丈太郎
明日夢
丈太郎
丈太郎
明日夢
丈太郎
明日夢
明日夢
今日はこっちの母ちゃんに会いに行くことにした
この日は空が晴れていて
珍しいなと思っていたけど
駅に着く頃には空が雲で覆われ
いつもみたいにどんよりとした空気に変わっていた
母ちゃんに会いに行く日は何故かいつも曇り空
しかももう12月で
外の空気は凄く冷たくなっている
最寄りの西柳駅を出発し
隣町組が利用する柳駅を通過して十五分
目的地の東柳下駅に到着
その東柳下駅から十五分、歩いたところに
柳下総合病院と言う凄く大きい病院があり
母ちゃんはそこにいる
そこでいつも会う沼田さんは
母ちゃんの担当の看護師さんだ
沼田さん
明日夢
沼田さん
沼田さん
明日夢
俺が最近ここに来れなかったのは
タイムマシーンで過去に飛んでいたから
これは俺とじいちゃんの秘密で
過去の母ちゃんに会いに行ってるなんて言えないから
凄く適当な言い訳を並べた
これは父ちゃんにも話していない
でも母ちゃんには聞いてほしくて
こっそり話してしまっている
明日夢
明日夢
明日夢
明日夢
明日夢
明日夢
明日夢
何度、呼び掛けても
母ちゃんからの返事はない
明日夢
俺は母ちゃんが大好きだから
何度でもここに来て何度でも呼び掛ける
例え返事がなくても
いつかきっと
応えてくれる日が来るまで
小さい頃はよく父ちゃんに連れられてここに来ていた
俺が一人で来られるようになると
父ちゃんが一緒に来る頻度は減っていき
最近は殆ど来なくなってしまった
俺の記憶の中の父ちゃんは
会いに来ても黙ったまま
母ちゃんの手をぎゅっと握りしめているだけ
まだ小さかった俺は訳もわからず
ただ悲しそうな顔をする父ちゃんを見ているのが
何だかとても辛かった
明日夢
明日夢
じいちゃん
明日夢
明日夢
明日夢
明日夢
明日夢
明日夢
じいちゃん
じいちゃん
じいちゃん
明日夢
電車の窓から見える景色
相変わらず空は曇っていた
出る時はあんなに晴れていたのに
母ちゃんに会いに行く日は曇ることが多く
まるで俺の気持ちを反映しているようだった
明日夢
明日夢
冬にタイムスリップすることも考えたけど
色々なことがあって傷ついている母ちゃんが心配で
あまり間隔を開けすぎることはしたくなかった
丁字路を左折して坂道を上る
この坂は通学路だからほぼ毎日、通っているけど
地元組で部活にも入っていないからいつも一人
仲のいい奴は何人かいるけど
みんな隣町組で部活もあるから一緒に帰ったことはなく
休日も練習やら試合やらで会う頻度もかなり少ない
友達と一緒に登下校をしたり遊んだり
そんな青春からは遠ざかっている気がする
明日夢
じいちゃん
じいちゃん
明日夢
明日夢
じいちゃん
じいちゃん
ギュィィィィィィン!!
俺は母ちゃんが大好きだから
今日も母ちゃんに会いに行く
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