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竜一郎

ほら見て見て〜佳澄ちゃん!

竜一郎

すげ〜綺麗だよ☆

佳澄

──ああ、そうだな

ショッピングモールから一歩出ると、街路樹に施されたイルミネーションが美しく輝く

竜一郎

佳澄ちゃんとイルミネーション見られて、オレちょー幸せ☆

佳澄

……な

思わず赤らめてしまった

竜一郎

佳澄ちゃん照れてる?

佳澄

……照れてない

竜一郎

顔赤いよ?

佳澄

……気のせいだ

佳澄

(……ん?)

再び視線を感じさりげなく辺りを見渡すが、人混みでごった返していた

佳澄

(まあこれだけ人が多いとな──)

少しだけ自意識過剰になってるのかもしれない

佳澄

(家族連れはもちろん、カップルも多いし)

竜一郎

どうしたの? 佳澄ちゃん

竜一郎

辺りなんか見渡して?

佳澄

……なんでもない。だだ──

竜一郎

ただ?

佳澄

人が多いと思って……

視線のことを口にせずごまかした

竜一郎

人混み苦手?

佳澄

少なくとも得意じゃない

竜一郎

──そっか

竜一郎

竜一郎

ねー佳澄ちゃん♪

佳澄

なんだ?

竜一郎

少しだけ寄り道しよっか?

佳澄

ここは…………

竜一郎

ふふっ。思い出した?

連れてこられたのは、人気のない公園のベンチだった

竜一郎

あのとき、ここで初めて出会ったんだよね

佳澄

──出会ったというか

去年のハロウィンの夜。竜一郎はベンチに座ったまま眠って、しかも左腕から流血していた

放って置けず彼を背負い家に連れて帰った

佳澄

(“発見した“の方が正しいんだよな)

竜一郎

あのときね、見つけてくれたのが

竜一郎

佳澄ちゃんでよかったって、今でも思ってる

佳澄

──竜一郎

竜一郎

佳澄ちゃん、月が綺麗だよ──

佳澄

──ああ。そうだな

竜一郎は腕を伸ばし佳澄を抱きしめた

佳澄

竜一郎?

竜一郎

──好き

竜一郎

オレ、世界で一番佳澄ちゃんが好き

切なさそうに想いをぶつける

佳澄

…………

竜一郎

ねぇ、キスしよ

佳澄

…………は?

佳澄

きゅ、急になに言って──

竜一郎

オレのこと、嫌い?

佳澄

……べつに、嫌いじゃない

竜一郎は上目遣いで見詰める

竜一郎

嫌いじゃないなら、キスしてもいいでしょ?

竜一郎

それにね、オレ佳澄ちゃんの言うとおり

竜一郎

クラスの連中とも仲よくしてるよ

佳澄

…………

竜一郎

そのご褒美もかねて、キスしよ──

佳澄が戸惑っていると、竜一郎は顔を近づけ唇を重ねる

佳澄

……!

竜一郎

……ん……

佳澄

〜〜〜〜!!

チュッ

リップ音で唇を離す

佳澄

……お、お前…………

言いかけようとした瞬間、佳澄のお腹からぐぅぅぅと鳴った

佳澄

!?

たださえ竜一郎からキスされ顔が赤くなっているのに、なんてタイミングで鳴るんだ…………

なんだか恥ずかしい

竜一郎

そろそろごはんにしようか、佳澄ちゃん

窓ぎわ

竜一郎

佳澄ちゃん、メニュー決めた?

佳澄

……いや、まだ…………

さっきの公園での出来事を思い出し、また少し顔が真っ赤になる

佳澄

(さっさと決めないと──)

竜一郎

焦んなくても大丈夫だからね♪

佳澄

(なんでそんなに冷静でいられる?)

佳澄

(──ってか、誰のせいだと思ってんだ)

一瞬、目の前の後輩を殴ろうかと思ったが──やめた

佳澄

(余計に腹が減るだけだし……)

竜一郎

あ〜お腹いっぱーい

佳澄

…………

竜一郎

どうしたの? 美味しくなかった?

佳澄

……いや、美味かった

竜一郎

デザートでも頼む?

佳澄

……いい。トイレ行ってくる

竜一郎

いってら〜♪

佳澄は席から立ち上がりトイレへ向かった

そのとき、スマホが震え通知が送られてきた

竜一郎

……

画面にタップし、それを見るなり真顔になった

竜一郎

うぜぇ

竜一郎

おかえり♪

トイレから戻るととびきりな笑顔を向けてきた

佳澄

……え、あ……ただいま

条件反射でつい“ただいま“と返してしまった

竜一郎

忘れ物はない?

佳澄

──大丈夫だ

竜一郎

じゃあ出ようか

立ち上がりレジへと向かう

佳澄

竜一郎

竜一郎

なに?

違和感を覚え思わず声をかけたが──

佳澄

……なんでもない

佳澄

(俺、なんて声をかけようとした?)

竜一郎

そう?

竜一郎

あ、ここもオレが払うから♪

伝票をひらひらさせながら歩きだす

鷸ヶ守高校帰宅部

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コメント

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ユーザー
ユーザー

竜一郎くんが垣間見せる二面性に惚れざるを得ません……! そして彼の過去もとても気になる展開でドキドキします 時おり彼の顔を強ばらせるのは誰からの連絡なのか、なぜ彼が流血して気を失っていたのか 続きも拝読してきます!

ユーザー
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