ICE
そうだね…
ICE
何から話せばいいのかな
ICE
……ここは、八大陸
ICE
神の使いが生まれる場所であり
ICE
かつて厄災に見舞われた土地でもある
ICE
この世界には色々な大陸が存在してね
ICE
それぞれに特徴がある
ICE
ここ、八大陸だと神の使いが生まれる…とか
ICE
そういう系
仁詠
……では、私や沙優門に入っているという血は…
ICE
……そうだね
ICE
何故か君達だけが別の世界に来た
ICE
…そもそも、私はこの世界の出身でね
ICE
八大陸にも少なからず縁があるんだ
ICE
ある日、異質な雰囲気を感じる亀裂を見つけてね
ICE
入ってみたら、君達の世界に飛ばされたんだ
ICE
そこで、君達と似たような神の使いを探していたんだ
沙優門
何故、探していたのですか?
沙優門
Rは不審な死を遂げました
沙優門
神の使いの血を持つ人間が、あんなにあっさり殺されるのですか?
ICE
それは、多分
ICE
この世界にとって、Rが邪魔だったのだろうね
沙優門
この……世界にとって?
ICE
……そう
ICE
他の誰でもない、この世界にとって
ICE
不思議な話に聞こえると思う
ICE
だけど、この世界には意思がある
ICE
何故か、そう思ってしまうんだよ
ICE
……まぁいいや
ICE
説明に戻るけど
ICE
この大陸には11人の神の使いが確かに存在した
ICE
その中でも、四人神と呼ばれた人達はとても強い力を持った
ICE
そして、その力を上手く扱えたのは
ICE
自然の神の使いと、太陽の神の使いだけだった
ICE
あの二人だけが、11人の中でも特別だった
沙優門
力を持っていても、それが強すぎる故に上手く扱えなかったということですか?
ICE
そうだね
ICE
力の扱い方だけなら、風の神の使いと夢の神の使いの方が上手かった
ICE
そして、才能に関しては月の神の使いと星の神の使いがずば抜けていた
ICE
自然の神の使いと太陽の神の使いは、努力でその地位に座っていた
ICE
この大陸では、自然の神の使いは神の使いの中でもリーダー的存在とされた
ICE
実際、そうだったし
ICE
そして、自然の神の使いは代々「沙羅家」の者が選ばれた
ICE
沙羅家というのは、この大陸の巫女さんであり主の人なんだ
ICE
だから、自然の神の使いはよく「巫女様」と呼ばれていた
ICE
後にそう呼ばれすぎて歴史にも「巫女様」と書かれるくらいには呼ばれていた
ICE
……誰も、名前を呼んでくれなかった
ICE
さて、そろそろ目的地だ
ICE
階段、上がってきて
あまりにも長すぎる階段を歩いて
登りきったら
そこには、綺麗な神社があった
ICE
……懐かしいな
仁詠
……来たことがあるのですか?
ICE
……うん、そうだね
沙優門
不思議な……感覚がする場所ですね
沙優門
なんだか、懐かしい
仁詠
……沙優門と同意見です
心に、刺さる風景だ
懐かしい
尋常じゃない、安心感がある
ICE
……さて、そろそろ本題に入ろうか
ICE
まず初めに、私の話から
ICE
私はこの八大陸付近の大陸に生まれたんだ
ICE
そこには、妖魔と人間が共存していてね
ICE
妖魔側の王の名は「氷桜」と「夜桜」
ICE
人間側の王の名は「岩永」
ICE
その、妖魔の王として生まれたのが私
ICE
さて、改めまして
美愛
妖魔の国出身、雨女の氷桜美愛
美愛
妖魔の国の王であり、かつてこの地に居た雨の神の使いの、生まれ変わり
美愛
どうぞよろしくね
仁詠
……え?
仁詠
雨女……?
美愛
うん、そうだよ?
美愛
雨の神の使いに引っ張られたのかな、多分
沙優門
……転生ってことですか?
美愛
流石、飲み込みが早いね
美愛
そう、私は3回目の転生をして今ここにいる
美愛
神の使いを集めていたのも八大陸に帰すため
美愛
殺しはそのおまけ感覚でやっていた
仁詠
では……Rも必要だったのでは?
美愛
……いや、Rはダミーだ
美愛
大地の神の使いでは無い
美愛
確かに、その身に血は通ってた
美愛
でも、足りなかった
美愛
私の知ってる大地の神の使いはもっと強い
仁詠
……では、私達だけ連れてきた理由は…
美愛
……察しがいいようで助かるよ
美愛
今、ここには沙羅の巫女が居ない
美愛
私達の時代に生きていた巫女は既に転生を果たしてしまった
美愛
そして、今も夜桜として生きている
美愛
それが、私達の自然の神の使いであり
美愛
沙羅家2代目巫女の話
美愛
そして、沙羅家は沙羅の血を持つ人間が継がなくてはならない
美愛
そこで、仁詠だ
美愛
君には確かに自然の神の使いの血が流れている
美愛
まぁ、何故か吸血鬼も入っているけど…
美愛
……こほん
美愛
仁詠、君には沙羅家3代目巫女になって欲しい
仁詠
……
仁詠
私が……?
美愛
そう、他の誰でもない、君が
美愛
君だけが、沙羅の巫女に……
その瞬間、強い風が吹く
どこか、懐かしい香りと共に
風が止み、目を開けると
仁詠
…?
そこには、どこか懐かしく
そして、儚い雰囲気を纏った美青年が居た
そして、ICE様……
……いや、美愛様を見つめている
美愛
……え
美愛
ど……どうして……?
美愛
どうして……ここに……
美愛
あの時……皆……
???
……こちらこそ、聞きたいです
???
……これは、どういう状況なのですか?
???
美愛様