆らえない膨大な力に決められてしまったんだ
アルファ
やり遂げるしかないだろう？
ニヤリと笑った私を見て
2人は口々にこう言った
サキャーダ
やっぱあんた、性格悪いな
アース
猫眷属が2人もいて勝てると思う？
アルファ
…何が言いたい？
アース
2対1じゃ勝ち目がないってこと━━━━━
アルファ
2対1、ならな
そう言うと容赦なく私に向かってきたアースを跳ね返す
アース
…何を言ってる？
アルファ
さあな
アルファ
お前は私を捕らえてどうしたい？
アース
どうしようかなぁ
アルファ
ふっ
アルファ
狂ってんのはお前らだろう
アルファ
猫眷属…確か、どの攻撃方法もできるんだったか
アース
ああ、負けるわけないんだよ
アルファ
そうか
アルファ
だが知ってるんだろう
アルファ
私だって全属性の魔法が使えるんだよ！！
ビリッと電気が一帯を走る
常人から死んでしまうのではないかという重い電気が、2人を貫く
2人はかすり傷を負ったかの様だった
アルファ
…なるほどな
サキャーダ
普通に戦えば2対1で互角かもね
アース
そうだね、異常に強い
アルファ
互角…か
アルファ
舐められたもんだ、な
サキャーダ
アルファ、様？
アルファ
あ？
サキャーダ
…おい
サキャーダ
やっぱやめるぞ
アース
は？
サキャーダ
今日は、もう終わりだ
アース
何言って━━━━
アルファ
…ふ
アルファ
寝る
アース
はっ？
アルファ
後は任せたぞ
私の記憶はここで途絶えたが
後のことはきっと…アイツがやってくれただろう
…気づいたんですね
そう思いながら敵の背後から魔法を振り下ろす
アース
うお！？
サキャーダ
…やっぱりな
ズンズンとこちらに向かってきたサキャーダさんは
私に向かってこう言った
サキャーダ
お前、もう起きたのか
サキャーダ
随分と強い魔力をお持ちな様で
マル
マル
ふ、当たり前ですよ
マル
勇者一行の魔法使いというもの、こんなものではありません
マル
…今まで何がありました？
目が覚めたときにはアルファ様とサキャーダさんが何か会話していて
アルファ様が倒れ込んだ
マル
（だから、私が…！）
サキャーダ
え、教えるわけないじゃん
アース
敵に塩を送る、とはいかないからね
マル
…そう、ですか
マル
魔力…
アース
ん？
マル
随分と強い魔力、と言ったのは攻撃のことではないでしょう？
マル
私が早く起きたことに関係がありますよね
サキャーダ
あんた鋭いな
サキャーダ
そうだよ、魔力を持ってるから起きてられるんだ
マル
（だったらアルファ様は…？）
マル
（だから今倒れた…ううん、それにしては遅すぎる…？）
マル
（…そんなこと今はどうでもいい！！）
マル
何が目的でこんなこと…！
ユラリと陰が揺れる
マル
マル
お前ら本当に許さないぞ
サキャーダ
出たね、本性
サキャーダ
…この子はこの中で珍しく
サキャーダ
演技ができるみたいだ
アース
ああ
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