ましゅの短編シリーズ

「trick or treat！」

誰もが知っている魔法の言葉

お菓子をくれなきゃイタズラするぞ

そういう意味が込められてる

じゃあ、あなたは「本当」の意味を知ってる？

再坂 柚木 小学4年生。

明日は、特有で伝統なこの学校の行事、ハロウィンパーティが行われるの。

みんなそれぞれ仮装をして、お菓子をあげたりコンテストが開かれたりと、さまざま。

今年は何の仮装をしようかな…去年はメイクやって黒猫したよなぁ。

源 静波。私と同じく小学4年生。

幼稚園の時からずっと何をするのもおんなじで、ずっとずっと親友だ。

静波と私はクラスから浮いている。それは、何でだって？

それはねー…。

ﾊﾞｼｬ

彼女は新城 青花さん。

家が裕福なのを自慢げにし、皮肉な私たちをいつも見下し、いじめる。

そんな彼女が、私は大嫌いだった。

しかも、静波も巻き添えにして。

ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

青花さんに逆らったものはいじめられる

そう思っているクラスメイトたちは、助けに来ることも、話しかけたりすることもしない。

私たちが、耐えなきゃいけないんだ。

静波だけだ。私の痛みを分かち合ってくれるのは。

私の支えになってくれるのが

ーハロウィンパーティ当日ー

でも、もう私限界かも。

そんな心情は、死んでも、口が裂けても言えなかった。

各教室にお菓子をもらうのは、昨年と全くおんなじだった。

ｶﾞﾗ

この声、青花さん？

ﾊﾟｧﾝ

ﾄﾞｻ

今、何が起きたの？

青花さんが、人を、撃ち砕いた？

お菓子をたくさんもらえなかった嫉妬で？

人が死んでいった？

隣にいた静波が、たまらず声を上げてしまう。

青花さんが。私たちに銃口を向ける。

どうやら、太ももにガンホルダーを隠していたらしい。

こんなの、最低すぎる。

ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

ﾊﾟｱﾝ

死んだはずじゃ？

その言葉は、突如、封じられた。

ｶﾂﾝ

ガンホルダーが、床に落ちる。

音を、立てる。

…青花が憎い

憎い

憎い

憎い！！！！

こんなやつ、早く仕留めなきゃ

大好きなった静波を、こんなに滑稽な姿にして、死なせるなんて。

…許さない。

許さない、許さない許さない許さない許さない

しね。

ﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝ

ﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝ

ﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝﾊﾟｱﾝ