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204号室

少し重い足取りで部屋に入ると、途端に第1ラウンドとは圧倒的に違う“何か”を感じた

渦巻く後悔、悲しみ、悔しさ、怒り

人を1人実質自らの手で56してしまったという事実から逃げられない、そんな参加者の心の内が現れているようで、テトは思わず息を飲んだ

重音テト

……あれ?君、人じゃなかったりする?

イヴァン

え?よ、よく分かったね…?

生に対する執着が本来なら感じられるはずが、なぜかそこまで感じられない

0ではないが、生に対して無沈着な人と同じかそれ以下に感じられた

イヴァン

僕はイヴァン
国なんだけど、君は菊君のところの子だよね?歌、たまに聴いてるよ

重音テト

あっ、ありがとう、聴いてくれているんだ!

重音テト

というか…国なんだな
……え、ボクは今から国と戦うってこと?

イヴァン

うん、ごめんね
でもこれはゲームだから……

イヴァンはそう言うと、持っている蛇口で攻撃を防ごうと構えた

─────しかし、一向に蛇口と何かが触れ合う音がしない

様子見ついでに顔をあげると、そこには目を真ん丸くしたテトがいた

イヴァン

…え?攻撃、しないの?

重音テト

え?いや、戦うってそっち?
てっきりディベートとかだと…

イヴァン

え?あ、あぁ……え?

両者の間に気まずい空気が流れる

そんな空気を切り裂くように、遠くから微かに銃声と刃の交わる音が聞こえてきた

イヴァン

…わぁ、物騒な音

重音テト

…本当だ、君が言った通り肉弾戦だ

二人の目の前には机に置かれた古びた自動小銃、棚にはハンマーと金槌が入っていた

イヴァン

こんなのあったんだぁ…

重音テト

えっ、君、第1ラウンドでも銃あったの気付いてなかった?

イヴァン

あったっけ…そんなの

首を傾げるイヴァンにテトは戸惑った

重音テト

あれ、君さ

重音テト

第1ラウンドで銃使わなかったの?

イヴァン

え?うん、使わなかったよ

意外にもすました顔で返事が返ってきた

重音テト

じゃあ何でボクを真っ先に攻撃するでもなく、防御に回ったの?

イヴァン

え、あ、それは…

イヴァン

…君、僕のこと嫌いでしょ?

イヴァン

…え、嫌いじゃないの?

少し間をおいて言葉を発したイヴァンの目に映っていたのは、未だ左上を見るテトの姿だった

重音テト

ボクと君は初対面…だよね、もしかして前に会ってた?

イヴァン

僕の記憶にも無いし初対面…だと思う

何が起こっているのか分からなくなり、いよいよ脳の処理が追いつかなくなった

今にもオーバーヒートしてしまいそうなテトの脳は悲鳴をあげていた

重音テト

ど、どうしたんだい?辛いことでもあったのか?

重音テト

一回落ち着こう
ボクは君が嫌いなんかじゃないし、恨みも何も無い

重音テト

殺意なんて抱いたこと無いし、何よりボクは君のことはさっき初めて知った

イヴァン

え?あぁ…僕大事なことを言い忘れていたみたい

宥めようとするテトを信じられないのか、思い出したように口を開いた

重音テト

大事なこと?

イヴァン

そう、大事なこと

パニックで大事なことを言えなかったのか、とテトは1人納得したが、次に出てきた言葉は全く以て予想外のものだった

イヴァン

僕は■■■……なんだけど

重音テト

…!?

思わず目を見開く

頭から足まで眺める

思ってもいなかったことが全て言語化されたような気がして、やけに腑に落ちた

そんな現実が一番怖くなり、悲鳴を上げていたテトの脳は途端に高速で動き出した

しかし、結局込み上げてきた感情は呆れと笑いだった

重音テト

……君は実に馬鹿だなぁ

イヴァン

…え?

堪えきれない笑みが顔に出ると、イヴァンは困惑と嬉しさと恐怖を足して3で割ったような表情になった

重音テト

ボク、君のこと思い出したよ

重音テト

ボクもあの頃のインターネットで生きていたからさ、記憶の片隅に確かにあったよ

重音テト

確かに君がそんな風に思うのもおかしくないね、ようやく分かった

重音テト

でも、結局君は「お国柄」だとか「国民性」とかの集合でしかないでしょ?

イヴァン

え…あ…うん…

重音テト

だからさ、ボク達の間に敵とか味方とか関係ないよ

???

敵国とか友好国とか関係ない

?????

それはあくまでも君の意思ではないだろう?

イヴァン

…!

冷や汗と震えが止まらなくなり、咄嗟にしゃがむ

重音テト

だ、大丈夫…じゃないか

涙は押さえても押さえても止まることを知らない

重音テト

ボク、君に未来を託してみるのも面白いかな、なんてね

?????

譲ろう
この命、お主の国の未来に預けるとしよう

声を必死に押し殺して泣くイヴァンを目の前にしてテトもつられて泣きそうになったが、食いしばって耐えた

イヴァン

やめてよ…

イヴァン

やめてよ…!そんなふうにいうのは……もうききたくなかったよ…

とうとう抑えきれなくなり、迷子になってしまった幼児のような表情でテトを見た

すっかり幼児退行してしまい目の前で泣きじゃくる大男など普段なら困惑しか残らないが、このときばかりはテトもつられて涙を溢してしまった

重音テト

はは……ごめんね…
ボクも未来を守ってほしいって、心から思っているんだ

重音テト

君の手を汚させはしないから、大丈夫

指紋一つ無い自動小銃を喉元に突きつける

次の瞬間、鮮やかに空を舞う鮮血が無機質な壁と床を彩った

イヴァン

てと…くん…

イヴァン

ごめんなさい…

イヴァン

ぼくはわるいこだよ…

イヴァン

ぼくはなんどでもよみがえることができるの…

イヴァン

でもてとはいちどきり…
きっとみらいをまもるのはぼくなんかじゃない…

扉の鍵が開く音が部屋に響く

冷たくなったテトの手を握っても、いくら呼びかけても、鍵が閉まる音がすることは無かった

第2ラウンド終了 生存者9人→5人

to be continued.....

推し(&その他周辺キャラなど)を集めてデスゲームしてみた

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