ふと、刃物を持つ貴方が綺麗で
不意に、今殺されたいと願うのだ
「ねぇ、それで殺してくれない?」
なんて言えば、固まる顔
そりゃ、そっか
心底残念に思いつつ、訂正をしようと思ったら
「嫌、絶対殺してあげない」
と、刃物を持って笑うあなたに
やっぱり、殺してくれないかしら
と、思うしかない
ぞっとする、綺麗さ
なぜ似合うのかすら分からない
でも、貴方が素敵だわ
「気が向いたらでいいわ、殺してくれない?」
もう、それしか頭にない
それは、祝福となり得るから
「……気が、向いたらいいよ」
それが、祝福となる
「気が向くのを、願ってるわ」
うっとりとした顔で、貴方を見つめる
いつか、殺す時は
それはそれは、残忍に殺してね
貴方の記憶に、一生残るくらいね?