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#推しのグッズ紹介
繁華街は夜だというのに眩しかった。 大型モニターが絶え間なく広告を流し 店先からは音楽が溢れ 居酒屋帰りのサラリーマン達の 笑い声が交差する。 雨上がりのアスファルトは ネオンを反射し、街全体が色のついた 水面みたいに揺れていた。
そんな喧騒から少し外れた細い路地。 表通りの明るさが嘘のように薄暗く 建物の隙間には湿った空気と生ゴミの 臭いが溜まっている。 積み上げられたゴミ袋の山。
その奥から――
ガサッ 何かが動く音がした。
???
……ん?
近くを歩いていた若いカップルが 足を止める。 女の方は露骨に嫌そうな顔をした。
カップルの彼女
男は笑いながら肩をすくめる。
カップルの彼氏
軽い調子でそう言いながら ゴミ袋の方へ歩いていく。
女は後ろから不安そうに声をかけた。
カップルの彼女
だが男は気にせず ゴミ箱のすぐ近くまで進む。
黒い袋の隙間。 そこだけ妙に暗かった。
男は少しかがみ込み 恐る恐る声をかける。
カップルの彼氏
返事はない。 代わりに──
" ぐしゃり"
何かを踏むような音がした。
次の瞬間。
ゴミ袋の奥。 暗闇の中で、ふたつの瞳が開く
カップルの彼氏
男の喉が引きつった。鋭い目だった。
人間の目じゃない。獣。
いや、それ以上に冷たい何か。
まるで目の前の人間を“獲物”として 測っているような視線。
呼吸の位置。
距離。
逃げ道。
そういうものを一瞬で見定める目。
薄暗い隙間から見える白い顔は 泥で汚れていたが その瞳だけが異様なほど鮮明だった 男の背筋を冷たいものが走る。
カップルの彼氏
情けない声が漏れた。
身体が勝手に後ずさる。 視線を逸らせない。
その奥にいる “何か”が、人間じゃない気がした
女は状況が分からず眉をひそめる。
カップルの彼女
男は顔を真っ青にしたまま 震える指でゴミ袋の方を指した。
だが言葉にならない。
その瞬間。
ゴミ袋が、わずかに動く。 " ぐしゃり"と 中の“それ”が起き上がろうとした。
カップルの彼氏
男は悲鳴を上げ そのまま踵を返して全力で逃げ出した。
カップルの彼女
女も慌てて後を追う 足音だけが路地裏に遠ざかっていく
再び静寂。
遠くから繁華街の 笑い声だけが聞こえる。
ゴミ袋の奥。 小さな影がゆっくりと息を吐いた
???
白い髪。
泥で汚れた黒い服。
幼い少女の姿。
だがその瞳には 子供らしい感情が一切なかった。 少女――は、重い呼吸を繰り返す。
熱い。
身体が燃えるように熱い。 視界が霞む。指先が震える。
???
掠れた声が漏れる。
脳裏に蘇るのは 薄暗い研究室。薬瓶。
そして
???
自分で飲み込んだAPTX4869。
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