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百鬼夜行の華

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百鬼夜行の華

18 - 違和感、困惑、不愉快

♥

181

2023年10月24日

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未門

よっ…と

未門

これで何人目だ……

沙樹

…相当な数捕まえましたね

未門

まさか人間に紛れている妖魔がこんなに多いとは思ってなかった

未門

……恐ろしいな

沙樹

未門

……沙樹?

沙樹

あ、はい

沙樹

どうしました?兄様

未門

…いや、なんでもない

沙樹

そう…ですか

沙樹

……

未門

……?

昨日、妖魔を残らず捕まえると伝えてから様子がおかしい

と言うよりも、術の発動に躊躇いを感じる

元々優しい子ではあったが…

未門

(……それとは、訳が違う気がする)

「妖魔を捕まえる」

それは想像以上に大変だった

1つ、数がとても多い

2つ、人間への擬態能力がとても高い

3つ、人間が意図的に匿っている

4つ、人間すら騙してる事もある

……5つ

この岩永の決断で、自害した妖魔があまりにも多い

それらの処理も全て岩永家がしている為疲労がとんでもない

自害の理由は未だ不明

なんなら死体処理の方が面倒なのでやめて欲しい

未門

……流石に、疲れたな

岩永家現当主、岩永未門

先代に拾われ、才能に恵まれた人間

刀に認められ

術もずば抜けて扱いが上手い

何よりも

先代が持っていなかった夜桜を殺す力を持っていた

未門

その期待も…少し、重いな

「本当にこれでいいのだろうか?」

悩みが飛んで、消えて、また浮かぶ

夜桜に会ってからずっとこんな調子だった

何か、何か、こうでは無い

そんな違和感を、未門は感じたくなかった

…故の、行動

未門

…夜桜にもう会いたくないからって

未門

流石にやりすぎたかな……

でも、こうでもしないと

…「岩永未門」が、壊れそうだった

「困惑」

ただ、それに尽きる

桃香

(なんてよりによって今?)

桃香

(そしてそれをする理由は?)

桃香

(確かに妖魔が憎くなって全員ここに閉じ込めようとするのは分かる)

桃香

(だけど、それをするくらいなら殺してしまった方が楽だ)

桃香

(なんでそれをやらない?)

夜桜家現当主、夜桜桃香

妖魔の国の王族、「夜桜家」に九尾の狐として生まれた

それだけで素晴らしいことなのに、世界は彼女に試練を与えた

「八大陸沙羅家2代目巫女、沙羅桃香」

その、転生した姿である

無論、八大陸時代に使えた術は全て思い出し

幸か不幸か大切な仲間達も一緒についてきてくれた

そんな桃香、散々酷い目にあっておきながら今世ではその中でも1番酷い目にあうのを許している

……彼女は、強い

故に、優しい

故に、甘すぎる

桃香

……はぁ

桃香

これは覚悟を決めなきゃいけない感じかな…?

桃香

……皆を集めるか

桃香

妖魔の国の国民達もこっちに避難させて……

桃香

…あの3人も、呼び戻すかな

桃香

間に合っているといいんだけど…

桃香

……そういえば、桃門どこいったんだ?

桃香

まぁいいか

桃香

…さて、と

桃香

…覚悟、決めるか

「今世の全てを、終わらせに」

不愉快

そう、不愉快なのだ

だが、仕方がないと思う

それにしても急に呼びすぎだろとも思いつつ

確かに、この件はとても大事だ

だが、それでも来たくなかった

来た理由は一つだけ

今回、相手をするのが自分の可愛い眷属だから

万が一死なれたら困る

……なんてレベルでは無い

死ぬことはほぼないと思うが、それでも怖い

この世界でたった1人の眷属なのだ

……でも、それでも

クルト

(あぁ不愉快)

クルト

(なんなんだよ、この不愉快さは)

ベリアル

……主様

クルト

…ベリアル

クルト

もう始まった?

ベリアル

いえ、これからです

クルト

……そう

クルト

長引きそう?

ベリアル

……多少は

クルト

なら、白魔と秋霖呼んで

クルト

お願い…というより

クルト

「命令」したいことがある

ベリアル

…白魔さんと秋霖さんを?

ベリアル

…いくら主様といえその権限は…

クルト

口を閉じろベリアル

クルト

その権限が、なに?

クルト

忘れたなんて言わせないよ

ベリアル

(……あ、目が…)

ベリアル

……承知致しました

ベリアル

「姫」のご命令とあらば

クルト

分かればいいの

クルト

呼んできて

ベリアル

承知致しました

クルト

(向こうの事も、こっちの事も大切だ)

クルト

(なら、他の人を頼ればいい)

クルト

……正直、この権限は使いたくないんだけどね

白魔

そう仰らないでください

白魔

クルトさん

秋霖

そうですよ

秋霖

それで、ご命令とはなんでしょうか?

そういい、「跪く」2人

ベリアルも後ろで跪いている

クルト

あぁ、そう

クルト

お願いなんだけど……

白魔

…なるほど、状況は理解致しました

白魔

ぼく達は保険、ということでよろしいでしょうか?

クルト

うん、それで合ってる

秋霖

僕達では少し役不足かもしれませんが、全力を尽くします

クルト

うん、任せたよ

クルト

白魔、秋霖

白魔

仰せのままに

秋霖

必ず、成功させます

ベリアル

……姫、こちらに

クルト

…姫?

クルト

ベリアル

クルト

「誰を見て言ってるんだ?」

ベリアル

……(あ、戻ってる)

ベリアル

失礼いたしました

ベリアル

「主様」

ベリアル

こちらがお席となります

クルト

うん、それでいいんだよ

クルト

(……さて)

クルト

(こんな不愉快なもの、さっさと終わればいいのに)

ベリアル

(……主様、今日はやけに情緒が不安定だ)

ベリアル

(やはり気になるものなのですね)

ベリアル

(……まぁ、主様なら大丈夫でしょう)

ベリアル

(……問題は)

ベリアル

(……いや、辞めよう)

ベリアル

(俺如きではどうすることも出来ない)

ベリアル

(……はぁ、早く終わらないかな)

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コメント

3

ユーザー

それぞれがそれぞれの感情を抱いてそれぞれの道を進み出してる……(ややこしい言い方ごめん)でも皆どこか切ない、苦しい様子で壊れかけてる…… 今回の連載は展開が全然読めないからこれからどーなるんだろ、って気持ちがいつも以上(100倍くらい?)に膨れ上がっていてめちゃくちゃ楽しみ👀✨ 未門さん、桃香さん、クルトさん。皆に幸あれ🙏🍀

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