2人きりの電車の中。
長い沈黙が続く。
先に口を開いたのは、
花菜
佐山だった。
功
花菜
花菜
佐山は顔を真っ赤にしながら そう言った。
いつもなら、相手のことを考えて
俺は直ぐに「分かった」と 言うはずだった。
でも、あれを無かったことに されるのは
何だか癪だった。
功
功
功
花菜
花菜
佐山の目が見開かれ、
元から赤かった顔が、さらに赤く 染まっていく。
俺もあんなことを言っておきながら 気恥ずかしくなって、
ゆっくりと視線を逸らした。
花菜
花菜
佐山はそう言って、視線を逸らした。
2人、また沈黙が続く。
またしても、最初に口を開いたのは 佐山だった。
花菜
花菜
花菜
俺は、少し考えてから、 口を開いた。
功
花菜
佐山は見るからに落ち込んだ表情に なった。
功
功
花菜
功
功
功
功
そう言った次の瞬間に
駅に到着したことを告げる駅員さんの声と、音楽が鳴った。
俺は電車を降り、
それについて来るようにして佐山も 電車を降りた。
花菜
花菜
花菜
駅のホームで、佐山はそう言った。
功
花菜
花菜
格好良く言いたかったけれど、
俺はきっと、自然と笑顔になる表情を 抑えきれていなかったと思う。
功
功
花菜
功
功
俺がそう言うと、
佐山はまるで満開の花が咲くように 笑顔になった。
花菜
街灯に照らされた夜の道を、2人で 歩き始める。
暗くなった空には、満天の星が 瞬いていた。
コメント
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とても素敵なストーリーですね! 私もカサミネさんみたいなストーリーを作ってみたいです!