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吉岡医師たちが病室に入ってきた
吉岡医師
吉岡医師
状況は？
西村さん
起こしても起きないんです
西村さん
注射のせいかと…
吉岡医師
分かりました。
吉岡医師
見てみましょう。
吉岡医師
桜羽さんを検査室に連れていってください
医師たち
分かりました！
吉岡先生たちがまきを連れて行ってしまった
西村さん
怜くん、驚いちゃったでしょ
怜
……
西村さん
でも気付けて良かったわ。
西村さん
ありがとう
怜
怜
まきは大丈夫なんですか？
西村さん
西村さん
私にも分からないわ
怜
注射って…
西村さん
あぁ、花体病の新しい薬なの。
西村さん
たぶん…それのせいだと思うわ。
西村さん
でも、もう体に花も浮かんできたし、体が弱くなってるだけなのかもしれないし…
怜
えっ？
怜
もう浮かんできたんですか？
西村さん
えっ、ええ…
西村さん
(教えちゃダメだったかな)
怜
そんな…
怜
(なんで…俺に言わなかったんだよ…)
怜
じゃあ、もうレベルTHREEですよね？
西村さん
そうね…
怜
怜
そんなんですか、
怜
分かりました
怜
ちょっと出てきます
西村さん
うん…
怜
怜
くっそ…
怜
なんで…教えてくれなかったんだよ…
怜
(俺がもっと気にかけてりゃ…)
蘭
あれ？伊織じゃん
怜
白崎…？
怜
なんで、ここに
蘭
まきのお見舞いだよ
蘭
伊織もでしょ？
怜
…あぁ
蘭
あんたの事はまきから聞いてるよ
怜
そ、そうなの？
蘭
うん、まきはあんたの事嬉しそうに話すからさ
怜
(まき…)
蘭
まきももうレベルTHREEか…
怜
…さっき見に行ったら倒れてたよ
蘭
知ってる。西村さんから聞いた
怜
そ、そんなんだ
怜
……
蘭
……
怜
(き、気まずい。)
蘭
伊織はさーまきのこと好きなの？
怜
えっ？！
怜
そ、それは…
蘭
やっぱ好きなんだー
怜
まだ何も言って…
蘭
伊織って意外と顔に出やすいんだよ？自分でも気づかない？
怜
怜
そ、そうだよ！
怜
まきのことが好きだよ！
蘭
…じゃあ、覚悟してね？
怜
えっ？
蘭
まきの時間はもう限られてるの。
蘭
それでも好きだって言うなら、私は反対しない！
蘭
でも、覚悟しなかったら…まきが悲しむようなことはしないで欲しい…
怜
なんで…そんなことっ！
蘭
私はまきとは10年間くらいずっと一緒にいたの。
蘭
だから、まきの事はわかり尽くしてるの
蘭
まきは今ああ見えて実は心がボロボロなんだよ。
怜
…！
蘭
苦しい検査もたくさんやってきたし、家族からもほぼ見放されてる
蘭
だからまきは病気の完治をほぼ諦めてる。
蘭
伊織がまきに寄り添うのはいいと思う、私も嬉しいし、
蘭
でも、もし恋人となるなら、ちゃんと考えて欲しい
蘭
まきに残された時間はあと5ヶ月半あまり、それでまきを幸せに出来るのかどうか
蘭
こんなこと言いたくないけど、
蘭
まきが…まきがいなくなっても伊織は平気なのか
そこで蘭は静かに涙を流した
蘭
…だから、まきと付き合うのは、それくらいじっくり考えて欲しい…ぐすっ
蘭
まきの悲しい顔を見たくないの！
怜
白崎…
怜
あぁ、分かってる。
怜
まきが今どの状況なのか、
怜
それでも…俺はまきが好きなんだ
蘭
そうなんだ…
蘭
ヒック…分かった。
蘭
そしたら、私も応援するよ
怜
ほ、ほんとか！？
蘭
ほんとだよ。
蘭
伊織って意外と面白いやつだな
怜
意外とって…
蘭
あはは…
蘭
またなんかあったらLINEでもいいし、なんでもいいし、聞いてよ？
怜
あ、ありがとう…
蘭
いいさいいさ
蘭
じゃあ私はまた明日来るとするよ
怜
じゃ、じゃあ！
蘭
じゃあね！
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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