杏
……塾から帰って、もうこんなに真っ暗なんだ……
もう街灯の灯りが眩しいほどに灯っていた。
今は9時ぐらいだろうか?帰りのバスがまだ来ない。
杏
うう……
先日の通り魔の事件を思い出す。
すると、一気に鳥肌が立った。
杏
今日は白百合が休み……
杏
うう……やっぱり1人は辛いな……
実際冬夜市から志知浜市は電車も通っているが……
地味に料金が高いから、車で行き、帰りはバスで帰っていた。
でも冬夜市の北側は治安が悪く、チンピラもうろつく程だ。
なんでそこの塾に通い始めたのか、私も知らなかった。
杏
う、、水商売の店がこんなにあるの……
杏
引くわ……
ザクッ……
杏
ッ……!
その一瞬で、私は目が眩んだ。
鈍い音、目眩……
私は何をされたのか、一瞬で察した。
そして、こういう町には……
「隠された夜の民」がいるのだと。