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203号室
外は晴れているというのに、部屋は重々しい空気で満ちていた
何も語らず下を向いたままの瑞希に、日向は少し遠くから話しかけた
日向正宗
日向正宗
日向の声が耳に入っていないのか、相変わらず瑞希は下を向いたままびくともしない
日向正宗
日向は瑞希の元を離れ、部屋を散策した
第1ラウンドとは打って変わって明るくなった部屋、大きな窓ガラス、存在感の増した武器
壁にかけられたタイマーは相変わらずカウントダウンを続けている
暇を持て余した日向はタイマーから目が離せなかった
日向正宗
そう思わず呟いたその時、後ろから音がした
瑞希
日向正宗
日向が振り向くと、先程まで何も反応がなく俯いていた瑞希が立ち上がっておどおどとしていた
瑞希
瑞希
過呼吸でふらつく瑞希の元へと駆け寄り、倒れそうになった体を支えた
日向正宗
瑞希
日向正宗
カーペットの上へ優しく座らせ、近くで見守った
日向正宗
日向正宗
日向正宗
瑞希の背中をさすり、落ち着かせようと大丈夫と言葉をかけ続けた
瑞希がある程度落ち着き、言葉を発したのはそれから約10分後のことだった
瑞希
日向正宗
瑞希
再び俯いたかと思いきや、今回は違った
瑞希
日向正宗
瑞希が震えながら指を差した先には、日向の持っている短刀があった
日向正宗
瑞希
日向正宗
予想外の返答に思わず固まる
瑞希はそんな日向の反応に動じることなく、続けた
瑞希
日向正宗
瑞希
一瞬、静寂が訪れた
震えるのを必死に隠す瑞希と刀を押さえる日向、二人は見つめあったままだった
日向正宗
瑞希
瑞希
瑞希
瑞希
瑞希
瑞希
瑞希はふと壁にかけられているタイマーを見た
瑞希
瑞希
瑞希
瑞希
日向正宗
瑞希
日向の視線も思わずタイマーへと向いた
残り時間は5分を示していた
残り5分です
瑞希
日向正宗
瑞希
日向正宗
そんな訳ないよ!!!
日向正宗
瑞希は突如声を荒げた
肩が上下したまま、目元には涙を浮かべながら
瑞希
瑞希
瑞希
“瑞希がいなくなることに比べたら、全然、どうだっていいの!!”
…変なの
気持ち悪い
瑞希
瑞希は日に照らされギラギラ輝くハンマーを手に取り、窓ガラスに思い切り打ち付けた
日向正宗
もう日向の声など聞こえていなかった
案外窓はすぐにヒビが入り、数秒後には砕け散った
日向正宗
瑞希
日向正宗
日向の抵抗も虚しく、直後に雪の塊が地面に落ちたような音と同時にうめき声がかすかに聞こえた
日向正宗
日向正宗
絶望に蝕まれながら呆然と立ち尽くすしかなかった
鍵の開く音がしたのは音がしなくなってから約1分後のことだった