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七不思議
ナレーター
かいだん
ナレーター
それは、十三日の金曜日、夜十二時に起きると伝えられています。
一ヶ月ほど前の十三日が、たまたま金曜日でした。
その夜、校内を見回っていた警備員さんが、この階段を半分登ったところで、ちょうど十二時になりました。
全部で二十段しかない、普通の階段ですが、なんとしたことでしょうか、登っても登っても四階につかないのです
警備員
と感じて、足を止めると、階段のなかほどに立っていました。
警備員さんはなんだか狐に化かされたような気持ちになって、両手で頰をパチパチと叩くと、
警備員
と、一言気合を入れて早足で駆け上がりました。
トントントントントントン…
警備員
立ち止まると、やはり階段のなかほどに立ったままです。
まるで、下りのエスカレーターを同じ速さで登って行くような物で、いくら登っても上につかないのです。
とっさに気転をきかした警備員さんはくるりと向きを変えると、階段を降りはじめました。
ところが、降りても降りても三階に着きません。
とうとう朝まで、警備員さんは無限に続く階段を、登ったり降りたりしていたということです。
ナレーター