ある月曜日の午後
望
我が姉よ!怠惰なる時を破るため、共に神々の遊戯を行おう!
弥生
えーと、つまり暇だからゲームしようってことでOK?
いつも通りの、望の中二病言語を翻訳する
てか、怠惰だとか遊戯だとかよく知ってるなぁ
まだ君小学五年生だよね?
望
その通りだ、我が姉よ!
望
今ここに、某配管工おじさんのゲームがある
弥生
OK、やりましょう
こう見えて私は、父の影響もあってか、かなりのゲーマーだ
弥生
で、やっぱり対戦モード?
望
ああ、そうでなくては面白くないだろう?
やるのは、コインを集めた量を競うモード
もちろん相手の妨害をするのもOK
弥生
じゃあ、コースは1-3にでもしましょう
望
よし、では開幕だ!
ででっででででん
望
うがー!
弥生
残念ね、私の勝ちよ
望のキャラの残機が0になり、強制的に私の勝ちとなる
望
何で、甲羅を的確に俺に当てれるんだよ!?
あ、中二言語が若干直ってる
弥生
うーん、経験の成せる技…かな?
望
いや意味分かんないよ…
弥生
まぁ、今回も私の勝ちで終わったわね
望
納得いかない…
弥生
そうは言っても勝ちは勝ちよ
望
ぐぬぬ、次はこれで勝負だ!
そう言って弟が出してきたのは───
弥生
オセロ?また懐かしいものを
弥生
まぁ、結果は私の勝ちだろうけど
望
ふふふ、そう言ってられるのも今のうちだぞ!
弥生
へぇ、言うじゃない
弥生
じゃあ、始めましょう
十数分後
弥生
うそ、でしょ……
望
ふははは!やったぞ!勝ったぞ!
結果は私の負けだった
弥生
こんな、こんな…!
望
くっくっく、どうだ我が姉よ!
望
この盤面が私の勝ちを証明している!
望
姉より優れた弟は存在するのだ!
高らかに笑う弟
よほど嬉しかったのか、中二言語が戻っている
弥生
くっ、もう一回よ!
望
何回やっても同じことだと思うぞ?
弥生
やってみなくちゃ分からないでしょ!
望
いいだろう、何回でも返り討ちにしてやる!
結構な回数を行ったが、私は一回も勝てなかった
弥生
どうして…?どうして…?
望
ふっ、これが我の実力よ
弥生
…納得いかない
少し、いやとても悔しい
弥生
もう一回…
望
いや、これ以上は我と姉の眠りの妨げとなる
望
続きはまた太陽が昇る時にだ
弥生
ああ、これ以上はやめておきましょう
もう20時、私はともかく望は寝る準備をする時間だ
弥生
それじゃ、私は部屋に戻るわ
弥生
おやすみ、望
望
ああ、よき睡眠を
弥生
ふぅ…
弥生
まさかあんなに望が強かったとは
弥生
完全に誤算だった…
私は机に置いてあるスマホを手に取り
弥生
オセロ、強くなる方法、っと
弥生
・・・
弥生
うん、分かんないわ
長い説明文を見て、私には無理だと悟る
弥生
…寝るか
ぬいぐるみを抱きながら、ベッドにつく
翌日
望
我が姉よ!此度もオセロを──
弥生
待って
望
──え?
弥生
今回は私の選ぶゲームで勝負するわ
望
えと、でも─
弥生
いいよね?
望
あ、うぅ
弥生
いいよね??
望
はい…
弥生
では、本日やるのはこれ!
望
えーと、格闘ゲームかな?
弥生
正解!
弥生
じゃあ、早速やろうか
望
え、操作説明とかは
弥生
じゃあ、早速やろうか!
望
ちょ
弥生
やろうか!!!
望
…はい
弥生
じゃあ起動、と
望
あの、
弥生
んー?何?
望
さっきからはめ技ばかりで身動きとれないんだけど…
弥生
ごめん、望が何言ってるか全然分かんない
望
何で分かんないだよ!?
弥生
あ、また私の勝ち!
望
あ゛あ゛あ゛あ゛!!!もういやだあああ゛!!!!
その後、望は格闘ゲームの勝負はしなくなりました。